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 鳥の卵の中で、最大のものは、どの種の卵でしょうか? この答えは、多くの方が御存知でしょう。ダチョウですね。現生の鳥の中で、最も体が大きい種です。体の大きさに比例して、卵も大きいです。大人の手のひらから、はみ出すほどの大きさです。
 歴史的に見ると、かつては、ダチョウよりも大きな卵を産む鳥がいました。エピオルニス科エピオルニス属の種です。アフリカの東に浮かぶ、マダガスカル島にいました。
 エピオルニス属には、四種から七種ほどが属していたと推定されています。二十一世紀の現在には、全種が、絶滅しています。十六世紀くらいまで、生存していたようです。
 エピオルニス属の鳥たちも、全種が、ダチョウと同じように、大型で飛べない鳥でした。中でも、エピオルニス・マクシムス―ラテン語の学名Aepyornis maximus―という種は、頭までの高さが、3m以上もあったといわれます。
 この体の大きさに比例して、エピオルニス・マクシムスの卵は、ダチョウよりも大きいものでした。私は、この卵を見たことがあります。ヒトの新生児より大きいと感じました。片手で持てる大きさではありません。赤ん坊を抱くように、持たなければなりません。
 体の大きい鳥が、大きい卵を産むのは、当然ですね。小さい体で、大きい卵を産む鳥は、いるのでしょうか? 体の割合に対して、最も大きな卵を産むのは、キーウィだといわれます。ニュージーランドの国鳥とされる鳥ですね。この鳥も、飛べません。
 キーウィとは、キーウィ科キーウィ属に属する、複数の種の総称です。種によって、体の大きさや、卵の大きさが違います。最も数が多いキーウィの一種、Apteryx mantelli(ラテン語の学名)が、体の割合に対して、最大の卵を産む鳥だとされます。
 Apteryx mantelliの雌は、体重が2.8kgほどになります。この体重の約四分の一にも達する卵を産みます。700gほどもある卵ですね。抱卵するのは、雄の役目です。
 体に対して、あまりにも大きいため、抱卵しても、卵を体ですっぽり覆うことができません。不自由そうですね。それでも、無事にヒナが孵化【ふか】します。キーウィが、なぜ、こんなに大きな卵を産むのかは、わかっていません。


 過去の記事でも、鳥類の卵について、取り上げています。また、ダチョウについても、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ダチョウは、昔、空を飛べた?(2017/2/10)
孵化【ふか】と羽化【うか】とは、どう違う?(2008/8/29)
郭公(カッコウ)はずるい鳥か?(2007/5/25)

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 ずっと以前のことですが、このブログで、コウノトリとツルの違い(2005/10/4)を取り上げました。。コウノトリと、ツルとは、よく似ていて、間違えられやすいです。
 日本には、他にも、コウノトリやツルと紛らわしい鳥がいます。サギです。
 ツル、サギ、コウノトリは、みな、嘴と首と脚が長く、すらりとした縦長の体型で、水辺にいる、という共通点があります。でも、互いに近縁ではありません。
 ツル(鶴)は、ツル目【もく】ツル科に属する種の総称です。サギ(鷺)は、ペリカン目【もく】サギ科に属する種の総称です。コウノトリ(鸛)は、コウノトリ目【もく】コウノトリ科に属する一種です。目【もく】のレベルで分類が違うのは、遠縁です。
 遠縁なのに、こんなに似ているのは、なぜでしょうか? 似た環境に棲むためです。池、沼地、水田などの浅い水辺に棲んで、長い脚を生かして、水の中へも踏み込みます。そして、長い首と嘴を生かして、水中の魚などを捕って食べます。
 おそらく、彼らの祖先は、互いに、似ても似つかない姿をしていたでしょう。それが、同じような環境で、同じような生活をするうちに、それに適した姿になりました。結果、似た姿になったわけです。同じ問題に対して、同じ解答を出しました。
 それでも、よく観察すれば、ツル、サギ、コウノトリは、それぞれ、違う特徴を持ちます。例えば、サギだけは、飛ぶ時に、長い首を縮めて飛びます。長い首を伸ばしたまま飛んでいたら、ツルか、コウノトリのどちらかです。
 サギとコウノトリとは、木に止まりますが、ツルは、木に止まりません。サギとツルとは鳴きますが、コウノトリは、鳴き声を出しません。三者のうちでは、サギが最も小型です。ツルとコウノトリとは、サギよりも大きく、重量感があります。
 これらの要素を組み合わせれば、ツル、サギ、コウノトリを見分けるのは、難しくありません。現在の日本では、ツルとコウノトリとは、個体数が少なく、見られる地域や季節が、限られています。普通の人が見られる確率としては、サギ>ツル>コウノトリの順で、確率が下がってゆきます。



図鑑には、ツル,サギ,コウノトリなどが掲載されています。


 過去の記事でも、ツルやサギやコウノトリを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
白鷺だけど、白くない? アマサギ(2014/4/21)
シラサギ(白鷺)という種は、いない?(2010/12/17)
コウノトリと共存、絶滅危惧のコガネムシ(2009/6/13)
種の壁を越える愛、ナベヅルとクロヅル(2009/2/9)
鶴(ツル)の舞は何のため?(2006/1/3)
コウノトリとツルの違い(2005/10/4)

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 ウグイスは、古来、日本でたいへん愛好される鳥ですね。和歌の世界などでは、春の代名詞になっています。春告鳥【はるつげどり】、歌詠鳥【うたよみどり】、経読鳥【きょうよみどり】、人来鳥【ひとくどり】など、多くの別名があります。
 別名の中に、黄鳥【こうちょう】、金衣公子【きんいこうし】といったものがあります。これらの別名は、変だと思いませんか? ウグイスは、黄色い鳥ではありませんよね。
 じつは、これらの別名は、ウグイスを、別の鳥と混同したことに由来します。それは、ウグイスの漢字名「鶯」に関わります。
 もともと、「鶯」という漢字は、日本のウグイスとは、別種の鳥を指しました。コウライウグイスという種です。中国、朝鮮半島、東南アジアなどに、広く分布する種です。日本では、まれにしか見られません。ほぼ全身が、美しい黄色の羽毛に覆われた鳥です。
 コウライウグイスならば、まさしく、黄鳥や、金衣公子といった名がふさわしいです。これらの別名は、本来の「鶯」に捧げられたものでした。
 日本に、「鶯」という漢字が入ってきた時、日本人は、「鶯」を、ウグイスに当ててしまいました。このために、「鶯(=コウライウグイス)」の別名である黄鳥や金衣公子は、そのまま、ウグイスの別名とされてしまいました。
 ややこしいことに、現代の中国では、ウグイスにも、コウライウグイスにも、「鶯」の字を使います。日本のウグイスは、「日本樹鶯」と表記されます。
 コウライウグイスには、いくつもの漢字表記があります。生物学的に正確に「コウライウグイス」を指す時には、「黒枕黄?」と書きます。これ以外に、「黄鶯」と表記することもあります。昔ながらの「黄鳥」や「金衣公子」も、使われます。
 さらにややこしいことに、現代の中国で、「鶯科」と書けば、日本のウグイスが属する「ウグイス科」を指します。コウライウグイスが属する「コウライウグイス科」は、「黄?科」と表記されます。長い年月が経つうちに、中国でも、コウライウグイスの呼び名が、「鶯」から、「黄?」へと、移り変わってきたようです。
図鑑には、ウグイスなどが掲載されています。





 過去の記事でも、ウグイスを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ウグイス(鶯)の雄は、イクメンか?(2017/3/3)
ウグイス科が、大分裂?(2016/10/14)
経読み鳥【きょうよみどり】とは、どんな鳥?(2011/5/9)
ダイトウウグイス復活!(2008/5/29)
梅にウグイス? いえメジロです(2007/3/12)


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