さすらいの侵略者セイタカアワダチソウ

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秋が深くなると、日本の空き地が黄色く染まってきます。セイタカアワダチソウの花が咲くからですね。
 セイタカアワダチソウは、外国からやってきた帰化植物です。明治時代に日本に入りました。大規模に広がったのは第二次世界大戦の後です。今では、日本中の空き地が秋に真っ黄色になるほど繁茂していますね。
 新参者がのさばっているように見えるので、セイタカアワダチソウはあまり良く思われていません。一時期、「花粉症の原因になる」と言われたこともありました。
 セイタカアワダチソウで花粉症になることは、まずありません。秋にかかる花粉症は、ブタクサなどの他の植物が原因です。急に繁茂したのが不気味がられて、セイタカアワダチソウに濡れ衣が着せられました。
 こんなに繁茂したのは、セイタカアワダチソウが秘密兵器を持っているためです。彼等は「化学兵器」を使います。
 セイタカアワダチソウは、根や地下茎から特殊な化学物質を放出します。シス-デヒドロマトリカリア・エステルcis-dehydromatricaria ester、略してcis-DMEと書かれる物質です。この物質が土にあると、セイタカアワダチソウ以外の植物の生育が妨げられます。他の植物を排除して、悠々と土地を独占できるわけです。
 このような化学物質は、他の植物にもあることがわかってきました。植物の種類ごとに独自の「化学兵器」を作り出しています。必死に生き延びようとする植物の戦術ですね。この現象をアレロパシーallelopathy(他感作用)と呼びます。ところが、土にcis-DMEが溜まってくると、セイタカアワダチソウの生育も妨げられるようになります。自分の毒に自分があたった状態ですね。そのために、セイタカアワダチソウは、長年同じところで繁茂し続けることができません。次から次へと新天地を求めなければ、生きていけません。
 かくして、セイタカアワダチソウは一時ほどの勢力はなくなりました。毎年、さすらいの侵略者として、彼等は新しい空き地を狙っています。

図鑑には、セイタカアワダチソウが掲載されています。ぜひご利用ください。

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このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2005年10月25日 10:04に書いたブログ記事です。

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