アクアラングを持ったクモ? ミズグモ

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クモといえば、木の枝などに網を張った姿を思い浮かべますね。家の中をぴょこぴょこ歩くハエトリグモを思い浮かべる人もいるでしょう。
 ところが、世の中には、なんと水中に棲むクモもいます。その名もミズグモといいます。ヨーロッパからシベリア、そして日本に分布します。水中生活するクモは、世界でミズグモただ一種だけです。
 ミズグモは水中では呼吸できません。ではどうやって水中に棲んでいるのでしょう?
 彼等は、腹部や脚の毛に空気の泡をくっつけて運んでいます。この空気を呼吸します。人間のアクアラングと同じですね。人間が発明するはるか前から、ミズグモは自前の「アクアラング」を使っていました。
 ミズグモは、一生を通じて、水の外に出ることはほとんどありません。長い脚で器用に泳ぎます。食べ物は、水生昆虫やイトミミズなどです。
 クモの仲間らしく、ミズグモも糸を出します。水中に巣を作るためです。糸で水草をつづり合わせ、鐘形の巣を作ります。ミズグモはそこへ空気を運び込んで、「空気ドーム」状にします。食べ物は「空気ドーム」に持ち込まれて、ゆっくり食べられます。
 ミズグモの生態は、誰が見ても神秘的ですね。そのイメージを生かした『水蜘蛛【みずぐも】』という小説が書かれています。フランスのマルセル・ベアリュという人の作品です。最近では、日本で、ミズグモをテーマにしたアニメ映画を作るという発表がありました。監督はあの宮崎駿さんです。
 ミズグモは、澄んだきれいな水でなければ棲めません。そのうえ暑いところは苦手です。そのために、もともと分布が限られています。日本の場合、北海道の釧路湿原や京都府の深泥池【みぞろがいけ】など、ごくわずかな生息地が確認されているだけです。
 ミズグモの棲める環境は、世界中で減っています。日本でも、環境悪化により、絶滅した地域があるようです。ミズグモは、氷河期の生き残りともいわれる貴重な存在です。いつまでも彼等が棲める環境を残したいですね。

図鑑には、ミズグモが掲載されています。ぜひご利用ください。

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このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2005年10月24日 16:04に書いたブログ記事です。

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