西洋ヒイラギはクリスマスに、ヒイラギは節分に

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クリスマスには、いろいろな植物が飾りに使われますね。中の一つがセイヨウヒイラギです。ぎざぎざの葉と赤い実が付いた枝が、クリスマスケーキなどに付いていますよね? あれがそうです。日本では、生きている本種ではなくて人工の模造品が用いられることが多いですね。
 セイヨウヒイラギと、日本に生えるヒイラギはそっくりです。ところが、この二種は全く違う種です。いわば「他人の空似」なのですね。
 セイヨウヒイラギはモチノキ科モチノキ属に属します。春に白っぽい花を咲かせ、晩秋から冬にかけて赤い実をならせます。日本には自生しません。ヨーロッパや西アジアに分布します。日本には、近縁種のクロガネモチ、モチノキなどが分布します。
 セイヨウヒイラギは常緑樹です。冬でも青々と葉が茂っています。クリスマスの頃には、ちょうどそこへ鮮やかな赤い実が付きます。生命力に溢れた姿が、クリスマスの飾りにふさわしいとされたようです。
 一方、日本のヒイラギは、モクセイ科モクセイ属に属します。晩秋から冬にかけ、白っぽい花を咲かせます。ギンモクセイの近縁種なので、同様に香りが良い花です。翌年の初夏に、黒っぽい果実がなります。ヨーロッパには分布しません。関東地方以西の日本各地に自生します。
 日本のヒイラギも行事に利用されます。皆さん御存知の節分ですね。その夜、ヒイラギの枝が戸口に挿されます。常緑で棘のある葉が、邪鬼を追い払うとされるからです。
 花期も果期も分布も、ヒイラギとセイヨウヒイラギは全く異なります。けれども、常緑樹であることと、葉が棘だらけなことが同じです。真冬に生命力に溢れ、棘で武装した姿が、両種とも神秘的に見えたのでしょう。ヒイラギはいかめしい姿が重視されて魔除けに、セイヨウヒイラギは果実の鮮やかさが重視されて豊饒の象徴にされたと想像できます。
 昔の人は、厳しい冬を無事に乗り切ろうとして、植物の生命力に祈りを託したのでしょう。純粋なヒトの心は、洋の東西を問いませんね。


図鑑には、アオハダイヌツゲクロガネモチタラヨウモチノキヒイラギが掲載されています。ぜひご利用ください。

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このページは、松沢千鶴が2005年12月23日 08:53に書いたブログ記事です。

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