黄金の花には意味がある、福寿草(フクジュソウ)

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 福寿草(フクジュソウ)とは、おめでたい名前ですね。早春にぱっと明るい花が咲くのが、春の希望を感じさせるからでしょう。よく、お正月の寄せ植えにされますね。
 お正月にフクジュソウが咲くのは、じつは早すぎます。園芸店で売られるのは、お正月向けに促成【そくせい】栽培されたものです。野生のフクジュソウは、だいたい二月から三月に咲きます。地域により、花期は異なります。
 二月や三月の山は、まだ寒いですね。霜がおりたり雪がふったりすることもあります。霜や雪に当たれば、植物は枯れやすいですね。なぜ、そんな時期に咲くのでしょう?
 結論を先に書けば、早春の陽射しを利用するためです。他の植物が芽吹く前なら、陽射しを独占できるからです。
 フクジュソウが咲くのは、林床【りんしょう】と呼ばれる場所です。林の下の地面です。林床には、初夏から秋にかけては日が当たりません。木々の葉があるからですね。早春、林床に日が当たるわずかな時期に、フクジュソウは花開きます。大急ぎで受粉して種子を作ります。木々の葉が茂る初夏には、さっさと枯れてしまいます。
 早春に咲く植物は、寒さ対策と、花粉の運び手を確保する対策とが必要です。早春には、活動する昆虫が少ないためです。植物の花粉の運び手は、ほとんどいません。
 フクジュソウの場合、あの黄金の花が両方の対策になっています。黄金色の花びらは、太陽光をよく反射します。反射された光は、花の中心あたりに集まります。そのために、花の内部がとても暖かくなります。天然のサンルームですね。
 このサンルームに、越冬中の昆虫や、春早く活動を始めた昆虫たちが惹きつけられます。そういう昆虫たちが、花粉を運んでくれます。
 フクジュソウのように、早春の林床に花咲く植物は、何種かあります。そういう植物を、スプリング・エフェメラルspring ephemeral、または春植物と呼びます。エフェメラルephemeralとは、「カゲロウのようにはかない」という意味です。短い春に生き急ぎ、初夏には姿を消してしまうので、こう呼ばれます。はかなく可憐な春の妖精ですね。

図鑑には、フクジュソウフキ(フキノトウの画像も載っています)、イチリンソウニリンソウカタクリフデリンドウなども載っています。ぜひご利用下さい。

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 寒さの中にも、春の気配が感じられる季節になりました。あちこちで、早春の花が... 続きを読む

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このページは、松沢千鶴が2006年2月20日 07:22に書いたブログ記事です。

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