花も実もある魔除けの木、モモ

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三月三日は桃の節句ですね。日本では、雛祭【ひなまつり】です。雛【ひな】人形と並べて、桃の花を飾る家もあるでしょう。モモは、花も果実もふくよかで優しげですから、女の子の祭りにふさわしいですね。
 けれども、桃の節句は、元来は女の子の祭りではありません。魔除けの祭りです。モモには、魔物を追い払う霊力があると信じられていました。
 モモの原産地は、中国北部と考えられています。中国では、紀元前より栽培されるようになりました。花が美しく、果実が食べられるからです。種子や葉は薬になります。その有用さのため、「霊力がある」と信じられたのかも知れません。
 日本では、弥生時代に中国からモモが伝わったようです。中国の思想を踏襲して、我が国でもモモは神聖なものとされました。桃の節句も、魔除けの祭りとして受容されました。それが、なぜかのちに女の子の祭りに変貌しました。
 モモは、花・果実ともに、日本でも好まれていますね。そのため、たくさんの品種が作られています。大きく分けると、花の観賞用の品種と、果実を食用にする品種に分けられます。花屋さんにある桃の花は、もちろん観賞用の品種です。
 皆さんは、食べる桃の実といえば、どんなものを思い浮かべますか? たぶん、みずみずしい白い果肉を思い浮かべるでしょう。食用品種の中でも、それは白桃【はくとう】と呼ばれるグループです。白桃は、柔らかい果実を好む日本で作られました。
 原種に近い中国のモモは、あんなに果肉が白くありません。肉質ももっと硬めです。果物にも、地域ごとに好みがあるのですね。中国には、桃の実とは思えない、奇妙な形の品種もあります。上下にひしゃげた蟠桃【ばんとう】などです。
 モモは、早くからヨーロッパにも伝わりました。ヨーロッパでは、ヨーロッパ人好みの品種が作られます。果肉が黄色い黄桃【おうとう】がそうです。缶詰に使われますね。
 同じモモでも、地域ごとに特色があります。それぞれの地域の人々が、美味しさを追求した結果でしょう。モモは、それだけ世界の人々に愛されているといえますね。

図鑑にはモモが掲載されています。「中国のモモの果実」として、珍しい蟠桃【ばんとう】の画像もあります。ぜひご利用ください。

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このページは、松沢千鶴が2006年3月 3日 09:08に書いたブログ記事です。

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