鴛鴦(オシドリ)は本当におしどり夫婦か?

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 寒い季節には、人里の水場でも、よくオシドリが見られますね。色鮮やかな雄と、地味な雌とが並ぶ姿は絵になります。古来、夫婦和合の象徴とされますね。
 ヒトだけでなく、ヒト以外の生き物も見かけによりません。じつは、オシドリの夫婦仲は、それほど良いとはいえません。
 オシドリは、同じ相手と一生添い遂げることはありません。ほぼ毎年相手を変えます。しかも、一夫一婦とは限りません。雄も雌も、複数の相手を持つことがあります。
 また、雄と雌とが一緒にいるのは繁殖期だけです。それ以外の時期は別々に暮らします。子育ては雌だけが行ない、雄は知らん顔です。
 オシドリのこのような性質は、おおむねカモ類に共通します。つまり、カモの仲間は、だいたい「浮気者」で、子育ては雌に任せきりです。以前、コラムで取り上げたツルとは対照的ですね(こちら『鶴の舞は何のため?』)。
 ヒト以外の動物に、ヒトの倫理を当てはめることはできません。オシドリの生き方も、厳しい自然界で生き抜くために身についたものです。非難するいわれはありませんね。
 暖かい季節になると、人里でオシドリを見る機会が減ります。これには二つの理由があります。
 一つは、育児期に入るためです。どんな動物でも、子育ての時期は子どもを守ろうとして、用心深くなりますね。オシドリの雌も、人目を避けて子育てをします。
 もう一つは、雄のオシドリが、目立たない羽色になるためです。繁殖期以外の雄は、雌そっくりの地味な色をしています。派手な羽色は敵(ヒトを含みます)に見つかりやすいため、できれば地味な色のほうがいいのですね。ということは、繁殖期の雄は、命がけでおしゃれをしていることになります。もちろん、雌を惹きつけるためです。
 子育てをしない雄のオシドリも、気楽なばかりではありません。冬、華やかな雄に雌が寄り添うのは、つかの間の穏やかな時なのかも知れません。絵になる「オシドリ夫婦」を見たい方は、雄が美しい寒い季節にバードウォッチングに行きましょう。

図鑑にはオシドリが掲載されています。ぜひご利用ください。

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このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2006年3月 6日 08:52に書いたブログ記事です。

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