ミツバチのそっくりさん、ハナアブ

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 「春は名のみの風の寒さや」ですね。でも、気の早い花が咲き始めています。フクジュソウ、キブシ、レンギョウなどです。暖かい日には、ミツバチらしき昆虫が、花々に翅【はね】を休めています。
 今、私は「ミツバチらしき」と書きましたね。じつは、早春の花に来るのは、ミツバチではないことが多いのです。ミツバチに似ていても、たいていは違います。
 「ミツバチでなければ何なんだ?」とお思いでしょうね。それはきっとハナアブです。
 ハナアブは、名のとおりアブの仲間です。ハチに似ているものの、アブはハチよりハエに近縁です。ハチと違って針はありませんから、刺しません。そのかわり、顎が発達していて咬むことがあります。ハナアブは咬まない種ですから、安心して下さい。
 ハナアブは、花蜜や花粉を食べるおとなしい種です。姿だけでなく、食べ物もミツバチと似ています。けれども、いくつかの点で、ミツバチとハナアブは決定的に違います。
 最も大きな違いは、ミツバチが集団生活をするのに対して、ハナアブが単独生活をすることです。ミツバチが大きな巣を作って、みんなで幼虫の世話をすることは、よく知られていますね。ハナアブの成虫は、巣を作らず、幼虫の世話もしません。幼虫は、生まれてすぐ自活します。成虫のハナアブも、仲間と集団行動を取ることはありません。
 ハナアブより、ミツバチのほうが、蜜を集める能力が高いです。ハナアブとミツバチとが、同じ条件で競争したら、ハナアブはミツバチに食べ物を取られて、飢えてしまいます。
 野生では、ハナアブとミツバチは共存していますね。ハナアブにも、ミツバチより有利な点があるからです。低温に強いことです。そのため、ミツバチが活動できない寒い季節や時間帯に、ハナアブは活動できます。ライバルのいない間に食事をするわけです。
 早春に咲く花は、ハナアブに大いに依存しています。気温の低い季節には、花粉を運んでくれる昆虫が少ないので、貴重な働き手は歓迎されます。
 フクジュソウなどは、寒い中で働くハナアブを、天然サンルームでもてなします。以前、ブログで紹介しましたよね(こちら『黄金の花には意味がある、福寿草』)。自然界には、こんな微笑ましい助け合いもあります。

図鑑にはハナアブが掲載されています。関連する生物として、昆虫は『セイヨウミツバチニホンミツバチ』、植物は『フクジュソウキブシシナレンギョウ』も載っています。ぜひご利用ください。

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このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2006年3月10日 00:39に書いたブログ記事です。

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