皆さんは、世界一大きいカメは、どこに棲んでいると思いますか? 「ガラパゴスゾウガメなら、ガラパゴス諸島にいるよ」という答えが返ってきそうですね。
じつは、ガラパゴスゾウガメは、世界最大のカメではありません。現在のカメで最大なのは「オサガメ」です。海亀【うみがめ】の一種です。
オサガメは、甲羅の長さが150cm以上にもなります。200cm、つまり2mを越える個体も記録されています。体重は、小柄なものでも100kgをゆうに越えます。
こんなに大きくなれるのは、オサガメが海で暮らしているからです。海中には浮力がありますよね。ですから、肢【あし】で体を支える必要がありません。ゾウガメがオサガメほど大きくなれないのは、このためです。ゾウガメがこんなに大型化したら、歩けません。陸上で動くには重すぎます。
海亀の中でも、オサガメはとびきり泳ぎが上手です。高速で泳ぎ、深く潜ります。なんと、水深1000mほどまで潜ることがあるそうです。その能力を生かして、普段は外洋に棲んでいます。そのため、めったに目撃できません。
唯一、彼らに接近できるのは、産卵の時です。雌のオサガメは、砂浜に上がって産卵します。体の重さゆえ、上陸するのは大変です。体を引きずるようにして、やっと上陸します。産卵地は熱帯に限られています。残念ながら、日本では見られません。
しかし、オサガメは、意外に日本近海に来ているようです。各地で漁網にかかったり、海岸に漂着したりした報告があります。北海道の知床沖でさえ、たびたび目撃報告があります。寒さに弱いカメとしては、考えられませんね。どうやら、オサガメは特別な発熱器官を持っているらしいのです。
オサガメの特徴の一つに、「軟らかい甲羅」があります。革のような感触の甲羅です。皮膚に覆われているためです。この甲羅に発熱器官がある、といわれています。
もし、日本近海でオサガメに会えたら、びっくりですね。普通と違う甲羅は、ネッシーのような怪物を思わせます。未確認動物だ!と騒ぎになるかも知れません。
図鑑には、オサガメが掲載されています。ぜひご利用下さい。
コメントする