すべてのバラ(薔薇)は雑種?

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 花いっぱいの季節ですね。植物園や庭園は、さまざまな花を観る人たちで賑わっています。中でも、バラは人気がありますね。
 バラは、とても昔から栽培されてきました。花を観賞するためです。より美しい花を求めて、たくさんの園芸品種が作られました。
 園芸品種は、もともとは、野生種のバラを交配したものです。園芸品種同士を交配させたり、園芸品種と野生種とを交配させたりして、どんどん新品種が作られました。
 このような品種作りには、二千年以上(!)の歴史があります。このために、今あるバラのほとんどは、いわば雑種です。ちゃんと品種名が付いていても、生物学的に見れば、純粋種とは言えません。起源をたどるのは難しいです。
 園芸バラの起源について、簡単に説明してみましょう。以降の説明では、バラの名を学名(学名はすべてラテン語です)で表記します。日本語名が付いていないものが多いからです。読みにくいですが、お許し下さい。
 ヨーロッパのルネサンス時代以前に、現代バラの直接の祖先がありました。西アジアからヨーロッパにかけて分布するバラです。ロサ・カニナ【Rosa canina】、ロサ・ガリカ【Rosa gallica】などの種がそうです。これらを交配して、初期の園芸品種が作られました。
 ルネサンス時代以降、主にアジアから、別のバラがヨーロッパに入りました。ロサ・キネンシス【Rosa chinensis】、ロサ・フェティダ【Rosa foetida】、ロサ・ギガンテア【Rosa gigantea】などです。これらの種には、めいめい長所がありました。例えば、ロサ・キネンシスは、四季を通じて咲く性質があります。ロサ・フェティダには、鮮やかな黄色の花が付きます。ロサ・ギガンテアは、香りがよく、外側に反り返った花弁(剣弁)の花を咲かせます。
 これらの種と、前からあった品種との交配により、さらに多くの品種が作られました。それぞれの長所が取り入れられたわけです。おかげで、現代では、良い性質をたくさん持つバラを楽しめるようになりました。
 雑種というと、あまり良くないイメージがありますね。けれども、実際には、多くの動植物の「雑種」が、人間に恩恵を与えています。
学名ってなんですか?(2005年9月30日の投稿内容)


図鑑には、残念ながら、園芸品種のバラは載っていませんが、日本に分布するバラ属のノイバラハマナスが掲載されています。ぜひご利用ください。

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このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2006年5月 2日 00:00に書いたブログ記事です。

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