ササ(笹)とタケ(竹)はどう違う?

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 もうじき七夕ですね。元来は中国の行事とはいえ、すっかり日本に根付いています。ササの葉と短冊【たんざく】とが揺れる様子には、風情がありますね。
 元祖の中国では、七夕にササを飾る風習はありません。願いごとを書いた短冊をササに吊るすのは、日本独自の風習です。日本では、ササが神聖視されていたことから、この風習ができたようです。
 ササとタケの違いについて、たびたび訊かれます。生物学的には、差はありません。同じイネ科に属する植物です。イネ科の中で、マダケ属、ササ属、ヤダケ属などに属する種が、タケ・ササ類です。タケのうち、小型で細いものをササと呼びます。
 ササの中で、最も有名な種は、クマザサでしょう。植物に詳しくない人でも、クマザサという名を聞いたことはあると思います。有名なのに、クマザサは、誤解されていることが多いです。
 例えば、クマザサの漢字表記は「隈笹」です。「熊笹」ではありません。「隈取り【くまどり】のある笹」という意味で、クマザサと名付けられました。
 冬、クマザサの葉は、縁が枯れて、白くなります。葉の真ん中は緑のままです。この様子が、隈取りのように見えるのですね。夏の葉は、全体が緑色です。そのために、夏と冬とでは、同じクマザサが全然違うものに見えます。
 冬の「隈取り」が美しいために、クマザサは、庭園にも植えられます。山奥にばかりあるわけではありません。クマザサ以外にも、冬に「隈取り」が出るササがあります。ミヤコザサなどがそうです。ミヤコザサも、美しさゆえに栽培されることがあります。
 ササを含めたタケ類全体は、中国でも神聖視されます。けれども、タケの中でも小型のササを好むのは、日本人の感性のようです。「笹」という字がそれを示しています。「笹」は、「小型の竹」を表わす字として、日本で作られました。中国にはありません。
 中国伝来の七夕に、タケではなく、ササを当てはめたのは、日本的な感性によるものでしょう。ササの葉音のおかげで、七夕は、日本情緒あふれる行事になりました。

図鑑には、クマザサミヤコザサなどが掲載されています。ぜひご利用下さい。

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このページは、松沢千鶴が2006年6月26日 00:12に書いたブログ記事です。

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