シーラカンスはなぜ「生きている化石」か?

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 「生きている化石」と呼ばれる生物は、世界中にたくさんいます。なかで最も有名なのは、シーラカンスでしょう。先日、日本の調査隊が、生きている姿を動画撮影したというニュースがありましたね。インドネシアのスラウェシ島沿岸でのことです。
 シーラカンスが「生きている化石」とされるのは、原始的な形質を残しているからです。最もわかりやすいのは、鰭【ひれ】の形でしょう。手足のように見えますね。これは、鰭の付け根にまで骨があるからです。普通の魚は、鰭には骨がありません。
 鰭に骨があっても、そんなに良いことはなさそうです。なぜ、こんな鰭になったのかは不明です。一説では、「浅い水中で有利だからでは」といわれます。骨のある鰭で底を蹴れば、進みやすいですね。
 遠い昔、そのようにして浅い水中にいた魚から、両生類が進化したと考えられています。シーラカンスは、その頃の魚の姿を残しています。
 ただし、シーラカンスの仲間が、両生類の直接の祖先かどうかは、まだわかっていません。シーラカンスの仲間が栄えた当時には、同じような魚類が他にもいたからです。姿が似ている別の魚から、両生類が進化したのかも知れません。
 現在、シーラカンスの仲間は、二種しか見つかっていません。南アフリカ近海に棲むラティメリア・カルムナエ Latimeria chalumnaeと、インドネシア近海に棲むラティメリア・メナドエンシス Latimeria menadoensisです。これらの長たらしい名は、どちらもラテン語の学名です。正式な日本語名は付いていません。シーラカンスというのは通称です。
 二種のラティメリアは、深さ100m~200mほどの海に棲みます。もともとは浅い水中に適応したはずなのに、深海に棲んでいます。後から現われた魚類に追いやられたため、と考えられています。
 シーラカンスは、不器用なタイプなのですね。普通の魚のように、すいすいとは泳げません。すみかを深海へ変えることで、かろうじて生き残ってきたのでしょう。彼らのおかげで、私たちは、生物の歴史の秘密を垣間見ることができます。

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このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2006年6月 1日 10:02に書いたブログ記事です。

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