浦島太郎が助けたのはアカウミガメ?

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 夏になると、各地の海岸から、海亀の便りが聞かれますね。海亀の雌が、砂浜に上がって産卵するからです。
 海亀は泳ぎが得意です。オールのような形の四肢が、水を掻きやすくなっています。
 そのかわり、海亀は歩くのが苦手です。ですから、普段は陸に上がりません。産卵する雌だけが上陸します。甲羅を背負って歩く様子は、とても苦しそうです。海亀の甲羅は、時に長さ1m以上にもなりますから、さぞかし重いことでしょう。
 日本の海岸で産卵する海亀には、何種かいます。なかで最も身近なのは、アカウミガメでしょう。アカウミガメは、唯一、日本の本州沿岸で産卵するカメだからです。他の海亀は、南西諸島などの熱帯地域でしか産卵しません。これからすると、昔話で浦島太郎が助けたのは、アカウミガメの可能性が高いですね。
 身近にもかかわらず、アカウミガメの生態はあまりわかっていません。広い海では、追跡調査をするのが困難だからです。
 最近の調査では、驚くべきことが判明しました。アカウミガメは、なんと太平洋を横切って回遊するようです。北米やメキシコの海岸と、日本の海岸とを往復します。なぜ、こんなとてつもない大移動をするのか、理由は不明です。
 アカウミガメの産卵地は、日本に集中しています。日本では平凡な海亀でも、世界的にはそうではありません。日本の海岸で産卵できなければ、アカウミガメは絶滅します。
 現在の日本の海岸は、海亀がいやすい場所ではありません。大勢の人が立ち入って、騒がしいですよね。ごみを捨てたり、車を乗り入れたりする人もいます。ごみや車輪のわだちは、生まれた子ガメの脅威になります。小さな子ガメは、ごみやわだちを乗り越えられません。海へ行き着けずに、死んでしまいます。
 昔の人は、浦島太郎の物語を通じて、思いやりの心を伝えました。これを見習うべきでしょう。海はヒトだけのものではありません。夏の海で羽目を外したくなっても、海亀のいる場所くらい、取っておいてあげたいものです。

図鑑にはアカウミガメの他、ウミガメの仲間でアオウミガメタイマイが掲載されています。ぜひご利用ください。

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このページは、松沢千鶴が2006年7月28日 00:11に書いたブログ記事です。

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