トンボでないトンボがいる?

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 初夏から秋口にかけては、昆虫の活動が盛んです。トンボ、セミ、カブトムシなど、たくさんの昆虫が現われますね。博物館などに昆虫の質問が増えるのも、この時期です。
 そのような質問のうち、多いのが、「変なトンボがいるのですが?」というものです。調べてみますと、それらの正体は、たいていツノトンボかヘビトンボです。
 トンボという名が付くものの、ツノトンボもヘビトンボも、トンボの仲間ではありません。ツノトンボは、脈翅目【みゃくしもく】ツノトンボ科に属します。ヘビトンボは、脈翅目ヘビトンボ科に属します。本当のトンボは、トンボ目に属する昆虫です。
 ツノトンボは、名のとおり、長い触角があるのが特徴です。それ以外、外見はトンボに似ています。普通のトンボより、ちょっと体が太めです。だらしなく開きかけたような形で、翅【はね】をたたんで止まります。そのような「トンボ」がいたら、それはツノトンボと思って間違いありません。
 ヘビトンボにも、長めの触角があります。けれども、ツノトンボほど立派な触角ではありません。体は太めで、「首」が長いように見えます。実際は「首」ではなくて、胸部が長くなっています。ガのように、平たく翅をたたんで止まります。頭部の大顎【おおあご】が目立つこともあります。このような「トンボ」は、ヘビトンボです。
 ツノトンボとヘビトンボは、「お化けトンボ」などと呼ばれることがあります。体と翅の幅が広いため、実際以上に、とても大きく見えるからです。特に、ヘビトンボは、大顎のために凶暴そうに見えます。本当は、ツノトンボもヘビトンボも、ヒトには無害です。
 ツノトンボやヘビトンボが属する脈翅目は、トンボ目よりもう一段階、進化した昆虫と考えられています。普通のトンボは、幼虫(ヤゴ)が脱皮して、いきなり成虫になりますね。しかし、脈翅目の昆虫は、幼虫→さなぎ→成虫という経過をたどります。「さなぎ」という成長段階は、脈翅目が発明したもののようです。
 昆虫の進化の点から見ると、脈翅目は、たいへん興味深いです。普通の人が知らないところで、昆虫たちは、進化を続けているのでしょう。

図鑑にはツノトンボヘビトンボが掲載されています。ぜひご利用ください。

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このページは、松沢千鶴が2006年7月31日 00:09に書いたブログ記事です。

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