オットセイは日本にいるか?

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 先日、埼玉県の田んぼで、オットセイが保護されたというニュースがありました。海のない埼玉県へ、どうやってオットセイが来たのでしょう? どうやら、東京湾から川をさかのぼってきたようです。びっくりですね。
 このニュースを聞いて、「オットセイって日本にいるの?」と、驚いた方が多いでしょう。普通の人にとってオットセイは、水族館にしかいないものですよね。
 オットセイは、日本近海にもいます。正確には、オットセイの中の、キタオットセイという種です。北海道や、東北の近海にいます。最南では、千葉県の銚子沖まで南下するものもいます。ただし、回遊してくるだけで、日本で繁殖はしていないようです。
 オットセイの生態は、まだ、よくわかっていません。海に棲む生き物は、生態を知るのが難しいのです。広い範囲を回遊するものが多いからです。ヒトが住まない広い海を、追跡するのは大変ですよね。
 日本の川に、オットセイが現われるのは異例です。タマちゃんのように、迷いアザラシが現われることは、歴史的にはしばしばあります。けれども、オットセイが現われた記録は、私が知る限り、ありません。オットセイに近縁なアシカまで含めても、一九四八年に、大阪府の淀川に現われた記録があるだけです。
 前記のとおり、オットセイはアシカの仲間です。アシカの仲間では、小型なほうです。彼らには、「海に浮いたまま寝る」という特技があります。体が海水より軽いため、こんな ことができるのですね。同じアシカの仲間でも、例えばトドにはできない技です。
 キタオットセイは、長い間、ヒトに狩られてきました。おもに毛皮を利用するためです。また、精力剤にも使われました。江戸時代の一時期には、蝦夷地【えぞち】(今の北海道)に、オットセイの狩猟を取りしきるオットセイ奉行がいたそうです。
 乱獲により、キタオットセイの数は、二十世紀に激減しました。保護のおかげで、今はだいぶ回復しました。埼玉に迷いオットセイが来たのも、数が増えた証拠かも知れませんね。このまま、彼らと共存する道を歩めたらいいな、と思います。


過去の記事で、オットセイなどを取り上げた記事があります。以下を御参照下さい。

アシカとアザラシはどう違う?
アシカ科にはアシカ、オットセイ、オタリア、トドなどがいますが

図鑑には、残念ながら、オットセイは載っていませんが、同じアシカ科のトドが掲載されています。ぜひご利用下さい。

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このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2006年9月11日 14:07に書いたブログ記事です。

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