ヒガンバナ(彼岸花)は不吉な花か?

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 秋のお彼岸の頃、忽然【こつぜん】と現われる花が、ヒガンバナですね。まるで計ったようです。田んぼの畦【あぜ】や、古い墓地でよく見られます。
 死人花【しびとばな】、幽霊花【ゆうれいばな】、曼珠沙華【まんじゅしゃげ】など、ヒガンバナには別名が多いです。また、謎が多い植物でもあります。
 謎その一。ヒガンバナの葉はどこにあるのでしょうか?
 花の周りをいくら探しても、葉は見当たりませんね。それもそのはずです。ヒガンバナは、花の咲く時期には葉がありません。花が枯れた後、葉だけが伸びます。細長い濃緑色の葉です。秋に出た葉は、冬じゅう枯れません。春先に枯れます。普通の草と逆ですね。
 こんなにへそ曲がりなのには、理由があります。他の草が枯れている時期ならば、葉が日光を独占できます。冬の間、ヒガンバナの葉は、たっぷりと光合成をします。
 謎その二。ヒガンバナは、なぜ田の畦や墓地に生えるのでしょうか?
 これは、「昔の人がそこに植えたから」という理由らしいです。ヒガンバナは、日本の在来植物ではありません。古い時代に、中国大陸から導入されました。田の畦や墓地の土を固めるのに、ヒガンバナはちょうどいいとされたようです。
 ヒガンバナは球根植物です。球根から普通の根が出ます。何かの理由で、球根が土から浮き上がると、普通の根が縮みます。このために、球根が土に引き込まれます。球根が土を押さえるおかげで、土が流出しません。この力を、昔の人は知っていたのでしょう。
 謎その三。ヒガンバナの果実はどこにあるのでしょうか?
 じつは、日本のヒガンバナには、果実ができません。中国のヒガンバナには、果実ができるものもあります。日本に来たのが、果実ができない系統だったのですね。専門的には、三倍体と呼ばれるものです。簡単に説明すれば、遺伝子の変異により、普通には繁殖できなくなった個体です。三倍体のヒガンバナは、球根が分かれて繁殖します。
 墓地に多いためか、ヒガンバナには、不吉な言い伝えもありますね。本当は、役に立つ植物です。わざわざヒガンバナを導入した知恵を、私たちも受け継ぎたいですね。

図鑑には、ヒガンバナは掲載されています。ぜひご利用下さい。

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図鑑.netブログ - ヒガンバナ (2007年9月22日 00:02)

和名:ヒガンバナ 学名:Lycoris radiata (L'Hér.) H... 続きを読む

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このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2006年9月18日 00:03に書いたブログ記事です。

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