アシナガバチは紙の工芸家?

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 秋になると、蜂(ハチ)に刺されたという被害が多くなります。ニュースになるのは、たいていスズメバチですね。まれに、他のハチがニュースになります。
 スズメバチの次に、人的被害が多いのが、アシナガバチです。スズメバチに近縁な仲間です。スズメバチよりほっそりして、脚が長く見えます。だからアシナガバチというのですね。スズメバチと同様、アシナガバチにも、たくさんの種がいます。
 細身のアシナガバチは、スズメバチほど力が強くありません。攻撃性も、より低いです。彼らがヒトを襲うのは、ヒトが巣に近づきすぎた時だけです。これを知っていれば、アシナガバチの襲撃を防ぐのは簡単ですね。不用意に近づかなければよいのです。
 攻撃性の強いスズメバチはともかく、アシナガバチは、やたらに駆除する必要はないでしょう。何でもかんでも駆除すると、思わぬ副作用があります。
 例えば、アシナガバチは、草木を食い荒らす芋虫(イモムシ)や毛虫(ケムシ)をよく食べます。優秀な害虫ハンターです。彼らがいれば、人体に有害な薬を使わずに、害虫退治ができます。多くの場合、ハチよりも、化学薬品の害のほうが大きいでしょう。
 アシナガバチの巣と、スズメバチの巣とは、簡単に見分けられます。種類がわかれば、対処の仕方もわかりますね。以下の情報を参考にして下さい。
 アシナガバチの巣は、典型的な「蜂の巣」状です。細い柄で、木の枝などから下がっています。全体の形は、円錐形か、上に反り返った舟形です。
 対して、スズメバチの巣は球状です。六角形の「蜂の巣」構造は、外から見えません。たいがい、外の球状の面に、波のような縞【しま】模様があります。
 両者とも、植物の繊維で巣を作ります。でも、材料は少し違います。スズメバチは、枯れ木の木部(木の芯に近いほう)の繊維を使います。アシナガバチは、木部より丈夫な樹皮の繊維を使います。このために、アシナガバチの巣のほうが、ずっと丈夫です。
 植物繊維でできた巣は、いわば「紙」製といえます。アシナガバチの巣は、軽く、丈夫な和紙の工芸品に似ています。彼らがどうやって「工芸品」を発明したのか、不思議ですね。


これまで、ここのブログでは、スズメバチやミツバチなどのハチの仲間を取り上げています。以下の記事も御参照下さい。

地域によって暮らしが違う蜜蜂(ミツバチ)(2006/5/12)
ブン・ブン・ブン(2006/4/25)
蜜を集めるハチ(2006/2/22)
刺さないハチは、いるのでしょうか。(2006/2/21)
など、ご覧ください。


図鑑には、キボシアシナガバチフタモンアシナガバチが掲載されています。ぜひご利用下さい。

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このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2006年9月22日 00:14に書いたブログ記事です。

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