近年、日本でも、ハロウィーンというお祭りが知られるようになりましたね。このお祭りは、ヨーロッパの古い信仰に由来します。けれども、今では、米国で盛んなお祭りです。カボチャの飾りつけは、米国で起こった風習です。
ハロウィーンにカボチャを飾る理由は、はっきりしません。もとはカボチャでなく、カブだったといいます。カボチャちょうちんは、カブちょうちんだったのですね。
八百屋さんで普通に売られるカボチャと、ハロウィーンのカボチャとは、様子が違います。同じカボチャの仲間でも、種が違うからです。食用になるのは同じです。
ハロウィーンのカボチャは、ペポカボチャという種です。オレンジ色の大きな実がなります。北米南部の原産です。日本では、あまり作られていません。ペポカボチャの小型の変種は、観賞用に使われます。オモチャカボチャ、カザリカボチャなどと呼ばれます。
日本で普通に作られているのは、ニホンカボチャとセイヨウカボチャです。ニホンとかセイヨウとか名が付いても、日本やヨーロッパの原産ではありません。どちらの種も、中米から南米のどこかが原産です。正確な場所はわかっていません。
日本で最も古くから作られたのは、ニホンカボチャです。十六世紀に、ポルトガルの貿易船によって伝えられました。この時、ポルトガル人は、カンボジアにあったものを持ち込んだようです。カンボジアがなまって、カボチャと呼ばれるようになりました。
ニホンカボチャの原種は、温暖で多湿な環境で生まれました。そのために、高温多湿な東アジアに適していました。今では、日本にもすっかり根付いていますね。
セイヨウカボチャは、十九世紀に日本へやってきました。こちらは、米国から伝えられたようです。セイヨウの名は、ニホンカボチャより後に、西洋から伝わったためです。
セイヨウカボチャは、高原地帯が原産地です。このため、涼しい気候を好みます。今の日本では、セイヨウカボチャのほうが多く作られています。主産地は北海道です。
ここに挙げた三種のカボチャは、どれも栄養豊富です。しかも保存が利きます。自然の恵みを表わすお祭りには、ちょうどよいですね。
図鑑にはセイヨウカボチャが掲載されています。ぜひご利用ください。