渡りをするチョウ(蝶)がいる?

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 渡りをする動物といえば、鳥が有名ですね。夏に日本に来るツバメや、冬に来るハクチョウが親しまれています。翼の力だけで、何千kmも旅をするなんて、すごいですね。
 鳥と同じように、昆虫も空を飛びます。驚くべきことに、鳥よりもずっと小さい昆虫にも、渡りをするものがいます。
 日本にいる昆虫にも、渡る種がいます。近年、アサギマダラというチョウが、渡ることで知られるようになりました。名のとおり、あさぎ色の模様がある、美しいチョウです。
 アサギマダラは南方系の昆虫です。台湾や南西諸島にたくさん棲んでいます。彼らは、日本の本土では冬を越しにくいようです。寒さが苦手だからです。
 けれども、初夏から秋にかけて、日本には多くのアサギマダラがいます。宮城県などの東北地方や、長野県などの高原でも目撃されます。彼らは、南西諸島などから飛んでくるのです。か弱く見えるチョウが、なぜそんな大冒険をするのか、理由はわかっていません。何がきっかけで渡りを始めるのかなど、わからないことだらけです。
 渡りのルートについては、解明されつつあります。現在、マーキング調査が行なわれています。これは、アサギマダラを生け捕りにして、翅【はね】にマークを付け、再び野外に放つというものです。マークのある個体が再捕獲されれば、前回捕獲された時から、どのくらい移動したかがわかりますね。
 これまでの調査で、アサギマダラの驚異的な移動力が明らかになっています。和歌山県でマークされた個体が、沖縄県の石垣島で再捕獲されたり(移動距離およそ千五百km)、
台湾でマークされた個体が、大分県で再捕獲されたり(移動距離およそ千三百km)しています。彼らは、春に北上し、秋に南下します。
 マーキング調査には、一般の人も参加できます。各地の団体が、一般の人の調査参加を歓迎しています。そのほうが、より多くのデータを集められるからです。
アサギネット(※残念ながら、PC版ですが、URL明記しておきます。)【http://www2h.biglobe.ne.jp/~pen/asaginet000.htm】などのサイトから、参加登録することができます。子どもでも老人でも、昆虫の謎を解く手伝いができます。皆さんも参加してみてはいかがでしょうか。

図鑑にはアサギマダラが掲載されています。また、アサギマダラの食草となるイケマガガイモキジョランも載っています。ぜひご利用ください。

 アサギマダラの渡りについては、以下の本に詳しく載っています。こちらもご紹介しておきます。

宮武 頼夫・福田 晴夫・金沢 至 著、2003年、『旅をする蝶 アサギマダラ』、むし社、定価2800円+税
佐藤 英治 著、2006年、『アサギマダラ 海を渡る蝶の謎』、山と渓谷社、定価1600円+税

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このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2006年10月13日 00:45に書いたブログ記事です。

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