人間とは持ちつ持たれつのススキ

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 ススキは、きれいな花が咲く植物ではありません。なのに、丁重に扱われることが多いですね。尾花【おばな】として、秋の七草にも挙げられます。
 地域によっては、ススキを魔除けにするそうです。昔は、なにかしら、ススキに神聖な力があると信じられていました。お月見に使われるのは、その名残でしょう。
 なぜ、ススキに神聖な力があるとされたのかは、わかりません。穂の形に鍵があるようです。そういえば、あの穂は、神事に使う御幣【ごへい】に似ていますね。
 神事は別にしても、秋のススキ野原の光景は、見事です。じつは、あのススキの野原は、自然にできることは少ないです。人間により、作られたものが多いです。なぜ、そんなことが起こるのでしょうか?
 それは、日本で、植物が育ちやすいことと関係があります。日本は雨が多く、日照量も多いですね。放っておくと、どんどん木が育ちます。樹木の下では、限られた植物しか育ちません。日光が届きにくいためです。ススキも、森林では育たない植物です。
 山火事などがあって、森林がなくなると、いち早くススキが生えます。けれども、何年か経つと、木が育ってきます。そのままでは、ススキの野原は、再び森林に戻ります。ススキは、生きるために、常に森林がないところを求めています。
 そこで、人間の出番です。昔の人は、ススキをいろいろな材料に使いました。茅葺【かやぶき】屋根などです。そのために、ススキの供給源を確保する必要がありました。
 人工的に火事を起こせば、ススキ野原を維持できます。いったん燃えると、樹木は、育つまで時間がかかるからです。定期的に野焼きや山焼きをすれば、いつまでも木は育ちません。ずっとススキが生えていられるわけです。
 ところが、最近、この共存関係が崩れています。人間がススキを利用しなくなったからです。野焼きや山焼きをしなくなれば、ススキの生える野原がなくなります。
 人工的であっても、ススキ野原は美しいですね。自然環境を、うまくコントロールしているからでしょう。このような「半人工」環境も、守る価値があると思います。

図鑑にはススキが掲載されています。ぜひご利用ください。

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このページは、松沢千鶴が2006年10月 1日 00:07に書いたブログ記事です。

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