四億年前からの生き残り? オウムガイ

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 「生きている化石」と呼ばれる生き物がいますね。古代から、体の仕組みを変えずに生きてきたもののことです。オウムガイ【鸚鵡貝】もその一種です。日本よりずっと南の、フィリピンやパラオの海に棲みます。時たま、殻だけが日本に流れ着きます。
 オウムガイは、イカやタコの仲間です。分類学的にいえば、軟体動物門【なんたいどうぶつもん】の頭足綱【とうそくこう】というグループに属します。頭足綱の中で、とても原始的な性質を残しています。イカとタコの共通の祖先に近いです。
 しかし、オウムガイは、イカともタコとも似ていません。彼らは大きな殻を持ちます。カタツムリのように巻いた殻です。イカもタコも、こんな殻は持ちませんね。
 遠い昔、イカとタコの祖先は、現在のオウムガイのような殻を持っていました。やがて殻を退化させたグループが、イカとタコになります。イカを解体したことがある方は、イカの体内に、甲羅状のものや、ぺらぺらしたひも状のものがあるのを御存知でしょう。それらが殻の名残です。タコは、名残もなく、完全に殻をなくしてしまいました。
 イカとタコの進化を尻目に、オウムガイは、昔のままで生き残りました。オウムガイの直系の祖先(イカとタコの祖先でもあります)は、何と四億年以上前に現われたといわれます。恐竜が現われるより、はるか前です。オウムガイの祖先は、とんがり帽子のような真っ直ぐの殻を持っていました。チョッカクガイ【直角貝】と呼ばれます。
 オウムガイは、アンモナイトと混同されることが多いですね。両者は、似ていても違うものです。どちらも同じ頭足綱で、イカとタコの仲間です。
 アンモナイトは、現在では、化石しか見られません。生きている姿は、オウムガイにそっくりだったようです。殻の構造に違いがあります。アンモナイトの殻にも、オウムガイの殻にも、内部を仕切る板があります。この仕切り板の構造が違います。 
 よく似たアンモナイトが滅びたのに、なぜ、オウムガイは生き残ったのでしょう? この謎は解明されていません。それ以外にも、謎が多い生き物です。海辺に流れ着くオウムガイの殻は、古代からの謎かけをしているのかも知れません。

図鑑にはオウムガイが掲載されています。ぜひご利用ください。

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このページは、松沢千鶴が2006年10月26日 09:54に書いたブログ記事です。

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