葉隠れの術を使う? ナナフシ

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 生き物を見ていると、「何とよくできているのだろう」と感心することが、しばしばあります。周囲の環境にそっくりな生き物など、特にそう思いますね。
 ナナフシは、そんな生き物の仲間です。体の形が、木の枝や草の茎にそっくりです。草むらなどでじっとしていると、まるで見分けがつきません。
 ナナフシには、たくさんの種があります。昆虫の中のナナフシ目に属するグループです。世界中には、二千種以上もいます。日本には、十八種ほどが分布します。
 植物にそっくりでも、よく見れば、他の昆虫と同じ体つきをしています。頭・胸・腹の区別があり、六本の脚が生えています。胴体と脚が極端に細長いため、枝や茎に似て見えるのですね。色も、植物に似た緑や茶色をしています。
 ナナフシの仲間は、どの種も、おとなしい植物食昆虫です。一部を除けば、何の武器も持ちません。身を守るために、植物そっくりの姿をしています。これで敵をごまかせるわけです。専門的には、隠蔽的擬態【いんぺいてきぎたい】といいます。
 隠蔽的擬態の隠蔽【いんぺい】とは、「隠す」という意味ですね。擬態【ぎたい】とは、「形を真似する」という意味です。つまり、「姿を隠すために、周囲のものの形を真似すること」です。ナナフシのように弱い生き物が、よく使う手です。
 ナナフシは、ただ形を似せるだけではありません。動く時はゆっくりと、揺れるように動きます。草木が風に揺れるように見せるためです。自分の脚を、わざと切ることもあります。敵に脚をつかまれても、これなら逃げ切れますね。トカゲの尻尾切りみたいです。脚は再び生えてくるので、大丈夫です。生きるための工夫は、尽きないものですね。
 ナナフシの仲間で、擬態を極めるのは、コノハムシでしょう。どこからどう見ても、木の葉そっくりです。名に偽りはありません。虫食いの跡らしき模様まであったりします。残念ながら、コノハムシは日本にはいません。東南アジアに分布します。
 日本産ナナフシの擬態も、充分に驚異的です。野外でナナフシを見つけたら、ぜひ、その驚異を楽しんで下さい。ナナフシは、誰もが安心して観察できる昆虫です。

 ナナフシが脚を切るのと似た「トカゲの尻尾切り」については、以前の記事でも紹介しています。以下を御参照下さい。

図鑑にはエダナナフシナナフシモドキニホントビナナフシが掲載されています。ぜひご利用ください。

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このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2006年11月20日 00:05に書いたブログ記事です。

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