ツタ(蔦)は落葉する?しない?

user-pic
0

ico_weather_hare.gif


 ツタは、観葉植物として人気がありますね。「ツタのからまるチャペルで♪」という歌詞があるように、和洋どちらの雰囲気にも合います。
 じつは、日本で「ツタ」と呼ばれる植物は、一種ではありません。いくつもの種が含まれます。姿の似た別種が、混同されているのですね。主なものは、以下の三種です。
 一つは、ブドウ科ツタ属に属する種です。正式な日本語名が「ツタ」です。日本の北海道から九州まで、自然に分布します。観賞用として、世界的に栽培されています。
 もう一つは、正式な日本語名を「キヅタ(木蔦)」という種です。ウコギ科キヅタ属に属します。こちらは、日本の東北地方から沖縄まで、自然に分布します。
 残る一つは、正式な日本語名を「セイヨウキヅタ」という種です。日本のキヅタに近縁で、同じウコギ科キヅタ属に属します。もともとは、日本に分布しません。園芸用に持ち込まれました。野生では、ヨーロッパ全域に分布します。園芸店で「ヘデラ」とか「アイビー」などと呼ばれる「ツタ」は、ほとんどがセイヨウキヅタです。
 ツタ属の植物と、キヅタ属の植物とは、「他人の空似」です。似ていても、縁が遠いもの同士です。多くの差異があります。
 最もわかりやすいのは、「ツタ属は落葉性、キヅタ属は常緑性」という点でしょう。
 蔦紅葉【つたもみじ】と言われるとおり、日本のツタは、秋に見事に紅葉しますね。紅葉した葉は、やがて落ちます。冬のツタには葉がありません。
 対して、キヅタ属は紅葉しません。一年中、緑の葉を保ちます。このことから、キヅタは、別名フユヅタといいます。ツタのほうは、別名ナツヅタと呼ばれます。
 ヨーロッパでは、常緑のセイヨウキヅタが好まれました。教会にセイヨウキヅタを這わせるのは、その常緑性が、神の永遠性に通じるとされたからのようです。
 ところが、北米の教会には、落葉する「ツタ」が這うことがあります。日本のツタなど、ツタ属の種が多いです。北米には、キヅタ属が自生しないことが、理由の一つでしょう。永遠性の表現よりも、紅葉の美しさが優先されたのかも知れませんね。

図鑑にはツタ属のツタ、キヅタ属のキヅタが掲載されています。ぜひご利用ください。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://blog.zukan.net/MovableType4/mt-tb.cgi/4267

コメントする

このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2006年12月 1日 06:11に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「北半球で一番ペンギンが」です。

次のブログ記事は「リュウキュウムラサキ」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。