ヨウスコウカワイルカは絶滅したか?

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先日12月14日にアフリカ・コンゴ カバ絶滅の恐れというニュースをお伝えしたばかりですが、お隣の中国からも、悲しいニュースが伝えられました。淡水イルカの一種、ヨウスコウカワイルカが、絶滅した可能性が高いというのです。
 淡水に棲むカワイルカの仲間は、世界で四種しかいません。(五種とする学説もあります) どの種も、絶滅が心配されています。中で、ヨウスコウカワイルカは、最も絶滅するおそれが高いとされてきました。個体数が急減したからです。
 ヨウスコウカワイルカは、中国の長江に棲みます。長江のうち、下流の揚子江【ようすこう】と呼ばれるあたりが、すみかです。生態は、ほとんど知られていません。濁った水中にいるために、観察が難しいのです。
 淡水イルカに限らず、川や、沿岸の海に棲む生き物は、絶滅しやすいです。淡水域や沿岸海域では、人間の活動が盛んだからです。漁業、船の航行、排水の流出、ダムの建設などが、生き物の生活をおびやかします。ダムと水質汚染の影響は、特に深刻です。
 今、長江の流域は、経済的にとても発展しています。経済が活発になると、どうしても、自然環境が犠牲になります。ヨウスコウカワイルカが急減したのは、環境破壊が主な原因と見られます。一九九七年の時点で、確認できた野生の個体は、三十頭未満でした。二〇〇六年の調査では、野生個体は、一頭も発見できなかったといいます。
 ヨウスコウカワイルカの急減について、中国の人たちだけを責めるのは、おかしいです。環境破壊の責任は、人類に等しくあります。日本人も、かつて、ニホンオオカミやエゾオオカミを、絶滅させてしまいましたよね。
 ヨウスコウカワイルカ以外にも、絶滅しそうなイルカがいます。他のカワイルカや、コガシラネズミイルカが、危ない種といわれます。日本近海では、スナメリが希少種とされます。スナメリも、絶滅しやすい、沿岸の海のイルカです。
 考えたくありませんが、ヨウスコウカワイルカは、絶滅してしまったかも知れません。けれども、他のカワイルカや、スナメリは、まだ生きています。みんなで手を差し伸べれば、救えます。絶滅してから騒ぐのではなくて、今、救える命を救いたいですね。


 過去の記事で、絶滅しそうな生き物を、他にも取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。

浦島太郎が助けたのはアカウミガメ?(2006/7/28)

絶滅しそうな動物を(2006/1/24)

などです。 このほか、さまざまな生物に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリよりどうぞご覧ください。

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このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2006年12月18日 06:32に書いたブログ記事です。

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