世の中には、毒を持った生き物が、たくさんいますね。なかでも、毒蛇は有名です。
日本の毒蛇の一種、ヤマカガシについて、興味深いニュースが飛び込んできました。ヤマカガシの毒は、食べたヒキガエルから「流用」したものだというのです。
じつは、ヤマカガシは、二種の毒を持っています。今回、解明されたのは、そのうちの一種だけです。
解明されたほうは、ヤマカガシの頚部【けいぶ】、つまり、首にある毒です。ヤマカガシの頚部には、頚腺【けいせん】と呼ばれる器官があります。ここに、毒が溜まっています。頚腺は、ヤマカガシ独特の器官として知られていました。
もう一つの毒は、口にある毒です。ヤマカガシは、普通の毒ヘビと同じく、口中に毒牙を持っています。毒牙の毒は、咬むことによって、他の生き物に注入されます。
ヤマカガシは、二種の毒を持つという、たいへんユニークな毒蛇です。このために、今回の報道は、誤解されやすいですね。「毒牙の毒が解明されたのだ」と、思ってしまう人が多いでしょう。
実際は、違います。頚腺の毒が、ヒキガエルの毒だとわかりました。
こういう報道に接すると、「生き物って面白いなあ」と、思いますね。
過去の記事で、ヤマカガシとヒキガエルを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
「月にヒキガエルがいる?(2006/10/21)
田んぼによくいるヘビ(蛇)、ヤマカガシ(2006/5/22)
図鑑には、ヤマカガシ、ニホンヒキガエルが掲載されています。ぜひご利用ください。
2007年1月アーカイブ
家の庭にカタツムリがたくさんいます。そのなかに殻が尖っていて、茶色っぽい、2センチくらいの大きさのカタツムリがいます。なんという名前でしょうか?教えて下さい。
日本にはとてもたくさんの種のカタツムリが生息しています。それらの中には似ている種も多くて、区別するには精密な観察が必要です。
残念ながら、この少ない情報では、そのカタツムリの種を特定することはできません。そのカタツムリが表われる地域や季節、大きさ、殻の色と体の色、殻はどんな形をしているか。どんな環境に住んでいるか、など、とても多くの情報が必要です。
さて、ネット上のサイトでは、カタツムリの以下のような図鑑が公開されています。PC版ですがURLを明記しておきます。
かたつむりを探そう ※PC版
http://www.nacsj.or.jp/event/ss2004/index.html
カタツムリ・ナメクジ(陸生貝類)の図鑑 BETA ※PC版
http://www.insects.jp/konbunmaimai.htm
こちらを参考になさってみてはいかがでしょうか。
東南アジアのマレーシアから、びっくりニュースが届きましたね。体長が7mほどもあるヘビが、番犬を十一頭も呑み込んだといいます。
体長7mというのは、大げさかも知れません。けれども、写真で見る限り、3mくらいはありそうです。3mでも、立派な大蛇ですね。
マレーシアという場所、大きさ、体の模様などからすると、これはアミメニシキヘビだと思われます。アミメニシキヘビは、世界最大のヘビの一種です。大きいばかりでなく、気が荒い個体が多いとされます。イヌどころか、ヒトを呑んだ記録もあります。
同じ地域には、別種のビルマニシキヘビもいます。ビルマニシキヘビも、体長3mを越える大蛇になります。ですが、報道された写真によれば、ビルマニシキヘビとは模様が違うようです。また、ビルマニシキヘビは、体長6mを越えるほどにはなりません。報道を信じる限りでは、アミメニシキヘビの可能性が高いですね。
ヘビは、獲物を丸呑みにします。それなら、「すぐに腹から取り出せば、助かるのではないか?」と思いますよね。残念ながら、それは無理です。
なぜなら、大概のヘビは、呑み込む前に、獲物を窒息させるからです。要するに、絞め殺してから食べます。腹の中で獲物に暴れられて、傷つけられるのを防ぐためです。
アミメニシキヘビくらいの大蛇になると、締める力が強力です。シカのような大型の獲物でも、締められて骨折するといいます。いったん、大蛇にぐるぐる巻きにされたら、助かる術はないようです。
今回のニュースで、「ヘビって凶暴」と思った方が多いでしょう。それは、一方的過ぎる見方です。考えてみましょう。人間の女性は、ヘビ皮のバッグなどを喜んで持ちますよね? いわゆる「ヘビ皮」とは、アミメニシキヘビなどのニシキヘビ類の皮です。
ヒト以外の生き物は、残酷に見えたり、気持ち悪く感じられたりします。でも、その生き物にとって、それは自然な姿です。生きるためにしていることです。ヒステリックな反応は、「理性ある」人間には、ふさわしくありませんね。
過去の記事でも、ニシキヘビを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ニシキヘビの危険度は?(2005/9/14)
和名:メジロ
学名:Zosterops japonicus
今年も、満開には立ち会えそうにもありません。27日、28日サクラ祭りでした。27日に行ってみましたが、大変な賑わいでした。お天気は、去年と同様に良くなかったです。
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
沖縄県 名護【2007.01.27】
図鑑には、メジロが掲載されています。ぜひご利用ください。
節分の夜、扉にヒイラギを挿すという風習は、よく知られていますね。地方によっては、ヒイラギでなく、トベラという植物を挿します。
トベラとは、奇妙な響きの名ですね。これは、トビラがなまったものだといわれます。「扉に挿す木」→「扉の木」→トベラ、ということです。
なぜ、節分にトベラを使うのでしょう? ヒイラギと同様、魔除けになるからだとされます。けれども、トベラには、ヒイラギのような棘【とげ】がありません。いかめしくない植物です。どこが魔除けになるのでしょうか?
じつは、トベラには、特有の臭気があります。悪臭といってよいものです。枝や葉を切ると、臭います。この悪臭が、魔除けになると考えられたようです。
火にくべると、トベラは、ひどい悪臭を発します。このことから、遠い昔には、節分にトベラを燃やしたのでは、という説があります。これには、説得力がありますね。切った枝葉は、そんなに臭いません。燃やしたほうが、断然、悪臭がきついです。
魔除けとは逆に、神さまがトベラを嫌うという伝承もあります。火と竈【かまど】の神さま三宝荒神【さんぼうこうじん】は、燃えると臭いトベラを嫌うといいます。
トベラは、日本の海岸に自生します。日当たりのいい、明るい海岸に生えます。常緑樹です。葉にはつやがあり、厚いです。潮風に耐えるために、葉が丈夫にできています。
植物にとって、潮風の吹く海岸地帯は、暮らしにくいところです。トベラは、そこにうまく適応しています。葉の美しさが好まれて、庭木にされることもあります。
トベラは、花も果実も、なかなか美しいです。観賞用にはいいですね。晩春の頃、白く愛らしい花が咲きます。花には、悪臭でなく芳香があります。果実は、熟すと裂けて、赤く光沢のある中身を見せます。果実の赤い部分は、ねばねばしています。
果実がねばつくのは、鳥の嘴【くちばし】などに粘りつくため、と考えられます。赤い果実には、鳥も惹かれます。こうして、トベラは種子をばらまき、子孫を広げるのでしょう。ただ美しいのではありません。しっかり、生きる方策を備えています。
過去の記事でも、節分に関する生き物を取り上げたものがあります。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
節分に豆(ダイズ)をまくのはなぜ?(2006/1/23)
西洋ヒイラギはクリスマスに、ヒイラギは節分に(2005/12/23)
この他、植物に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリーよりどうぞご覧ください。
図鑑には、トベラが掲載されています。ぜひご利用下さい。
先日、静岡県の駿河湾で、深海ザメの「ラブカ」が見つかりましたね。沼津市のあわしまマリンパークにより、生きた姿が動画撮影されました。
以前から、駿河湾にラブカが棲むことは知られていました。駿河湾は、岸近くにもかかわらず、たいへん深い海です。世界有数の、深海魚の宝庫です。
ラブカは、時おり、サクラエビ漁の網にかかることがあります。サクラエビは、駿河湾の名産品ですね。水深200mほどの深海に棲みます。一緒に網に入ることからすると、サクラエビと同様、ラブカも、浅海と深海とを行き来しているのかも知れません。
今回のラブカは、漁の網に入ったのではありません。偶然、発見されたようです。
発見されたのは、西伊豆の海域です。この海域では、深海から、急に上昇する流れが起きやすいです。今回のラブカは、このような流れに巻き込まれたのかも知れません。
ラブカは、生きている化石と呼ばれます。原始的な特徴を残しているからです。いったい、ラブカのどこが原始的なのでしょうか?
一番わかりやすいのは、口です。普通のサメは、口が体の下側に付いていますね。けれども、ラブカの口は、体の一番前、先端に付いています。普通の魚みたいですね。サメとしては、これが、原始的な特徴です。
普通のサメは、なぜ、体の下側に口があるのでしょう? じつは、鼻が発達したためです。普通のサメの鼻は、尖っていますね。あの中には、匂いを感じる細胞が、いっぱい詰まっています。その細胞の場所を確保するために、口は、鼻のそばに位置できなくなりました。結果として、体の下側に追いやられたのですね。
ラブカが深海魚であることは、原始的であることと、関わりがあります。棲みやすい浅海は、進化したサメたちに奪われてしまいました。ラブカは、棲みにくい深海へ逃げ込んで、生き長らえました。シーラカンスなども、ラブカと同じパターンです。
原始的なものは、進化したものに追われて、棲みにくい場所に棲むことが多いです。このために、深海には、不思議な生き物がたくさんいるのですね。
過去の記事でも、深海に棲む生き物を取り上げています。また、ラブカと同じサメの仲間も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
シーラカンスの動画撮影に成功! その後は?(2007/1/20)
脚があるのに歩かない? サクラエビ(2006/3/27)
関連記事は以下の通り
あわしまマリンパーク、珍しい深海ザメの撮影に成功(2007/01/24)
日本の風習の一つに、「もぐら打ち」があります。現在は、すたれかけている風習ですね。たいていは、小正月(一月十五日前後)に行なわれます。モグラを追い払うために、藁束【わらたば】や木槌【きづち】などで、地面を叩いて回る、というものです。
モグラは、田の畦【あぜ】に穴を開けたり、芝生を傷めたりします。農民にとっては害獣ですね。農村行事として、「もぐら打ち」ができたのは、自然なことでしょう。
そんな行事ができるほどなのに、モグラの正確な姿は、知られていません。例えば、「モグラが日に当たると死ぬ」のは、迷信です。実際は、日に当たっても平気です。
日本には、およそ七種のモグラが分布します。数が多いのは、アズマモグラとコウベモグラです。他に、サドモグラ、ミズラモグラ、ヒミズ、ヒメヒミズなどがいます。
モグラの仲間は、どの種も、前足が発達しています。土を掘るためです。観察すると、種によって、前足の発達具合が違うのがわかります。
サドモグラ、コウベモグラ、アズマモグラなどの大型種では、前足が特に大きいです。シャベルのような形をしています。ヒミズやヒメヒミズでは、前足はさほど大きくありません。丸っこいシャベル形ではなく、細長い形をしています。
ヒミズとヒメヒミズには、ほかにも、他種のモグラと違う部分があります。この二種には、ふさふさと毛が生えた、長い尾があります。他の多くのモグラの尾は、毛が少なく、長さも短いです。また、多くのモグラの体毛は短くて、ビロード状です。対して、ヒミズとヒメヒミズの体毛は、ネズミに見られるような、普通の長さです。
興味深いことに、ミズラモグラは、ヒミズやヒメヒミズと、他種のモグラとの中間的な特徴を持ちます。ヒミズの仲間と、他のモグラ類とをつなぐ種だと考えられています。
モグラ類の尾が短いのは、地中で動く時、邪魔にならないようにです。体毛が短いのも、地中のトンネルの壁に引っかからないようにです。ヒミズやヒメヒミズは、これらの特徴が未発達なので、原始的なモグラとされます。
日本には、原始的な種から進化した種まで、モグラ科の種がそろっています。こんな国は珍しいです。モグラの進化の様子が具体的に見られるなんて、幸運ですね。
この投稿のほかにも、哺乳類に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリーよりどうぞご覧ください。
図鑑には、ヒメヒミズ、ヒミズ、ミズラモグラ、アズマモグラ、コウベモグラ、サドモグラが掲載されています。ぜひご利用下さい。
深海にすむ生きた化石といわれる深海ザメの撮影に成功したというニュースが報道されました。あわしまマリンパークで、珍しい深海ザメ「ラブカ」の撮影に成功したそうです。ニュースはリンクできませんが、PC版のアワシママリンパーク、深海ザメ「ラブカ」の映像がおいてあるページのURLを明記しておきます。ご興味があればご覧ください。
あわしまマリンパーク(トップページ)※PC版です
http://www.marinepark.jp/
緊急特集!『生きた化石 深海の鮫ラブカ』(あわしまマリンパーク)※PC版です
http://www.marinepark.jp/shark.html
この深海鮫ラブカと同様に、生きた化石といわれているシーラカンス関する記事は以下のページにあります。
シーラカンスについての過去の記事は、以下にあります。
シーラカンスの動画撮影に成功! その後は?(2007/01/20)
シーラカンス(2006/12/26)
シーラカンスはなぜ「生きている化石」か?(2006/6/1)
2007年01月22日(月)より、日本の神戸国際会議場で、アメリカ、オーストラリアなどの国際機関が集結し、マグロについての諸問題を考える会合が開かれています。この会合は01月26日(金)まで、5日間の予定です。
マグロについては、過去の記事でもお伝えしています。以下の記事も御覧下さい。
マグロ(鮪)は温血魚?(2006/10/18)
日本が消費するまぐろは、(2006/01/10)
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ナマコは、日本で食用にされますね。地方によっては、縁起物として、おせち料理に使われます。ナマコが縁起物とされるのは、形が俵【たわら】に似ているからのようです。お米が一杯に詰まった俵は、豊かさの象徴ですね。
日本で食べられるのは、大部分が、マナマコという種です。マナマコは、日本の沿岸に広く分布します。宮城県の金華山付近では、キンコという種のナマコが、特産品とされています。他に、オキナマコなど、数種のナマコが食用にされます。
日本では、古くからナマコが食べられてきました。古事記にも、ナマコが登場するくらいです。なのに、ナマコの分類については、わかっていないことが多いです。最も知られるマナマコでさえ、複数の種に分けられるのでは?という意見があるほどです。
ややこしいことに、ナマコには、別名が多いのですね。個体のちょっとした特徴によって、名を呼び分けたりします。魚屋で、赤ナマコ、青ナマコ、黒ナマコと呼ばれるナマコを見たことがありませんか? 生物学的に言えば、あれらは、みな同じマナマコです。アカナマコやアオナマコという種があるわけではありません。
黒ナマコだけは、正式な日本語名をクロナマコという種がいます。マナマコとは別種です。正式なクロナマコは、食べられません。ですから、魚屋にはありません。
世界的に見ても、ナマコは、意外に食べられています。ただ、日本のように、生で食べる地方はほとんどありません。世界的には、食用ナマコは、干した物が主流です。
特に、中国人は、干しナマコが大好きですね。中国では、バイカナマコという種が珍重されます。バイカナマコは南方系で、サンゴ礁の海に棲みます。体長60cmを越える大型種です。日本の南西諸島にも分布します。
バイカナマコを含めて、たくさんのナマコが、日本から中国へ輸出されています。これ自体は、悪いことではありません。ところが、最近、ナマコ需要の高まりを受けて、密猟が増えています。どこの国であれ、密猟はいけませんね。地球の資源は、人類全体が、注意深く使うべきです。これ以上、ナマコが乱獲されないことを祈ります。
この投稿の他にも、無脊椎動物に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリーよりどうぞご覧ください。
図鑑には、トラフナマコ、バイカナマコ、マナマコが掲載されています。ぜひご利用下さい。
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二〇〇六年の五月に、「スラウェシ島(インドネシア)で、日本の調査チームが、シーラカンスの生きている姿を撮影した」というニュースがありましたね。この時、撮影されたシーラカンスはどうなったのでしょうか? 捕獲されたのでしょうか?
結論を先に書くと、捕獲されていません。この時の調査は、捕獲が目的ではなかったようです。シーラカンスの捕獲は、めったなことでは、許可されません。貴重な魚だからです。自然に暮らす姿を、映像におさめるのが目的だったのでしょう。
生態を動画撮影したこと自体、たいへんな成果です。生きたシーラカンスの自然な姿は、ほとんど知られていないからです。
今、この調査の成果を、日本の水族館で見ることができます。場所は、福島県にある、アクアマリンふくしまです。この水族館が、前記の調査を主導しました。ここで、『ザ・シーラカンス』という企画展を開催中です。例の動画も、大画面で見られます。
シーラカンスの動画は、最近、いくつか撮られています。嬉しいことですね。けれども、生々しい映像のせいか、誤解が広まっているようです。「インドネシアの海でダイビングすれば、シーラカンスに会える」という誤解です。
ダイビングで、シーラカンスに会うことは、まずありません。シーラカンスは深海魚です。ヒトが泳げる範囲に来るのは、「事故」といっていいです。隕石に当たるくらいの確率だと思って下さい。
ダイビングで会えなくても、水族館で鮮明な映像が見られるのは、ありがたいですね。アクアマリンふくしまは、二〇〇七年以降も、シーラカンスの調査を続けるそうです。いつか、日本の水族館で、生きたシーラカンスに会えるかも知れません。
シーラカンスについての過去の記事は、以下にあります。
シーラカンス2006/12/26)
シーラカンスはなぜ「生きている化石」か?(2006/6/1)
冬の味覚として有名なものに、ブリがありますね。寒鰤【かんぶり】という呼び名があるくらいです。西日本や北陸では、お正月の食材として人気があります。
最近、魚屋に出回るブリは、養殖ものが多いですね。養殖ブリは、ハマチと呼ばれることがあります。けれども、ハマチとは、本来、養殖ブリを指す名ではありませんでした。
ブリが出世魚【しゅっせうお】であることは、御存知の方が多いでしょう。出世魚とは、成長段階によって、呼び名が変わる魚のことです。ハマチとは、ブリの成長段階の一つを指す名です。養殖したブリを、「ハマチ」の成長段階で出荷することが多いために、養殖ブリをハマチと呼ぶようになりました。
ブリの呼び名は、地方により、たいへん差があります。どの成長段階をどの名で呼ぶのか、地方によって違います。昔から、日本各地で、ブリが好まれた証拠ですね。地方色豊かな呼び名は、文化の豊かさを表わします。混乱を招くこともありますが。
例えば、大阪方面では、ブリの成長段階につれ、ツバス、ハマチ、メジロ、ブリと呼び分けます。成長しきったものが「ブリ」ですね。これが高知方面ですと、モジャコ、ワカナ、ハマチ、メジロ、ブリとなるようです。ブリの中でも特に大きいものを、オオイナと呼ぶこともあるそうです。富山方面では、ツバエソ、フクラギ、ブリ、オオブリなどと呼ばれます。東京方面では、ワカシ、イナダ、ワラサ、ブリですね。
ブリの他には、スズキやボラなどが出世魚です。どの出世魚も、縁起が良いものとして喜ばれます。お正月や、お祝いの膳に使われます。
多くの出世魚に共通するのは、沿岸の海に棲むことです。どの成長段階でも沿岸にいて、漁獲できるために、出世魚になったのでしょう。
ブリも沿岸の魚です。ブリの体型は、マグロのような紡錘【ぼうすい】形ですね。マグロと同様、外洋でも立派に暮らせそうです。でも、ずっと沿岸にいます。沿岸の海のほうが、豊かだからでしょう。彼らは、日本列島に沿って回遊します。おかげで、私たち日本人は、ブリの恵みを受けてきました。日本の海の豊かさに感謝ですね。
二〇〇六年の九月に【オットセイは日本にいるか?(2006/9/11)】、埼玉県の田んぼで、オットセイが見つかったというニュースがありましたね。あのオットセイは、その後、どうなったでしょうか?
とりあえず、オットセイは、東京の上野動物園に収容されました。衰弱していたので、動物園で、手当てを受けたのですね。
手当ての甲斐あって、オットセイは、すっかり元気になりました。
野生動物は、野生に返すことが基本です。元気になったオットセイは、野生に返されることになりました。
日本では、二月末頃、房総半島沖に、野生のオットセイがやってきます。この時に放してやれば、きっと、また、仲間と一緒に暮らせるでしょう。そこで、野生に戻すためのリハビリが行なわれることになりました。
リハビリが行なわれるのは、鴨川シーワールドです。千葉県にある水族館ですね。
この水族館は、以前にも、迷いオットセイを保護して、野生に返した実績があります。そのために、今回も、リハビリの場所に選ばれました。
鴨川シーワールドでは、今年の春先に、オットセイを野生に戻す予定だそうです。二月末~三月末、房総半島沖に、野生のオットセイが来た時を狙うようです。
オットセイの過去の記事は
オットセイは日本にいるか?(2006/9/11)から、ご覧ください。
寒い季節、ダイコンの煮物が美味しいですね。「大根」は、名のとおり、重要な根菜の一種です。昔は、「だいこん」ではなく、「おおね」と読みました。
ダイコンの葉も食べられます。「春の七草」の一つ、清白【すずしろ】は、ダイコンの異名です。春の七草は、お正月の七日に、お粥【かゆ】に入れて食べる若草ですね。
現在、日本で最も消費されている野菜は、ダイコンです。最も栽培面積が広い野菜も、ダイコンです。けれども、ダイコンの原産地は、日本ではありません。ユーラシア大陸のどこかと推定されています。日本には、奈良時代以前に入りました。
ダイコンは、ユーラシア大陸全体で、広く栽培されています。多くの国々で、親しまれている野菜です。なのに、正確な原産地はわかっていません。「ギリシャやトルコなどの、地中海沿岸地方では?」と推測されています。
そんなに遠くから、どうやって日本までやってきたのでしょう? これについても、わかっていません。シルクロードを通って中国に入り、そこから、日本へ持ち込まれたのかも知れません。奈良時代以前なら、ちょうど、遣隋使や遣唐使の時代ですね。
ダイコンは、アブラナ科に属します。アブラナ科には、他にも、有用な植物が多く含まれます。油を取るアブラナ、食用になるキャベツやハクサイ、観賞用のムラサキハナナなどです。これらの植物は、互いに花の形が似ています。いわゆる「菜の花」形です。ダイコンの花を見る機会があれば、アブラナやムラサキハナナの花と比べてみて下さい。
ダイコンの遠い祖先は、キャベツやハクサイと共通のようです。ユーラシア大陸のあちこちで、栽培されながら交配を繰り返して、今のようなダイコンになったと考えられています。最初は「大根」ではなく、貧弱な根しかありませんでした。
日本には、ダイコンの品種が百以上もあります。ダイコンの多様さは、世界一です。なぜそうなったのかは、わかりません。
日本人が、ダイコンの特性を極限まで引き出したことは、間違いありませんね。巨大な桜島大根や、細長い守口大根などは、もはや文化財といってよい品種でしょう。
この投稿の他にも、植物に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリーよりどうぞご覧ください。
図鑑には、ダイコンが掲載されています。ぜひご利用下さい。
つい先だって、こちらでお伝えした両生類について、衝撃的なニュースが流れましたね。「日本のカエルが、絶滅の危機にある」というのです。いったい、何が起こったのでしょう?
両生類の致命的な病気が、日本で確認されたのです。ツボカビ症という病気です。この病気は、ヒトには感染しません。その点は、安心して下さい。
この病気にかかるのは、カエルだけではありません。イモリやサンショウウオなど、すべての両生類がかかります。一般的なカエルの場合、致死率が、なんと90%以上です。しかも、感染力も強いです。
一九九〇年代から、世界各地で、「両生類が激減した」という報告がありました。その主な原因が、この病気です。一九九八年に、オーストラリア(豪州)で発見されました。
なぜ、こんな病気が、急に現われたのでしょうか? じつは、急に現われたのではありません。ずっと昔から、アフリカにあったと推定されています。人間が、アフリカの両生類を他の地域へ持ち出したために、世界に広まったと見られます。
アフリカの両生類は、ツボカビ症と共存してきました。この病気にかかっても、大したことはありません。けれども、他の地域の両生類は、そうは行きません。中米のパナマなど、ツボカビ症のために、地域からまるごとカエルが消えたと報告されています。
こんな恐ろしい病気が、日本に入ってしまいました。不幸中の幸いは、野生の個体ではなく、飼育個体で確認されたことです。野外への感染を、防ぐ手立てがあります。
ツボカビ症の病原は、ツボカビです。このカビは、水中に、遊走子【ゆうそうし】というものを出して殖えます。遊走子は、50℃以上の温度で死滅します。一番簡単な防御方法は、水を熱することですね。
両生類を飼っているかたへ。水槽の水を捨てる時には、沸かしてから捨てて下さい。
カエルが、たくさんの害虫を食べてくれることを、忘れてはいけません。彼らがいなくなったら、蚊(カ)などが大発生するでしょう。ヒトにも、恐ろしい疫病が蔓延するかも知れません。同じ地球で生きている以上、カエルとヒトもつながっています。
過去の記事でも、「生き物と病気」に関するものがあります。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
エイズの薬になる? アフリカの植物たち(2006/12/30)
狂犬病はどうやったら防げる?(2006/11/25)
鳥インフルエンザを恐れすぎないで(2006/2/17)
などです。
このほか、さまざまな生物に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリよりどうぞご覧ください。
図鑑には、ニホンアマガエルやトウキョウサンショウウオなど日本で見られる両生類が、二十数種掲載されています。ぜひご利用下さい。
図鑑には、カエルやサンショウウオなど日本で見られる両生類が掲載されています。ぜひご利用下さい。
新年そうそう、両生類が絶滅の危機というニュースです。
ペットとして飼っていたカエルの異変に気がついたら、すぐに獣医師に相談してください。ツボカビ症は、水中を浮遊するため、水槽の水は下水管や屋外へ廃水しないでください。治療法もあるそうです。
詳しくは、麻布大学 獣医学部獣医学科病理学研究室 宇根有美助教授のページをご覧ください。PC版ですが、興味のある方はご覧ください。URLは以下の通りです。
http://www.azabu-u.ac.jp/wnew/detail07/070111.html
日本に棲む両生類は、ほかでは見られない種が多数います。日本固有の大事な生物を、守っていきたいですね。
過去の記事で、絶滅の恐れのある生物や両生類を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
クマ(熊)の害を防ぐには?(2006/10/09)
氷河期の生き残りキタサンショウウオ(2005/11/07)
陸に棲むのに肺がないハコネサンショウウオ(2005/10/10)
などです。
このほか、さまざまな生物に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリよりどうぞご覧ください。
図鑑には、ニホンアマガエルやトウキョウサンショウウオなど日本で見られる両生類が、二十数種掲載されています。ぜひご利用下さい。
おせち料理には、いろいろな食材が使われますね。地方によっても違います。大概の地方で、エビは入れられるようですね。縁起が良いとされる生き物だからです。
もともと、おせち料理に入れるのは、イセエビ(伊勢海老)だったようです。形が立派ですからね。けれども、イセエビは高価です。そうそう使える食材ではありません。そこで、代わりにクルマエビなどが入れられるようになりました。
イセエビより安いとはいえ、クルマエビも、高価な食材ですね。クルマエビが尊ばれるのは、味が良いことと、模様が美しいことによります。
クルマエビには、腹部に縞【しま】模様があります。くるりと腹を丸めると、その模様が、車輪のスポークのように見えます。このため、「車海老」と名付けられました。
クルマエビの仲間には、食用にされる種が多いです。クマエビやフトミゾエビなどがそうです。どれも、クルマエビと同様に美味です。ただ、クルマエビのような「車輪模様」がある種は少ないです。模様の有無によって、市場価値の高低があります。
食材として知られていても、クルマエビの生態は、知られていませんね。
生きているクルマエビにも、縞模様があります。しかし、その美しい姿は、昼には見られません。彼らが夜行性だからです。昼間は、敵を避けるために、海底の砂や泥に潜ります。ですから、彼らは、砂底や泥底の海に棲みます。クマエビやフトミゾエビなど、クルマエビの仲間は、みな似た生活をしています。
同じエビでも、クルマエビとイセエビとは、縁が遠いです。クルマエビは、イセエビよりもサクラエビと近縁です。クルマエビとサクラエビは、産卵の仕方が同じです。卵を抱かず、海中へ産みっ放しにします。イセエビの仲間は、卵を抱いて保護します。
日本では、エビといえば、まず食用ですね。エビには、アミノ酸がたっぷり含まれます。おせち料理に入れるのは、栄養的にも理にかなっています。
栄養の面から言えば、クルマエビも他のエビも、ほとんど差はありません。ブランドや、値段の高低など気になさらずに、おせちのエビを味わって下さい。
過去の記事で、他種のエビも取り上げています。以下の記事も御覧下さい。
海中のサンタクロースはエビ?(2006/12/10)
脚があるのに歩かない? サクラエビ(2006/3/27)
海の中の鎧武者? イセエビ(2005/12/30)
などです。この他にも、、無脊椎動物に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリーよりどうぞご覧ください。
生き物の名前には、いろいろなものがありますね。特徴をよく表わした「これしかない」と思える名もあれば、誤解を招きやすい名もあります。
問題になることが多いのは、印象の悪い言葉を含む名前ですね。鳥類のアホウドリ、魚類のオシザメ、昆虫のゴミムシなどです。植物では、イヌノフグリ、ヘクソカズラ、ママコノシリヌグイ(継子の尻拭)などという名があります。
だからといって、「すぐにでも改名すべき」とは、言い切れません。生き物の名は、どれも、長く使われてきたものです。いきなり改名したら、混乱してしまうでしょう。
特に、学術的な分野では、影響が深刻です。ある生き物を改名したために、昔の研究結果を、探せなくなるかも知れません。そのために、人類にとって重要な発見が遅れたりしたら、大変な損失ですよね。
多くの人が、不快に感じる名があるのは、確かです。それをそのままにするのも、うまくありませんね。難しい問題です。学者の間でも、意見が分かれています。
先日、日本魚類学会が、「差別語を含む名の魚を、改名する」と発表しました。前記のようなデメリットがあるのに、思い切った決断ですね。
じつは、このような改名には、先例があります。以前、ダニの仲間に、セムシダニというグループがありました。それが改名されて、ニオウダニになりました。この時は、ニュースになりませんでしたね。一般には、知られない生き物だからでしょう。
改名をするならば、また難しい問題があります。「どこまでを不快な名とするか?」です。人によっては、ハゲワシという名を不快に感じるでしょう。あまりにも一般的な名まで変えると、社会的なコストが膨大です。
この問題には、たぶん、絶対的な正解はありません。面倒でも、みんなで考えて、話し合って、決めるしかないでしょう。一種ずつ、慎重に検討すべきですね。一律に「この言葉はダメ」とするのは、言葉狩りになってしまいます。これをきっかけに、一般に知られない生き物も、知られるようになれば、良いことだと思います。
過去の記事で、生き物の名前について書いたものがあります。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
多くの人が和名の由来を質問されるのに驚きました(2006/10/12)
最近、アカハライモリのことを(2005/10/13)
学名ってなんですか?(2005/9/30)
図鑑には、アホウドリや、オオキベリアオゴミムシ、セアカヒラタゴミムシが載っています。また、オオイヌノフグリ、タチイヌノフグリ、ヘクソカズラ、ママコノシリヌグイも載っています。ぜひご利用下さい。
センリョウとマンリョウは、お正月に喜ばれる植物ですね。名前がおめでたいからです。漢字では、センリョウは千両、マンリョウは万両と書かれます。どちらも、お正月の頃に、赤く美しい実がなります。そのため、縁起の良い名を付けられたようです。
皆さんは、センリョウとマンリョウの違いがわかりますか? ちょっと観察すれば、両者の違いはすぐにわかります。植物に詳しくなくても、大丈夫です。
センリョウもマンリョウも、低木です。特にマンリョウは、一見、草かと見紛うほど小さいです。けれども、ちゃんと木質の幹があります。どちらも常緑樹です。
このように、外見は、共通点が多いですね。違うのは、実の付き方です。
緑の葉の中に、上向きに実が付くのがセンリョウです。枝先に、小さくまとまって赤い実が付いていたら、センリョウです。対して、マンリョウは、葉の下側に実が付きます。葉の陰に、垂れ下がるように赤い実が付いていたら、マンリョウです。
冬に赤い実を付ける植物は、他にもたくさんあります。しかし、お正月の飾りに使われるのは、圧倒的にセンリョウとマンリョウが多いですね。どちらか迷ったら、前記の特徴を思い出していただけば、区別できると思います。
姿が似ているのに、センリョウとマンリョウは、縁が遠いもの同士です。センリョウはセンリョウ科、マンリョウはヤブコウジ科に属します。センリョウのほうが、ずっと原始的な植物です。仮導管【かどうかん】という、特殊な器官を持つからです。
仮導管は、モミやイチョウなどの原始的な植物が持つものです。モミやイチョウは、裸子植物【らししょくぶつ】というグループに属します。センリョウは、被子植物【ひししょくぶつ】というグループに属します。被子植物は、裸子植物から進化したと考えられています。センリョウは、裸子植物から進化したての状態を残しているのでしょう。
センリョウとマンリョウは、共に日本に自生しています。昔は、センリョウを漢字で仙寥と書きました。マンリョウも、今とは違う書かれ方でした。千両・万両と書かれるようになったのは、江戸時代です。きっと、お正月に縁起を担ぎたかったのでしょうね。
過去の記事で、センリョウと関連する裸子植物【らししょくぶつ】を取り上げています。以下の記事も御覧下さい。
悠仁【ひさひと】さまのお印はコウヤマキ(高野槇)(2006/9/14)
クリスマスツリーはモミではない?(2005/11/28)
街路樹は生きている化石、イチョウ(2005/11/21)
などです。この投稿の他にも、、植物に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリーよりどうぞご覧ください。
図鑑には、センリョウとマンリョウが掲載されています。ぜひご利用下さい。
和名:アサギマダラ
学名:Parantica sita niphonica
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
沖縄 うるま市【2006.12.15】
メインの図鑑にはアサギマダラが載っています。ぜひご利用下さい。
お正月には、門松を立てたり、注連【しめ】飾りを掛けたりしますね。それらのお正月飾りには、多くの植物が使われます。ユズリハという植物も、その一つです。
とはいえ、「ユズリハなんて聞いたことがない」という方も多いでしょう。お正月飾りには、地方色が強く出ます。ユズリハを使わない地方も多いですね。使う地方では、注連飾りや、鏡餅に添えるようです。
ユズリハをお正月飾りに使うのは、その落葉の仕方に由来します。
面白いことに、ユズリハは、新しい葉が伸びるのを待ってから、古い葉が落ちます。このために、譲葉【ゆずりは】という名が付きました。古い葉と新しい葉が交代するのを、年長の世代が、成長した年少の世代に譲ると見立てたのですね。古くなったものが、新しい力を得て再生するのが、おめでたいとされました。
普通の落葉樹の葉は、一年もたずに落ちてしまいますね。ユズリハの葉は、一年以上生きます。葉は春に生まれます。夏・秋・冬と過ごして、翌年の春に、年下の葉を迎えます。年長になった葉は、年少の葉が伸びきった初夏の頃に、一生を終えます。
なぜ、ユズリハは、こんな落葉の仕方をするのでしょうか? 明確な理由はわかっていません。ただ、一年中緑の葉があれば、光合成に有利であることは確かですね。いつでも光合成ができれば、たくさんの栄養を得られます。冬でも元気なわけですね。
お正月飾りの植物は、ユズリハをはじめ、ダイダイ、ウラジロなど、ほとんど常緑です。冬でも生命力に満ちた姿が、尊ばれたのでしょう。
ユズリハの性質は、どこでも珍しがられたようです。世界の各地で、「二年分の葉が共存する」ことにちなんだ名が付けられています。例えば、お隣の中国では、ユズリハを「交譲木」と書きます。北海道では、アイヌの人たちが、「越冬する葉」という意味の名を付けていたそうです。北海道には、ユズリハの変種のエゾユズリハが分布します。
昔の人は、ユズリハの葉を、「次世代を育てる」象徴としました。ユズリハには、それにちなんだ行事が多いです。昔の人がユズリハに寄せた思いを、受け継ぎたいですね。
お正月に関係する記事などを過去に取り上げています。ご興味がありましたら、以下の記事もどうぞご覧ください。
ツクバネ?(アキアカネ)(2006/1/4)
羽根突きの羽根の原点? ツクバネ(2006/1/4)
代々の実が付くおめでたい果実、ダイダイ(2005/12/31)
お正月の飾りになぜウラジロ?(2005/12/16)
などです。この他に、、植物に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリーよりどうぞご覧ください。
そして・・・メインの図鑑には、ユズリハが掲載されています。ぜひご利用下さい。
イッカクはかっこいいので大好きです。もっと知りたくて調べようと思っています。そこでちょっと調べたところ、シロイルカがイッカクの仲間だということが書いてありました。本当ですか?
また、イッカクの写真を見たいです。おしえてください。
確かに、イッカクとシロイルカは、近い仲間です。
PC版インターネット上で、イッカクの写真が載っているサイトを探してみました。
以下のサイトに、イッカクのことが載っています。すべてPC版です。参考までにURLを明記しておきます。
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%83%E3%82%AB%E3%82%AF
また、写真家 安田守さんのサイト『身近な自然、遠い自然』というのがあります。
このサイトのコンテンツのひとつ、「イッカクへの旅」では、イッカクの写真や、北極の風景などの写真を公開しています。
このようなすばらしい写真が拝見できて、安田さんに感謝しないといけませんね。
『身近な自然、遠い自然』
http://www.geocities.jp/ikkaku2/index.html
イルカとクジラの図鑑もご紹介します。とても良い本ですが、少し高いです。図書館で探してみるとよいでしょう。
アンソニー・マーティン編著 粕谷敏雄監訳『クジラ・イルカ大図鑑』、平凡社 1991年、本体価格 4660円
明けましておめでとうございます。おかげさまで、昨年一年間も、図鑑ドットネットブログを続けることができました。本年もよろしくお願いいたします。
皆さんの家には、新年の御挨拶に来た方がいるでしょうか? 来るのは、ヒトとは限りません。かわいい小鳥が、挨拶に来ているかも知れませんよ。
たとえ狭くても、庭がある家にお住まいの方は、庭を御覧下さい。庭がない家の方は、お近くの公園を覗いてみて下さい。スズメくらいの大きさの鳥で、黒っぽい背に二つ、白い斑紋がある小鳥がいませんか? 正確には、背ではなく、翼に斑紋があります。
それは、ジョウビタキという鳥です。背(翼)の斑紋が、紋付のように見えるので、紋付鳥【もんつきどり】という通称があります。「ヒッ、ヒッ」・「カッ、カッ」などと鳴きながら、尾を振ったり、頭を下げたりします。紋付袴を着て、お辞儀をしているようです。
ジョウビタキは、雄と雌とで、ずいぶん体色が違います。雄のほうが派手です。雄は、頭が灰色で、顔が黒、背も黒、腹は鮮やかなオレンジです。雌は、全体的に薄茶色っぽい感じで、背は黒っぽいです。背(翼)に紋があるのは、雄も雌も同じです。
ジョウビタキという名は、漢字で「尉鶲」と書きます。「尉【じょう】」とは、お爺さんのことです。雄の灰色の頭を、お爺さんの白髪に見立てたのですね。
この鳥は、渡り鳥です。日本には冬にしかいません。夏は、シベリアのバイカル湖周辺や、中国東北部などにいます。小さい体のどこに、そんな距離を渡る力があるのか、不思議ですね。日本では、住宅地でもよく見られます。ヒトをあまり恐れないようです。
お正月は、いつもより、ゆとりがある方が多いでしょう。バードウォッチングなど、してみてはいかがでしょうか? ジョウビタキは、駆け出しのバードウォッチャーにぴったりです。種を見分けやすいうえに、ヒトの身近に来るからです。
じつは、バードウォッチングの旬は、晩秋から早春にかけてです。この時期は、木の葉が落ちて、見通しが良くなるからです。観察し始めれば、身近に多種の鳥がいるのに驚くでしょう。ぜひ、かわいい隣人たちと知り合いになって下さい。
過去の記事で、お正月に縁のある鳥や、バードウォッチングしやすい鳥を紹介しています。以下の記事も御覧下さい。
ハクセキレイは都会住まいが好き?(2006/12/18)
カモは水に潜るか?(2006/11/27)
鶴(ツル)の舞は何のため?(2006/1/3)
などです。この投稿の他にも、、鳥類に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリーよりどうぞご覧ください。
そして・・・メインの図鑑には、ジョウビタキが掲載されています。ぜひご利用下さい。