世界のカエルが絶滅する? ツボカビ症を防ぐには

user-pic
0

ico_weather_hare.gif


 つい先だって、こちらでお伝えした両生類について、衝撃的なニュースが流れましたね。「日本のカエルが、絶滅の危機にある」というのです。いったい、何が起こったのでしょう?
 両生類の致命的な病気が、日本で確認されたのです。ツボカビ症という病気です。この病気は、ヒトには感染しません。その点は、安心して下さい。
 この病気にかかるのは、カエルだけではありません。イモリやサンショウウオなど、すべての両生類がかかります。一般的なカエルの場合、致死率が、なんと90%以上です。しかも、感染力も強いです。
 一九九〇年代から、世界各地で、「両生類が激減した」という報告がありました。その主な原因が、この病気です。一九九八年に、オーストラリア(豪州)で発見されました。
 なぜ、こんな病気が、急に現われたのでしょうか? じつは、急に現われたのではありません。ずっと昔から、アフリカにあったと推定されています。人間が、アフリカの両生類を他の地域へ持ち出したために、世界に広まったと見られます。
 アフリカの両生類は、ツボカビ症と共存してきました。この病気にかかっても、大したことはありません。けれども、他の地域の両生類は、そうは行きません。中米のパナマなど、ツボカビ症のために、地域からまるごとカエルが消えたと報告されています。
 こんな恐ろしい病気が、日本に入ってしまいました。不幸中の幸いは、野生の個体ではなく、飼育個体で確認されたことです。野外への感染を、防ぐ手立てがあります。
 ツボカビ症の病原は、ツボカビです。このカビは、水中に、遊走子【ゆうそうし】というものを出して殖えます。遊走子は、50℃以上の温度で死滅します。一番簡単な防御方法は、水を熱することですね。
 両生類を飼っているかたへ。水槽の水を捨てる時には、沸かしてから捨てて下さい。
 カエルが、たくさんの害虫を食べてくれることを、忘れてはいけません。彼らがいなくなったら、蚊(カ)などが大発生するでしょう。ヒトにも、恐ろしい疫病が蔓延するかも知れません。同じ地球で生きている以上、カエルとヒトもつながっています。

 過去の記事でも、「生き物と病気」に関するものがあります。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
エイズの薬になる? アフリカの植物たち(2006/12/30)
狂犬病はどうやったら防げる?(2006/11/25)
鳥インフルエンザを恐れすぎないで(2006/2/17)
などです。
 このほか、さまざまな生物に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリよりどうぞご覧ください。


図鑑には、ニホンアマガエルトウキョウサンショウウオなど日本で見られる両生類が、二十数種掲載されています。ぜひご利用下さい。
図鑑には、カエルサンショウウオなど日本で見られる両生類が掲載されています。ぜひご利用下さい。

トラックバック(1)

トラックバックURL: http://blog.zukan.net/MovableType4/mt-tb.cgi/4315

図鑑.netブログ - トノサマガエルの謎 (2007年5月21日 09:59)

 そろそろ田植えの季節ですね。田んぼに水が入ると、カエルの声が賑やかになりま... 続きを読む

コメント(4)

| コメントする

淡水性のエビにも感染するそうです。
http://d.hatena.ne.jp/satanii/20070122/1169719930

 情報ありがとうございます > Sekizukaさん。


 淡水性のエビに感染するということは、エビから両生類へと、ツボカビ症が広がる可能性もありますね。


 淡水性のエビを飼っている方々へも、警告したほうが良さそうです。
 
 淡水のエビを飼っている皆さんへ。
 水槽の水を捨てる時には、熱してから捨てて下さい。

はじめまして!

淡水エビでのツボカビが確認されたのはオーストラリアでの話しです。まだ日本では確認されていませんのでとりあえずご安心を。

しかし、海外から輸入される淡水エビも種々いますので、油断できない・・・といったところでしょうか。

 はじめまして<satanii さん
 コメントありがとうございます。
 まだ、日本国内では、確認されていないのですね。おっしゃるとおり、観賞用の水生生物も多く輸入されていますから、注意が必要ですよね。
 情報ありがとうございました。

コメントする

このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2007年1月14日 00:25に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「<カエル・ツボカビ症>国内で初確認 両生類絶滅の危険性も」です。

次のブログ記事は「日本のダイコン(大根)は世界一」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。