宝石の珊瑚【さんご】はサンゴ礁のサンゴか?

user-pic
0

ico_weather_hare.gif / ico_weather_kumori.gif / ico_weather_hare.gif

 珊瑚(コーラル)は、真珠(パール)と並んで、海で採れる宝石ですね。どちらも、海の生き物から作られます。海に棲むサンゴから、宝石の珊瑚ができます。
 サンゴといえば、誰もが、熱帯のサンゴ礁を思うでしょう。ところが、熱帯のサンゴ礁のサンゴと、宝石になるサンゴとは、別の種です。
 宝石になるサンゴは、サンゴ礁を作りません。サンゴ礁を作るのは、熱帯の浅い海にいるサンゴです。宝石になるサンゴは、温帯の海に棲みます。多くは、温帯の深海にいる種です。おおむね、水深200m以上の海に棲むようです。
 サンゴ礁のサンゴは、なぜ宝石にならないのでしょう? サンゴの作る「骨」の成分が違うからです。宝石にされるのは、サンゴの「骨」の部分です。
 サンゴは、骨のないクラゲの仲間です。けれども、体の中に固い「骨」を作ります。サンゴが樹木のような形になって、体を支えられるのは、「骨」のおかげです。
 宝石になるサンゴは、「骨」が緻密【ちみつ】です。「骨」を取り出して磨くと、美しい宝石になります。サンゴ礁のサンゴの「骨」は、それほど緻密ではありません。
 現在の日本は、宝石の珊瑚の大産出国です。日本近海に、宝石になるサンゴが多く棲むからです。宝石にされる種としては、アカサンゴ、シロサンゴ、モモイロサンゴが代表的です。高知県や長崎県の深海から、これら三種のサンゴが採れます。
 宝石になるサンゴが、日本にあるとわかったのは、十九世紀、江戸時代の後期です。それまで、宝石の珊瑚は、すべて輸入ものでした。それらの珊瑚の原産地は、はるかヨーロッパです。宝石の珊瑚は、ほとんどが、ベニサンゴという種から作られていました。ベニサンゴは、地中海にいる種です。宝石になるサンゴには珍しく、浅い海に棲みます。
 宝石の珊瑚がこれだけ普及したのに、元になるサンゴの生態は、わかっていません。深海に棲むため、観察が困難なのです。研究が進まず、養殖もできません。今は、貴重な天然のサンゴを採って、宝石にしています。このままでは、絶滅の危機です。
 宝石として利用するなら、生き物としてのサンゴを、守ってあげるべきでしょう。


 先日のサンゴのニュースや過去の記事で、サンゴ礁を作るサンゴを取り上げています。また、サンゴと同じく海の宝石を作る真珠貝も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
宝石サンゴのニュース(2007/03/03)
真珠貝【しんじゅがい】の秘密(2006/06/16)
サンゴ礁と台風の関係(2005/09/02)

 このほか、さまざまな生物に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリよりどうぞご覧ください。


図鑑にはアオサンゴハナヤサイサンゴなどのサンゴが掲載されています。ぜひご利用ください。

トラックバック(1)

トラックバックURL: http://blog.zukan.net/MovableType4/mt-tb.cgi/4384

 先日お伝えしました、ワシントン条約締結国会議が6月15日に閉幕しました。  ... 続きを読む

コメントする

このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2007年3月 5日 07:37に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「御苑のジジ?」です。

次のブログ記事は「雌(メス)しかいないトカゲがいる?」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。