イチリンソウは日本のアネモネ

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 寒さの中にも、春の気配が感じられる季節になりました。あちこちで、早春の花が咲いたという便りがありますね。
 この季節は、落葉樹林の地面に咲く花が多いです。それらの中には、キンポウゲ科イチリンソウ属の植物が目立ちます。イチリンソウ、ニリンソウ、アズマイチゲなどです。
 「イチリンソウ属」という属名を示す学名は、Anemoneといいます。学名は、国際的に用いられるラテン語の名です。例えば、イチリンソウ属の中のイチリンソウという種を指す場合、学名はAnemone nikoensisです。ニリンソウの学名は、Anemone flaccidaです。
 Anemoneと聞いて、花壇に咲くアネモネを思い浮かべた方もいるでしょう。その連想は、正しいです。栽培されるアネモネは、イチリンソウ属に属します。
 一般的に「アネモネ」と呼ばれる植物は、一種ではありません。いくつかの種を含みます。Anemone coronariaが代表的な種です。この種を含め、園芸種のアネモネは、ほとんどが、地中海沿岸が原産です。赤や紫など、鮮やかな色が特徴ですね。
 比べると、日本のアネモネたちは、慎ましやかです。花の色は、大部分が白です。しかも、早春のほんの一時しか咲きません。彼らは、とても「生き急ぐ」植物です。早春に芽を出し、葉を広げ、花を咲かせると、初夏にはすべて枯れてしまいます。
 このような植物を、春植物と呼びます。このブログで、以前にも、春植物の一種を紹介しましたね。フクジュソウです。春植物の説明は、そちらを御覧下さい。
 同じイチリンソウ属なのに、日本のイチリンソウやニリンソウと、園芸種のアネモネとは、ずいぶん花の様子が違いますね。これは、生態が違うからです。
 日本のイチリンソウなどは、落葉樹林に生えます。園芸種のアネモネは、本来、草原育ちです。樹林と草原とでは、いる昆虫の種類が違います。昆虫に花粉を運んでもらえるように、それぞれの昆虫を惹きつけやすい花になりました。
 園芸種でなくても、日本のイチリンソウ属は、充分美しいです。中には、栽培する人もいるようです。けれども、野の花は、やはり野に置くのが一番ですね。


 過去の記事で、イチリンソウ属以外の春植物や花粉を運ぶ昆虫も取り上げています。また、ミツバチなどの写真も掲載しています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ミツバチのそっくりさん、ハナアブ(2006/3/10)

黄金の花には意味がある、福寿草(フクジュソウ)(2006/2/20)

セイヨウミツバチ(2006/06/18)


 このほか、さまざまな生物に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリよりどうぞご覧ください。


図鑑にはイチリンソウニリンソウアズマイチゲが掲載されています。ぜひご利用ください。

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このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2007年3月23日 09:42に書いたブログ記事です。

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