変態【へんたい】しすぎる昆虫? ツチハンミョウ

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 この季節、地面には、まだ枯れ草が目立ちますね。でも、観察してみると、生き物の気配が感じられます。やや細長くて、黒光りする、腹の太い虫が、歩いていませんか?
 それは、きっとツチハンミョウの仲間です。ツチハンミョウは、春先に成虫が現われます。カブトムシやコガネムシと同じ、甲虫のグループ(コウチュウ目)に属します。
 「ハンミョウ」という名に、聞き覚えがある方もいるでしょう。日本には、「~ハンミョウ」と名が付く昆虫が、何十種もいます。それらの多くは、コウチュウ目ハンミョウ科の昆虫です。けれども、ツチハンミョウは、ハンミョウ科ではありません。
 ツチハンミョウは、ツチハンミョウ科に属します。似た名前同士で、ややこしいですね。こうなったのは、昔、ツチハンミョウとハンミョウが、混同されていたからです。
 実際には、ツチハンミョウとハンミョウとは、全く生活ぶりが違います。ツチハンミョウは、昆虫の中でも、他に類を見ない生態を持っています。
 その特徴の一つは、変態の様子です。成長の仕方が、独特なのです。
 孵化【ふか】したての幼虫(一齢幼虫)は、活動的です。発達した脚を使って、近くの植物によじ登ります。目的地は、花です。そこで、ハナバチの仲間が飛んでくるのを、じっと待ちます。ハチが来たら、その体にしがみついて、こっそり巣まで運ばれます。
 ハチの巣で、幼虫は、ハチの卵を食べてしまいます。そうして、ハチの餌を横取りして、育ちます。巣内の幼虫の脚は、退化します。巣では、動く必要がないからです。
 同じ幼虫なのに、途中で、こんなに激変する昆虫は、珍しいですね。
 幼虫から蛹【さなぎ】になる時も、普通ではありません。蛹になる前に、いったん、擬蛹【ぎよう】と呼ばれる状態になります。蛹のように動かない時期です。しかし、蛹ではありません。もう一回脱皮して、幼虫に戻ります。それから本当の蛹になります。
 このようなツチハンミョウの変態を、過変態【かへんたい】といいます。なぜ、こんなにややこしい成長をするのでしょう? その理由は、まだわかっていません。身近な昆虫にも、謎がいっぱいですね。


 過去の記事で、ツチハンミョウが巣を乗っ取ることもあるクマバチを取り上げています。よろしければ、以下の記事もご覧下さい。
クマバチは社会進化の謎を解くか?(2007/03/16)
また、クマバチの写真もたくさんあります。ご覧ください。
クマバチとクサフジ(2006/07/09)



図鑑にはヒメツチハンミョウが掲載されています。また、ツチハンミョウと混同されるハンミョウ科の昆虫や、ツチハンミョウが巣を乗っ取るハナバチの仲間も載っています。ぜひご利用ください。

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このページは、松沢千鶴が2007年3月26日 09:16に書いたブログ記事です。

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