雌(メス)しかいないトカゲがいる?

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 ヒトのような哺乳類は、雄と雌とがそろわないと、子どもができませんね。鳥類も、爬虫類も、両生類もそうです。一つの種の中に、必ず、雄と雌とがいます。
 ところが、爬虫類のごく一部に、雌しかいない種がいます。トカゲの仲間とヘビの仲間で、何種か見つかっています。脊椎動物では、珍しいことです。
 そんな珍しい種は、どこか外国にいそうですね。ところが、日本にもいます。オガサワラヤモリが、その一種です。トカゲの中の、ヤモリ科に属します。
 オガサワラヤモリは、小笠原諸島と、大東諸島(沖縄の東方にある諸島)に分布します。日本では、限られた地域にしかいませんが、海外の分布は広いです。インド、インドネシア、スリランカ、ハワイ諸島など、太平洋とインド洋の熱帯地域には、ほとんどいます。一九七〇年代になってから、沖縄本島や与那国島でも見つかっています。
 雌しかいないのに、オガサワラヤモリは、どうやって繁殖するのでしょう? 雌が、独力で産卵します。その卵からは、ちゃんと子どもが孵化します。子どもはすべて雌です。このような繁殖方法を、単為生殖【たんいせいしょく】といいます。
 すべてのオガサワラヤモリが、単為生殖をするわけではありません。雄のオガサワラヤモリも、存在します。ただし、日本周辺では、雄が見つかっていません。日本のオガサワラヤモリは、雌だけで繁殖するようです。海外では、普通の繁殖をする地域もあります。
 分布を広げるには、雌だけで繁殖できるのは、有利です。雌雄がそろわなくても、子孫を残せるからです。
 例えば、あるヤモリが、流木に乗って島に着いたとしましょう。島に数頭、あるいは一頭しかいなくても、単為生殖ができるなら、ヤモリの子孫はどんどん増えます。オガサワラヤモリは、このようにして、たいへん広い範囲に分布したと考えられています。
 爬虫類の多くの種には、単為生殖をする能力があるようです。普通に繁殖する種でも、まれに、「雌だけで繁殖した」と報告されることがあります。なぜ、どのようにしたら、こんな切り替えができるのでしょう? 生き物の能力は、ヒトの想像を越えますね。

 関連するニュースとして、二〇〇六年の十二月に、「コモドオオトカゲが単為生殖した」というものがありました。

 過去の記事でも、ヤモリの仲間について取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
トカゲモドキとはどんな生き物?(2006/12/29)
家を守る守宮(ヤモリ)(2006/4/10)
などです。この他、爬虫類に関するコラム、Q&A、画像など盛りだくさんです。過去の記事は各カテゴリよりどうぞご覧ください。


図鑑にはオガサワラヤモリが掲載されています。ぜひご利用ください。

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このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2007年3月 6日 00:12に書いたブログ記事です。

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