腸内細菌が進化の決め手? マルカメムシ

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 カメムシは、世界中にたくさんいる昆虫の仲間です。臭いことで有名ですね。
 臭いだけでなく、別の理由で、カメムシは害虫とされることがあります。農作物を食い荒らすからです。
 すべてのカメムシが、農作物の害虫なのではありません。カメムシには、肉食性の種と、草食性の種がいます。肉食性の種は、もちろん、農作物など食べません。草食性の種の中に、農業の害虫がいます。残念ながら、そのような「害虫」の種は、数多いです。
 マルカメムシは、害虫とされるカメムシの一種です。主に、ダイズ(大豆)とアズキ(小豆)を食い荒らします。畑の作物以外では、クズ、ノダフジ、ヤマハギなどの、マメ科植物に付きます。元来は、野山で、これらの植物を食べていたのでしょう。
 ダイズもアズキも、日本原産の植物ではありません。千年以上も昔に、日本に導入されました。日本のマルカメムシは、それまで、ダイズやアズキを知らなかったわけです。どうやって、それらを食べるようになったのでしょうか?
 これまでは、「マルカメムシの遺伝子が変化することで、新しい植物に対応できるようになった」と考えられていました。ところが、つい先日、「そうではない」という研究結果が発表されました。「変化したのは、マルカメムシの腸内にいる細菌」だというのです。
 ヒトの腸内にも、細菌がいますね。ビフィズス菌などが有名です。ビフィズス菌は、ヒトの腸内環境を整えて、ヒトを健康にしてくれますね。同じように、マルカメムシの腸内にも、細菌がいます。細菌のおかげで、マルカメムシも、健康でいられます。この細菌が変化したことで、マルカメムシは、新しい植物を食べられるようになりました。
 マルカメムシの腸内細菌は、親から子へと受け渡されます。どうやって受け渡すのでしょう? なんと、親が、細菌入りのカプセルを、卵と一緒に産みつけます。子どもは、そのカプセルを食べて、細菌を取り入れます。これは、マルカメムシ類独特のやり方です。
 マルカメムシは、日本で、とても平凡なカメムシです。なのに、こんな大きな秘密が隠されていました。

図鑑には、マルカメムシや他のカメムシ30数種が掲載されています。ぜひご利用下さい。

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このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2007年6月21日 07:16に書いたブログ記事です。

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