アジサイの果実はどこにある?

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 アジサイは、日本の梅雨を彩る花ですね。「七変化」という別名のとおり、色とりどりです。美しく色づくのは、花弁(花びら)に見えますが、そうではありません。蕚【がく】という部分です。
 アジサイの花は、誰もが知っていますね。では、アジサイの果実を御存知ですか? 
 じつは、アジサイには、果実がみのりません。アジサイの花は、雄しべも雌しべも退化しているためです。あれだけたくさんの花が咲くのに、実を結びません。
 アジサイは、人の手で、挿し木で殖やされます。人間に作られた園芸植物だからです。
 では、野生のアジサイは、どうしているのでしょう? 園芸用のアジサイの元になったのは、どんな植物でしょうか?
 アジサイの原種は、ガクアジサイという種です。この種は、日本の野山に生えます。ガクアジサイには、ちゃんと果実がみのります。
 ガクアジサイの花は、アジサイに似ています。多くの花が、まとまって咲きます。けれども、明らかに違うところがあります。ガクアジサイの花には、形が違うものが混じっています。蕚がある花と、ない花です。蕚がない花は、見た目があまり美しくありません。
 蕚があるガクアジサイの花には、雄しべも雌しべもありません。栽培されるアジサイと同じですね。蕚がない花には、雄しべと雌しべがあります。こちらの花が、実を結びます。
 ガクアジサイの花は、なぜ、こんなふうになっているのでしょうか? 効率良く虫を呼んで、花粉を運んでもらうため、と考えられています。
 蕚がある花は、美しく咲いて、虫を惹きつけます。蕚がない花は、花粉を出すことに徹して、果実を作ります。花の間で、分業しているのですね。蕚があるガクアジサイの花のように、美しいだけで実を結ばない花のことを、装飾花【そうしょくか】といいます。
 アジサイは、いわば、装飾花ばかりが咲くガクアジサイです。見た目が美しいために、人間によって、そうされました。このため、アジサイは、人に頼らないと繁殖できません。
そう思うと、アジサイの花は、なんだか物悲しく見えますね。


 過去の記事でも、アジサイの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。


 花祭りの甘茶は、お茶の木からできる?(2007/4/5)



図鑑には、ガクアジサイタマアジサイツルアジサイなど、アジサイ属の植物が掲載されています。ぜひご利用下さい。

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コメント(2)

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 花弁では無かったのかぁ……ガクッ

 冗談はさておき、近所の公園に植えてある紫陽花の中には、ガクの開いているものとそう出ない物が混在していました。
見かけが不恰好と言うか、紫陽花のイメージが狂うと言うか……。


 yumeさん、いつもコメントありがとうございます。
 せっかくコメントして下さったのに、三日も放置してすみません。


 同じアジサイでも、よく見ると、一つ一つの花は違いますよね。色合いも形も。
 不恰好な花でも、一生懸命咲いている様子は、健気だと思います。

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このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2007年6月22日 07:49に書いたブログ記事です。

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