ホヤは脊索【せきさく】動物? 原索【げんさく】動物?

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 ネットや本で、生き物について調べると、困ったことにあいませんか? 同じ種なのに、分類が違うことなど、よくありますね。
 例えば、ホヤ(海鞘)という生き物がそうです。海の生き物ですね。北海道や東北地方では、食用にされます。植物のように見えますが、動物です。
 ウェブサイトや本により、ホヤは、分類が違います。脊索動物【せきさくどうぶつ】と書いてあるものと、原索動物【げんさくどうぶつ】と書いてあるものとがあります。どちらが正しいのでしょうか?
 最近の考えでは、脊索動物のほうが主流です。原索動物とは、少し昔に使われていた名前です。研究が進んだために、ホヤの仲間は、分類グループの名が変わりました。
 ホヤと近縁な生き物には、サルパ、ヒカリボヤ、ナメクジウオなどがいます。これらの生き物も、昔は、みな一緒に、原索動物とされていました。最近では、みな脊索動物とされています。ホヤ、サルパ、ヒカリボヤは、脊索動物門【せきさくどうぶつもん】の尾索動物亜門【びさくどうぶつあもん】に属します。ナメクジウオは、脊索動物門の頭索動物亜門【とうさくどうぶつあもん】に属します。
 私たちヒトは、脊索動物門の脊椎動物亜門【せきついどうぶつあもん】に属します。広く見れば、ヒトは、ホヤやサルパやナメクジウオと、同じ分類グループなわけですね。
 ホヤやサルパやナメクジウオが、ヒトを含む脊椎動物【せきついどうぶつ】と近縁なことは、だいぶ前からわかっていました。けれども、昔は、「脊椎動物と、脊椎骨がないホヤなどの間には、大きな隔たりがある」とされていました。そのため、ホヤやサルパやナメクジウオは、脊椎動物とは別の「原索動物」に入れられていたのです。
 近年の研究により、「『原索動物』は、脊椎動物から分けるほどのまとまりはない」とわかってきました。それで、同じ脊索動物とされるようになりました。
 生物学の世界では、こういうことがよくあります。一般の人にとっては、ややこしいですね。でも、研究が進むのは、世界中の学者さんが、懸命に働いている証拠です。


 過去の記事でも、ホヤの仲間の脊索動物【せきさくどうぶつ】を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 サルパとは、どんな生き物?(2007/5/31)
 原始的に見えても魚に近い? ホヤ(海鞘)(2006/8/28)
などです。



図鑑には、マボヤアカボヤオオサルパヒカリボヤナメクジウオなどの脊索動物が掲載されています。ぜひご利用下さい。

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このページは、松沢千鶴が2007年8月28日 08:33に書いたブログ記事です。

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