トラフカミキリは、スズメバチのそっくりさん

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 秋になると、ニュースに登場する昆虫がいますね。そう、スズメバチです。以前、このブログでも取り上げましたね。(スズメバチは喧嘩に強い、でも寒さに弱い)
 日本には、スズメバチの仲間ではないのに、スズメバチにそっくりな昆虫がいます。トラフカミキリです。名のとおり、甲虫のカミキリムシの一種です。
 トラフカミキリは、全身に、黄色と黒の縞模様があります。トラの縞模様に似ています。だから、「トラフ(虎斑)」という種名が付きました。トラフカミキリ以外にも、このような模様のカミキリムシが、何種もいます。エグリトラカミキリ、キスジトラカミキリなどです。これらは、トラカミキリ類と呼ばれます。どの種も、危険ではありません。
 昆虫で、「黄色と黒の縞模様」といえば、ハチの仲間ですね。中でも、スズメバチやアシナガバチの類が、みな、このような模様です。トラカミキリ類は、スズメバチやアシナガバチに擬態【ぎたい】しているといわれます。
 擬態とは、何かの形や動きを真似ることです。トラフカミキリなどは、動きまで、スズメバチにそっくりです。ハチのように、細かく触角を振りながら、せわしなく歩きます。
 カミキリムシが、なぜ、スズメバチに擬態するのでしょう? スズメバチが強いからです。「スズメバチだ」と思えば、ヒトでも鳥でも、捕食したり、いたずらしたりしません。スズメバチの真似をすることで、身を守れるわけです。
 自然界には、トラフカミキリのように、「強いものに擬態することで、身を守る」生き物が、たくさんいます。このような擬態を、ベイツ型擬態といいます。これは、ヘンリー・ウォルター・ベイツという、昆虫学者の名にちなんでいます。
 擬態といえば、「周囲の環境を真似る」ものが有名です。周囲の様子に溶け込んで、敵に見つからないようにする擬態です。昆虫のナナフシなどが、この擬態を使います。ナナフシも、以前、このブログで取り上げました。(葉隠れの術を使う? ナナフシ)
 擬態には、いろいろな種類があるのですね。自然の仕組みには、驚かされます。野外でトラカミキリ類を見つけたら、じっくり観察してみたいですね。


 過去の記事でも、擬態【ぎたい】をする昆虫(オオスカシバ、ナナフシ)や、擬態される側の昆虫(アシナガバチ、スズメバチ)を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 葉隠れの術を使う? ナナフシ(2006/11/20)
 アシナガバチは紙の工芸家?(2006/9/22)
 ハチに擬態?(2006/8/2)ハチに似たガの一種、オオスカシバ【画像】
 スズメバチは喧嘩に強い、でも寒さに弱い(2005/10/24)
などです。
 


図鑑には、エグリトラカミキリキスジトラカミキリトラフカミキリなどのトラカミキリ類が掲載されています。また、スズメバチやアシナガバチの仲間、ナナフシの仲間も載っています。ぜひご利用下さい。

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このページは、松沢千鶴が2007年9月21日 07:14に書いたブログ記事です。

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