イルカは淡水で暮らせない?

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 今年(二〇〇七年)の八月、荒川に、イルカが迷い込んだというニュースがありましたね。撮影された写真によれば、カマイルカのようです。
 後に、荒川とつながった新河岸川で、それらしきイルカの死体が発見されました。死体には、衰弱した証拠がありました。川の生活に適応できずに、死んだようです。
 ところが、最近になって、「あの死体は、荒川で目撃されたイルカではなさそうだ」という意見が出てきました。死体を調べた国立科学博物館からの意見です。荒川で撮影された写真と、死体とを比べると、写真にあるフジツボや傷跡がないといいます。
 この意見が正しいなら、同時期に、同じ種のイルカが、複数、同じ川に迷い込んだことになります。とても珍しいことですね。けれども、ないとは言えません。
 イルカの仲間には、海でなく、淡水に棲む種もいます。カワイルカの類です。日本には、カワイルカは分布しません。
 カワイルカは、一生、川に棲みます。ならば、海のイルカも、川に棲めそうですよね。なぜ、新河岸川のカマイルカは、死んでしまったのでしょうか?
 淡水に棲むイルカと、海に棲むイルカとでは、体の仕組みが違うからです。同じイルカでも、普段と違う環境には、長く棲むことはできません。新河岸川のカマイルカは、何らかの理由で、海へ帰れなくなったのでしょう。具体的な理由は、不明です。
 カマイルカは、各地の水族館の人気者です。運動性能が高いうえに、人懐っこいからです。ショーに最適ですね。たくさんの水族館で飼育されています。
 なのに、カマイルカの生態は、よくわかっていません。これまで、国内の水族館で、カマイルカの子どもが育った例は、たった一つだけです。鴨川シーワールドの「キララ」です。キララは、現在も、鴨川シーワールドで元気に飼われています。
 野生生物の生態を知るのは、難しいのですね。数が多いカマイルカでさえ、こんな状況です。もし、カマイルカが絶滅しそうになったら、私たちの力では、救えないかも知れません。「数が減ってから保護」ではなく、減らさないことが大切ですね。


図鑑には、カマイルカが掲載されています。ぜひご利用ください。


 過去の記事でも、イルカを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
伊勢湾のスナメリが危機に?(2007/6/12) 
「腹びれのあるイルカ」はどうなった?(2007/2/6)
ヨウスコウカワイルカは絶滅したか?(2006/12/18) 
ハンドウイルカ、バンドウイルカ、どっちが本当?(2006/6/24)
などです。

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このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2007年9月 5日 07:58に書いたブログ記事です。

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