謎の「カブラ・ライン」とは?

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 カブ(蕪)は、誰もが知っている野菜ですね。カブラとも呼ばれます。日本では、古事記や日本書紀に、「あをな」の名で登場します。それほど古くから、栽培されたのですね。春の七草の一つ、鈴菜【すずな】としても、知られます。
 世界的にも、カブは、平凡な野菜です。ハロウィーン(西洋のお祭り)のカボチャ飾りは、元は、カブ飾りでした。親しい野菜の証拠ですね。
 では、カブの原産地は、どこでしょうか? 日本ではありません。はるか、シルクロードの西方です。トルコの東部あたりで、原種が発見されています。
 今、普通に見られるカブと、原種とは、まるで似ていません。原種は、大きな根を持ちません。葉も、あんなにふさふさしていません。外見は、貧弱な菜の花といった感じです。長い年月と、多くの人々の苦労を経て、現在のカブができました。
 ただ、原種の花だけは、カブの花に似ています。カブの花を見たことがありますか? 黄色い菜の花そのものです。菜種【なたね】油を採るアブラナ(油菜)に、そっくりです。
 じつは、生物学的には、カブとアブラナは、同じ種です。カブは、アブラナの一変種とされています。つまり、カブの原種は、アブラナの原種でもあります。
 この原種からは、他にも、多くの野菜ができました。野沢菜【ノザワナ】、青梗菜【チンゲンサイ】、白菜【ハクサイ】などです。比べると、みんな違いますよね。なのに、生物学的には、全部、同じ種です。同一種のうちの変種、という扱いです。
 例えば、野沢菜は、カブにとても近縁です。日本で、カブの一品種から生まれました。根が大きくならないカブ、といえます。
 カブの中にも、多くの品種があるのですね。日本だけでも、五十品種以上あります。
 日本のカブの品種は、東西で、系統が違うといわれます。おおむね、愛知・岐阜・福井を通る線で、分かれます。この線は、カブラ・ラインと呼ばれます。
 なぜ、カブラ・ラインができたのかは、まだ、わかっていません。この謎が解けたら、シルクロードを旅してきた、カブの歴史がわかりそうですね。


 過去の記事でも、さまざまな野菜を取り上げています。カブと同種のアブラナ(菜の花)も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 キュウリは、なぜ「胡瓜」と書く?(2007/8/17)
 日本のダイコン(大根)は世界一(2007/1/15)
 ハロウィーンはカボチャ祭り?(2006/10/31)
 菜の花(ナノハナ)は何の花?(2006/4/7)
などです。



図鑑には、カブと同種であるアブラナも掲載されています。ぜひご利用下さい。

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このページは、松沢千鶴が2007年10月29日 07:02に書いたブログ記事です。

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