イグ・ノーベル賞の、バニラ【Vanilla】の研究とは?

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 ノーベル賞の受賞者が、発表される季節ですね。最近は、イグ・ノーベル賞というのも、有名になりました。これは、ノーベル賞のパロディです。「こういうことはすべきでない」と怒る方もいますね。でも、私は、ばかばかしいことも大好きです(笑)
 今年は、イグ・ノーベル化学賞を、日本人の女性が受賞しました。受賞の対象となった研究は、「牛糞からの、バニラの芳香成分バニリンvanillinの抽出」です。つまり、「ウシの糞から、バニラの香りの成分を取り出した」ということです。
 バニラといえば、アイスクリームやケーキの香りですよね。それが、なぜ、ウシの糞からできるのでしょう?
 バニラの香り成分バニリンは、もともと、バニラという植物から抽出されたものです。多くの植物には、バニリンの元になる物質が含まれます。ウシは、植物を食べますよね。ウシの体内で、バニリンが生成されます。それが、牛糞に含まれるわけです。
 植物のバニラは、ラン(蘭)の一種です。花を見ると、観賞用の洋ランと似ています。原産地は、中央アメリカといわれます。熱帯植物のため、日本での栽培は、難しいです。
 お菓子作りをやる方は、変に思うかも知れませんね。お菓子の材料を買いに行くと、バニラビーンズ(バニラ豆)という物を売っています。お菓子に、バニラの香りを付けるのに使います。「豆」というからには、マメ科の植物ではないのでしょうか?
 違います。バニラは、ラン科の植物です。とはいえ、バニラ豆は、確かに、バニラに実るものです。バニラの種子を包む莢【さや】が、バニラ豆です。単に、形が豆の莢【さや】に似ているために、バニラ豆と呼ばれます。
 日本人で、バニラの香りを知らない人はいないでしょう。なのに、バニラという植物は、ほとんど知られていません。私たちがバニラの風味を楽しめるのは、昔のアメリカ先住民のおかげです。彼らが、バニラの香りを引き出す方法を、開発しました。
 「牛糞からバニラの香り」とは、ばかばかしく見えますね。でも、この研究は、ものごとの思わぬ見方を、教えてくれたといえるでしょう。

 過去の記事でも、お菓子に使われる植物を取り上げています。また、バニラと同じラン科の植物の写真もあります。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
チョコレートの原料は古代文明の遺産、カカオ(2006/2/10)
紫蘭(シラン)(2006/5/22)
春蘭(2006/3/14)


図鑑には、残念ながら、バニラは載っていません。が、カトレヤコチョウランなど、十種のラン科植物が掲載されています。ぜひご利用下さい。

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このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2007年10月18日 10:53に書いたブログ記事です。

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