イシガメが絶滅寸前?

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 現在、日本のカメに、危機が迫っています。特に危機的と言われるのが、ニホンイシガメという種です。日本にしかいない、固有種です。池などの淡水域に棲みます。
 ニホンイシガメの危機の原因は、いくつかあります。近年、問題にされるのは、外来種のカメです。外国から来たカメに、生息地を奪われているのですね。
 今、日本の淡水域で、最も数が多いのは、おそらく、アカミミガメです。本来は、南北のアメリカ大陸に、広く分布する種です。日本には、ペットとして持ちこまれました。
 ペットショップなどで、「ミドリガメ」が売られているのを、見たことがありませんか? あの「ミドリガメ」は、アカミミガメの幼体です。「ミドリガメ」は、想像以上に大きくなります。それを持て余し、捨ててしまう人が多いのですね。不心得なことです。
 アカミミガメと、ニホンイシガメは、生息地が重なります。つまり、同じような場所に棲みます。当然、すみかの奪い合いが起こります。
 争いになれば、アカミミガメのほうが有利です。体が大きくなるからです。そのうえ、アカミミガメのほうが、産む卵の数が多いです。ニホンイシガメは、多くても、年に十二個程度しか産卵しません。対して、アカミミガメは、年に三十個以上産卵することも、珍しくないといいます。これでは、ニホンイシガメは、まったく敵いませんね。
 外来種以上に、ニホンイシガメを脅かすものがあります。環境の悪化です。農薬がまかれた水田や、コンクリートで岸が固められた川には、カメは棲めません。
 ここ数十年の間、ニホンイシガメは、環境の悪化に追い詰められていました。そこへ、強力な競合相手が現われたのです。ますます、数が減ってしまいました。
 環境の悪化も、競合相手の登場も、人間のせいですね。なのに、現在のところ、ニホンイシガメがどれくらい危機的なのかも、わかっていません。データがなければ、彼らを救う方法も、うまく考えられません。心ある研究者が、細々と研究している状態です。
 「気づいた時には手遅れ」などという事態は、いやですね。貴重な日本固有種が、絶滅するかも知れません。そうなる前に、対策が取られることを望みます。


 過去の記事でも、カメの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 カメについての質問【夏休み自由研究】(2007/8/22)
 スッポン(鼈)の故郷はどこ?(2007/2/23)
 浦島太郎が助けたのはアカウミガメ?(2006/7/28)  
 飼う前によく考えましょう、カミツキガメとワニガメ(2006/4/5) などです。
  


図鑑には、ニホンイシガメが掲載されています。ぜひご利用下さい。

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このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2007年11月19日 07:49に書いたブログ記事です。

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