ヤシ? いいえシダの木です。マルハチ

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 日本は、自然が豊かな国ですね。中でも、何ヶ所かに、特に豊かな自然があります。
 小笠原諸島が、その一つです。ここは、「東洋のガラパゴス」という別名で知られます。南米のガラパゴス諸島に匹敵するほど、珍しい生き物が多いのですね。
 例えば、マルハチは、小笠原諸島にしか自生しない樹木です。小笠原の固有種ですね。一見、南の島のヤシの木のように見えます。けれども、ヤシとは、まったく違います。
 何より違うのは、マルハチには、花が咲かないことです。マルハチは、隠花植物と呼ばれるシダ(羊歯)の仲間です。ワラビやゼンマイの親類ですね。
 「シダが樹木になるの?」と、驚かれる方もいるでしょう。マルハチのように、樹木になるシダは、何種もあります。このようなシダを、木生【もくせい】シダと呼びます。
 マルハチは、ヘゴ科ヘゴ属の木生シダです。ヘゴという名の木生シダと近縁です。ヘゴの仲間は、園芸の世界で、材木として使われますね。ヘゴ材というものです。
 マルハチのようなシダ植物は、原始的な植物です。花が進化する前の段階にいます。
 恐竜が現われるより、もっと前に、シダ植物は現われました。両生類や、原始的な爬虫類の時代です。その時代、シダの仲間は大繁栄しました。地球の多くの地域が、木生シダの大森林だった、と考えられています。
 後に、花の咲く植物が現われて、シダの仲間は数を減らしました。特に、木生シダは、打撃を受けたようです。現在、ほとんどの木生シダは、熱帯に分布します。
 マルハチは、亜熱帯の小笠原に分布します。高さ7~8mにもなります。遠い昔の、シダの巨木に似ています。生きている化石といえるかも知れません。
 小笠原諸島には、約八十種のシダ植物があります。そのうち、固有種は、約二十五種といわれます。なんと、四分の一以上が固有種です。まさに「東洋のガラパゴス」ですね。
 マルハチが、小笠原で生きてこられたのは、人手が入りにくい島だからでしょう。島の環境は、壊れやすいものです。人間が不注意に開発すれば、マルハチの生える「原始の楽園」は、なくなってしまいます。そんなふうには、したくありませんね。

 過去の記事でも、小笠原諸島の生き物を取り上げています。また、シダ植物の仲間も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 アオウミガメは、どこが青いか?(2007/5/11)  
 雌(メス)しかいないトカゲがいる?(2007/3/6) 
 ザトウクジラはホエールウォッチングの人気者(2006/3/13)
などです。


図鑑には、マルハチは掲載されています。ぜひご利用下さい。

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このページは、松沢千鶴が2007年11月 2日 07:50に書いたブログ記事です。

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