四百年、生きた貝がいる?

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 イギリスから、びっくりニュースです。なんと、四百年以上も生きた貝が、発見されたとのことです。二枚貝の仲間です。
 この貝は、北大西洋のアイスランド沖にいたところを、採集されました。残念ながら、採集直後に、死んでしまったそうです。けれども、貴重な標本が残されました。
 外見は、これといった特徴がありません。白っぽい二枚貝です。報道では、ハマグリに近縁だとされていますね。それは、間違いではありません。ハマグリと同じ、マルスダレガイ目に属します。ただし、目【もく】より下の分類は、ハマグリと違います。
 この貝は、マルスダレガイ目アイスランドガイ科に属します。この科に属する、ただ一つの種です。北大西洋に分布します。日本近海には、いません。
 ラテン語の学名では、この貝は、Arctica islandicaといいます。日本語名は、アイスランドガイとされています。ハマグリなどと同じく、海底の砂や泥に潜って、生活します。カナダやアイスランドでは、食用に漁獲されています。
 今回見つかった貝が、なぜ、四百年以上も生きているとわかったのでしょうか? その理由は、貝殻にあります。アイスランドガイは、貝殻にある筋を数えることで、年齢を知ることができます。木の年輪を数えるのと、同じ原理ですね。
 このように、動物の体の一部(主に、貝殻など硬い部分)から、年齢を決める方法があります。英語でsclerochronologyといいます。日本語では、適当な言葉がありません。
 以前から、アイスランドガイは、二百年以上も生きることが知られていました。長生きの秘密は、体のエネルギー消費を、少なくすることにあります。
 アイスランドガイは、心拍数を、通常の10分の1にまで減らせるといいます。(貝にも心臓があります)こうすることにより、体のエネルギー消費を減らします。すると、成長が遅くなります。当然、老化も遅くなります。長生きするわけですね。
 四百年以上も生きたものを、死なせてしまったのは、惜しいことです。そのかわりに、生命の神秘を解く研究が、発達するといいですね。

 現在、日本近海には、アイスランドガイの仲間はいません。しかし、大昔は、日本近海にも、近縁種がいたようです。岩手県の大船渡【おおふなと】市立博物館や、富山県の八尾【やつお】化石資料館で、アイスランドガイの近縁種「イソシプリナIsocyprina」の化石が見られます。

 過去の記事でも、多くの二枚貝を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
魚と持ちつ持たれつ? イシガイ科の二枚貝たち(2007/4/2) 
真珠貝【しんじゅがい】の秘密(2006/6/16)
潮干狩りの主役、アサリ(2006/4/27) などです。
 

図鑑には、アサリチョウセンハマグリなど、マルスダレガイ目の二枚貝が掲載されています。ぜひご利用下さい。

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このページは、松沢千鶴が2007年11月 1日 07:03に書いたブログ記事です。

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