お正月には、多くの植物が、飾りとして使われます。よく使われるものに、センリョウ(千両)やマンリョウ(万両)がありますね。おめでたい名前だからでしょう。
千両や万両があるなら、十両や百両という植物もあるでしょうか? あります。
十両は、ヤブコウジの別名です。百両は、カラタチバナの別名です。どちらも、常緑の植物です。冬に赤い果実をつけます。センリョウやマンリョウと同じですね。
ヤブコウジとカラタチバナは、センリョウやマンリョウと比べて、果実の数が少ないです。このために、「千」・「万」に対して、「十」・「百」なのでしょう。
果実の数が少ないのは、ヤブコウジとカラタチバナが、小さい植物だからです。ヤブコウジなど、高さが20cmほどにしかなりません。カラタチバナも、せいぜい50cm程度です。驚いたことに、両種とも、これでも樹木です。草ではありません。
こんなに小さくては、樹木の意味がなさそうですね。樹木は、高くなることで、大量の日光を得られます。けれども、ヤブコウジやカラタチバナは、他の樹木のはるか下です。しかも、両種とも、樹林内に生えます。どうやって、日光を得るのでしょうか?
じつは、ヤブコウジやカラタチバナは、少ない日光でも、生きられる仕組みを持ちます。
仕組みの一つは、小さいことです。小さければ、必要な栄養は、少なくて済みますね。もう一つは、葉の寿命が長いことです。一枚の葉が、何年も付いています。一度に受ける量が少ないかわり、時間を長くして、量を確保するのですね。
ヤブコウジの場合は、他の技も持ちます。「地下茎を伸ばす」技です。地下茎は、日光の当たる場所で、芽を出します。そこから、新しい木が生えます。少しずつでも、日の当たる場所へ伸びてゆけば、全体としては、より日光の多い場所へ、移動できます。
ヤブコウジと、カラタチバナ、マンリョウは、とても近縁です。同じヤブコウジ科ヤブコウジ属に属します。センリョウだけが、センリョウ科に属します。ヤブコウジ科とは、遠縁です。外見が似ているのに、一つだけ仲間外れです。
お正月には、千両万両、十両百両と、全部並んだほうが、縁起が良さそうですね。
過去の記事でも、お正月に縁のある植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
センリョウとマンリョウはどう違う?(2007/01/08)
新年の神さまはユズリハに乗ってくる?(2007/01/05)
羽根突きの羽根の原点? ツクバネ(2006/01/04)
代々の実が付くおめでたい果実、ダイダイ(2005/12/31)
などです。
図鑑には、センリョウ、マンリョウ、ヤブコウジが掲載されています。ぜひご利用下さい。
2007年12月アーカイブ
和名:キアシシギ
学名:Heteroscelus brevipes
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
沖縄 読谷村 【2007.12.15】
図鑑には、キアシシギが掲載されています。ぜひご利用下さい。
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和名:ムナグロ
学名:Pluvialis fulva
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
沖縄 読谷村 【2007.12.15】
図鑑には、ムナグロが掲載されています。ぜひご利用下さい。
トンボは、日本人に親しまれる昆虫ですね。「お正月の羽根突きは、トンボを模したもの」という説があるほどです。(羽根突きとトンボの関係(2006/01/01)
けれども、実物のトンボは、年末年始には飛んでいませんね。少なくとも、日本の内地では、そうです。寒いからですね。ほとんどのトンボは、幼虫(ヤゴ)で年を越します。
ところが、中に、成虫で年を越すトンボがいます。オツネントンボや、ホソミオツネントンボという種です。この習性から、「越年トンボ」という種名が付きました。
厳しい冬を過ごすのですから、どれほど頑丈なトンボかと思いますね。実物を見ると、驚きます。体が細いイトトンボの仲間だからです。外見は、とても弱々しいです。
ホソミオツネントンボを例にとって、彼らの暮らしを見てみましょう。
ホソミオツネントンボは、他のトンボと同じく、夏に成虫になります。秋までは、普通のトンボのように、飛びながら餌を食べて暮らします。
普通と違うのは、そこからです。ホソミオツネントンボは、木の枝などに止まって、じっと動かなくなります。そのまま、冬を越します。春になると、活動を再開します。
夏から冬のホソミオツネントンボは、地味な体色です。春には、鮮やかな色に変わります。雄(オス)は青く、雌(メス)は緑色になります。これは、互いに、異性を惹きつけるためだと考えられています。彼らにとって、春は恋の季節なのですね。
春のホソミオツネントンボは、水辺にいます。卵を水辺に産むためです。幼虫(ヤゴ)は、水中に棲みますからね。
他の季節、ホソミオツネントンボは、水辺から離れて棲みます。なぜ、ずっと水辺にいないのでしょうか? おそらく、分布を広げるためと考えられています。自分の生まれたところより、遠くへ飛んでゆきます。こうすれば、他の水辺へ行き着ける可能性が、高くなりますね。そこで繁殖すれば、分布地が新たにできたことになります。
彼らが、なぜ、成虫で年を越すのかは、わかっていません。華奢【きゃしゃ】な体で、冬に耐えているのを見ると、応援したくなりますね。
過去の記事でも、トンボの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
とんぼの眼鏡は水色めがね? シオカラトンボ(2007/05/04)
精霊【しょうりょう】トンボとはどんなトンボ?(2006/08/12)
羽根突きとトンボの関係(2006/01/01)
避暑に行く赤トンボ(2005/09/01)
などです。
図鑑には、ホソミオツネントンボが掲載されています。ぜひご利用下さい。
和名:チュウシャクシギ
学名:Numenius phaeopus
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沖縄 読谷村 【2007.12.15】
図鑑には、チュウシャクシギが掲載されています。ぜひご利用下さい。
嘴が折れてしまっています。何があったのでしょうか?よく大きくなりましたね。
和名:ハシブトガラス
学名:Corvus macrorhynchos
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東京 渋谷区 【2007.12.24】
図鑑には、ハシブトガラスが掲載されています。ぜひご利用下さい。
和名:イソヒヨドリ
学名:Monticola solitarius
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沖縄 読谷村 【2007.12.15】
図鑑には、イソヒヨドリが掲載されています。ぜひご利用下さい。
そろそろ、来年の話をしても、鬼が笑わないでしょう。そこで、二〇〇八年の「国際サンゴ礁年」の話をしますね。
国際サンゴ礁年とは、世界各国で、サンゴ礁の理解を深めようという運動です。サンゴ礁なんて、私たちの生活に関係なさそうですね。ところが、大いに関係があります。
例えば、サンゴ礁は、多くの生き物のすみかになっています。サンゴ礁がなくなれば、膨大な数の生き物が、滅びるでしょう。海の恵みがなくなったら、世界で、何億人もの人が、飢えてしまいます。日本人も、例外ではないはずです。
こんなに大切なのに、サンゴ礁のことは、あまり知られていません。国際サンゴ礁年にちなんで、サンゴ礁と、それを作るサンゴの紹介をしましょう。
サンゴ礁は、いろいろな形をしています。木の枝みたいな形、テーブルみたいな形、屏風【びょうぶ】やカーテンみたいな形、ごろんと丸い形、などです。色も、緑やら、褐色やら、ピンクやら、さまざまです。形や色が違うと、サンゴの種が違うのでしょうか?
じつは、サンゴ礁の形や色からは、サンゴの種は、決められません。同じ種のサンゴでも、外見がまったく違うことが、珍しくありません。逆に、違う種なのに、そっくりなこともあります。サンゴの分類は、専門家でも間違いやすいほど、難しいです。
サンゴ礁を作るサンゴには、ミドリイシと呼ばれるサンゴのグループが、多いです。ミドリイシの仲間は、特に、種の区別が困難です。互いに似ているからです。他に、ハナヤサイサンゴ、アオサンゴ、ハマサンゴなど、多くの種が、サンゴ礁を作ります。
すべてのサンゴが、サンゴ礁を作るわけではありません。サンゴ礁を作らない種もいます。また、すべてのサンゴが、熱帯の浅い海にいるわけでもありません。温帯の海や、深海に棲むサンゴもいます。サンゴは、たいへん種が多いのです。生態も多様です。
サンゴ礁のサンゴは、太陽光を、たっぷり必要とします。このため、サンゴ礁は、光が当たりやすい形に成長します。同じ種のサンゴでも、場所により、違う形になるのは、これが理由です。サンゴ礁は、その場に合わせて、ふさわしい形になるのですね。
過去の記事でも、サンゴや、サンゴ礁に棲む生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
宝石の珊瑚【さんご】はサンゴ礁のサンゴか?(2007/3/5)
サンゴ礁の海を守るナマコ(2006/7/22)
サンゴ礁と台風の関係(2005/9/2)
などです。
図鑑には、アオサンゴ、ハナヤサイサンゴ、ミドリイシなどのサンゴが掲載されています。ぜひご利用下さい。
和名:ハクセキレイ
学名:Motacilla alba
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ちょっと、普通に見られるハクセキレイと違うように見えます。額と頬が黄色っぽく見えます。光のかげんでしょうか?同定が違ってましたらすみません。わかる方は教えて下さいね。
沖縄 金武 【2007.12.15】
図鑑には、ハクセキレイが掲載されています。ぜひご利用下さい。
和名:コチドリ
学名:Charadrius dubius
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沖縄 金武 【2007.12.15】
図鑑には、コチドリが掲載されています。ぜひご利用下さい。
来年(二〇〇八年)は、子年【ねどし】ですね。年賀状のために、かわいいネズミの写真や絵を探している方も、いるでしょう。そこで、ひとつ御チューいを(笑)
ネズミにそっくりでも、ネズミでない生き物がいます。「○○ネズミ」と付いても、ネズミとは限りません。例えば、トガリネズミやハリネズミは、ネズミの仲間ではありません。
ハツカネズミやクマネズミなどは、本物のネズミです。本物のネズミは、齧歯目【げっしもく】というグループに属します。けれども、トガリネズミは、トガリネズミ目に属します。ハリネズミは、ハリネズミ目に属します。
以前、トガリネズミとハリネズミは、同じ仲間だと考えられていました。両者は、食虫目【しょくちゅうもく】というグループに入れられていました。この分類が見直されたのは、最近です。食虫目は、トガリネズミ目など、三つの目【もく】に解体されました。
日本には、トガリネズミ目に属する種が、たくさんいます。でも、あまり知られていません。中で、最も有名なのは、おそらくモグラでしょう。
日本のモグラ類は、すべて、トガリネズミ目に属します。モグラ以外では、トガリネズミ、カワネズミ、ジネズミ、ジャコウネズミなどが、日本のトガリネズミ目です。
ハリネズミ目の動物は、もともと日本にはいませんでした。しかし、近年、日本でも目撃されています。ペットが逃げ出したか、捨てられたと考えられます。
トガリネズミ目やハリネズミ目の「○○ネズミ」たちは、本物のネズミより、顔が細く尖って見えます。そうなっているのには、理由があります。彼らは、歯の構造が、齧歯目と違うのです。それが、顔の形に反映しています。
齧歯目のネズミに、大きな前歯(門歯)があるのは、有名ですね。植物質の硬いものをかじるためです。トガリネズミ目やハリネズミ目には、あのような歯がありません。硬いものをかじる必要が、ないからです。彼らは、昆虫やミミズなどが主食です。
トガリネズミやハリネズミのように、近年、分類が見直された生き物は、少なくありません。生物学が進歩している証拠です。本当の学問は、常に変わってゆくものです。
過去の記事でも、トガリネズミ目(食虫目【しょくちゅうもく】)の種を取り上げています。また、齧歯目【げっしもく】の本物のネズミも取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
天井裏で騒ぐのは、何というネズミ?(2007/11/23)
人類に貢献するハツカネズミ(2007/9/14)
日本はモグラの標本国?(2007/1/26)
新種発見! トゲネズミ(2006/7/10)
などです。
図鑑には、オオアシトガリネズミ、カワネズミ、ジネズミ、ジャコウネズミなど、十種のトガリネズミ目(食虫目【しょくちゅうもく】)が掲載されています。齧歯目【げっしもく】のネズミも、十種以上載っています。ぜひご利用下さい。
新宿御苑の紅葉 空 画像
和名:イチョウ
学名:Ginkgo biloba L.
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東京 新宿区 【2007.12.04】
図鑑には、イチョウが掲載されています。ぜひご利用下さい。
東南アジアから、新種発見のニュースです。インドネシアのパプア州で、新たに、フクロヤマネの仲間と、ネズミの仲間が、発見されました。二〇〇七年の自然調査の結果です。
フクロヤマネとは、「フクロ」の名が付くとおり、有袋類【ゆうたいるい】の一種です。カンガルーやコアラと、同じグループですね。カンガルー目クスクス亜目ブーラミス科に属します。ラテン語の学名は、Cercartetus nanusです。
今回、発見された新種も、フクロヤマネと同じCercartetus属だと考えられています。正式な名は、まだ付いていません。樹上で、リスに似た生活をしているようです。
もう一つの新種は、ネズミと同じ齧歯目【げっしもく】に属します。日本のハツカネズミなどと同じく、齧歯目の中の、ネズミ科ネズミ亜科に属します。ただし、ハツカネズミより、ずっと大きいです。なんと、体重1.4kgもあるそうです。
ネズミの新種にも、まだ、正式な名は付いていません。Mallomys属の一種だと考えられています。Mallomys属のネズミは、今のところ、インドネシアとパプア・ニューギニアでしか見つかっていません。とても珍しいネズミの仲間です。
前記の二種が発見されたのは、パプア州のフォジャ山脈です。ここでは、二〇〇五年にも、自然調査が行なわれました。その時も、数多い新種が発見されました。鳥類、両生類、昆虫類、植物など、数十種もの新種です。
じつは、生物の新種は、毎年、たくさん発見されています。けれども、そのほとんどが、昆虫などの小さな生き物です。哺乳類の新種は、非常に珍しいです。大型のネズミさえ、見つからずにいたことを考えると、フォジャ山脈に、いかに人手が入っていないかわかりますね。世界有数の、自然の宝庫です。
最近では、アフリカのガーナからも、「新種がまとめて発見された」報告がありました。中には、恐竜時代に起源がある、貴重な種も含まれます。
このような地域は、世界には、ほとんど残っていません。わずかに残った自然の宝庫は、ぜひ、後世に引き継ぎたいですね。
過去の記事でも、さまざまな新種発見のニュースを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ベトナムで、新種の発見ラッシュ(2007/09/27)
ボルネオ(カリマンタン)島で、新種の豹(ヒョウ)を発見(2007/03/17)
新種発見! トゲネズミ(2006/07/10)
楽園の鳥の楽園? インドネシアのパプア州とパプア・ニューギニア(2006/02/09)
などです。
図鑑には、今回の新種と同じ日本で見られる齧歯目【げっしもく】ネズミ科のネズミが、十種以上が掲載されています。ずかんどっとねっと-zukan mobileを、ぜひご利用下さい。
御苑のジジ 画像
和名:ノネコ
学名:Felis catus
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東京 新宿区 【2007.12.04】
過去の御苑の福猫たち
御苑の福猫(2007/12/12)
御苑の福猫(2007/10/31)
御苑の福猫(2007/10/16)
御苑のジジ(2007/10/08)
御苑のジジ(2007/03/04)
新宿御苑のお出迎え役(2007/02/18)
などです。
植物には、常緑のものと、落葉するものとがありますね。今の季節、落葉するものは、ほとんど葉を落としています。裸の樹木が並ぶのは、冬らしい光景ですね。
ところが、中に、中途半端な落葉をするものがあります。例えば、スイカズラです。
植物図鑑でスイカズラを引いてみますと、「半常緑性」や「半落葉性」となっています。これは、「一部の葉が落葉する」という意味です。
落ちる葉と、残る葉と、どちらが多いかは、一概に言えません。同じ種でも、環境の条件により、違うからです。同じ個体であっても、条件が変われば、葉の落ち方が変わります。ほとんど葉が落ちず、常緑樹に見えることもあれば、ほぼすべての葉が落ちて、普通の落葉樹に見えることもあります。スイカズラは、つる性の樹木です。
なぜ、スイカズラは、このような落葉の仕方をするのでしょう? 理由は、まだわかっていません。もしかしたら、スイカズラは、環境への適応力が、強いのかも知れません。
例えば、南西諸島のように温暖な地域なら、冬でも葉を付けていたほうが、有利でしょう。太陽の光をいっぱい受けられるため、たくさんの栄養分を作れるからです。
けれども、日本の多くの地域では、冬、太陽の光量がぐんと減ります。光合成で葉が作れる栄養より、葉を維持する栄養のほうが、多くなってしまいます。こんな状況では、葉を落としたほうが、有利ですね。
臨機応変に、落葉の仕方を変えることで、スイカズラは、さまざまな気候に適応できるのかも知れません。日本のみならず、東アジアに、広く分布しています。
冬に残ったスイカズラの葉を、観察してみましょう。夏と様子が違います。葉は、くるくると内側に丸まっています。冬の寒さを忍んでいるようです。この様子から、「忍冬」という漢字名が付きました。葉が丸まる理由は、わかっていません。
忍冬という漢字から、忍冬紋【にんどうもん】を思い浮かべる方もいるでしょう。唐草紋ともいわれる紋様の一種です。名に反して、この紋様は、スイカズラを図案化したものではありません。ユーラシア大陸で、他の植物を図案化したものが、日本に入りました。
過去の記事でも、植物の落葉について取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
新年の神さまはユズリハに乗ってくる?(2007/1/5)
ツタ(蔦)は落葉する?しない?(2006/12/1)
などです。
図鑑には、スイカズラが掲載されています。ぜひご利用下さい。
新宿御苑の紅葉 画像
プラタナス
和名:スズカケノキ【別名:プラタナス】
学名:Platanus orientalis L.
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東京 新宿区 【2007.12.04】
図鑑には、スズカケノキ(プラタナス)が掲載されています。ぜひご利用下さい。
新宿御苑の紅葉 画像
モミジ
和名:イロハモミジ
学名:Acer palmatum Thunb. ex Murray
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東京 新宿区 【2007.12.04】
図鑑には、イロハモミジが掲載されています。ぜひご利用下さい。
多くの昆虫は、冬に姿を消しますね。彼らは、どこで、どうしているのでしょう?
冬を越す時には、卵や蛹【さなぎ】になる昆虫が多いです。卵や蛹は動かないため、見つけにくいですね。冬に、昆虫を見ることが少ない理由の一つです。
けれども、冬の間も、幼虫や成虫で過ごす昆虫がいます。動くもののはずなのに、姿は、ほとんど見られません。巧妙に、姿を隠しているからです。
例えば、シャクガの仲間を見てみましょう。シャクガとは、シャクガ科に属するガ(蛾)の仲間です。何種かのシャクガは、幼虫で越冬します。幼虫は、いわゆるシャクトリムシ(尺取虫)です。成虫は、シャクトリムシの親なので、シャクガ(尺蛾)と呼ばれます。
シャクトリムシと聞いて、ぴんと来た方もいるでしょう。彼らのうちの何種かは、植物の枝や茎にそっくりです。動かなければ、植物の一部にしか見えないものが、少なくありません。擬態【ぎたい】ですね。これで、敵の目をあざむきます。
地方によっては、シャクトリムシを、土瓶割【どびんわり】と呼びます。「昔、シャクトリムシを枝と見間違えて、土瓶をかけた人がいた。当然、土瓶はかからず、落ちて割れてしまった」という伝承によります。それほど似ている、というわけです。実際に、クワエダシャクなどの幼虫は、直接、指し示されても、枝と区別が付かないほどです。
冬、葉の落ちきった森でも、枝にそっくりならば、目に付きませんね。動かないなら、食べる必要もありません。シャクトリムシたちは、そうやって、春を待ち続けます。
何種かのシャクトリムシは、更にうわての技を持ちます。冬と春とで、色を変えるのです。冬の間は、枯れ枝に似た茶色です。春になると、緑色になります。若芽や若葉に紛れるように、でしょう。オオアヤシャクなどが、この手を使います。
すべてのシャクガの幼虫が、植物そっくりなのではありません。また、すべてのシャクガが、幼虫で越冬するわけでもありません。しかし、一部に、忍者顔負けの種がいることは、確かです。冬、飢えた敵に食べられないように、彼らも必死なのでしょう。
冬の公園で、植物に「化けた」シャクトリムシを探すのは、楽しい遊びかも知れません。
過去の記事でも、昆虫のガ(蛾)の仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
虚々実々の駆け引き、ガ(蛾)対コウモリ(2007/7/13)
木に付いた卵の正体は?(2007/3/7)
ミノムシは鳴く?(2006/11/15)
オオスカシバ(2007/0804)
ハチに擬態?(2006/08/02)
などです。
図鑑には、シャクガ科に属するオオアヤシャク、カギバアオシャクが掲載されています。ぜひご利用下さい。
スイセン 花 画像
和名:スイセン
学名:Narcissus tazetta L.
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
東京 新宿区 【2007.12.04】
図鑑には、スイセンが掲載されています。ぜひご利用下さい。
現在、インドネシアのバリ島で、国連の気候変動枠組み条約の会議(COP13)が開かれていますね。もちろん、日本も参加しています。先進国の一員として、大量の二酸化炭素を排出していますから、それなりの責任があります。
この会議で、深刻な報告がされました。南極で、気候変動が急速に進んでいるというのです。このために、南極の生き物が、絶滅の危機にさらされています。
南極の生き物としては、ペンギンが有名ですね。どんなペンギンが、どのような危機に陥っているのでしょうか?
じつは、南極に分布するペンギンの種は、あまり多くありません。
ペンギンは、全部で十六種ほどいます。そのうち、明確な南極圏で繁殖するのは、五種だけです。コウテイペンギン、アデリーペンギン、ジェンツーペンギン、ヒゲペンギン、マカロニペンギンです。南極生まれの種は、三分の一もいないことになりますね。
COP13での報告では、前記の種のうち、マカロニペンギンを除く四種が、特に危機だとされています。これらの種は、南極圏で繁殖する率が、高いからです。
気候変動のため、南極では、海の生物相が変わっています。これまでペンギンたちが食べていたものが、いなくなりつつあります。これは、成体のペンギンより、雛【ひな】にひどい影響を及ぼします。食べ物が足りないため、死ぬ雛が増えています。雛が育たなければ、遠からず、ペンギンは、絶滅してしまうでしょう。
中でも、コウテイペンギンとアデリーペンギンは、南極の気候変動の影響を、強く受けるはずです。この二種は、主な繁殖地が、南極大陸にあるからです。南極が温暖化してしまったら、彼らの繁殖地の環境は、すべて激変するでしょう。
すでに、コウテイペンギンの繁殖地などで、異変が起きています。温暖化のために、海氷が早く溶けてしまうのです。育つ前の雛や卵が、海に流されています。
地球の気候が急激に変動すれば、ヒトも暮らせなくなります。気候変動の恐ろしさを、ペンギンたちが、身をもって教えてくれている、と言えますね。
過去の記事でも、ペンギンなどの南極の生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
世界最大のイカは、ダイオウイカではない?(2007/02/23)
北半球で一番ペンギンが(2006/11/30)
南極にペンギンがいて、北極にいないのはどうしてですか?(2006/06/22)
北極にはホッキョクグマが...(2006/05/09)
御苑の福猫 画像
和名:ノネコ
学名:Felis catus
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東京 新宿区 【2007.12.04】
過去の御苑の福猫たち
御苑の福猫(2007/10/31)
御苑の福猫(2007/10/16)
御苑のジジ(2007/10/08)
御苑のジジ(2007/03/04)
新宿御苑のお出迎え役(2007/02/18)
新宿御苑の福猫たち(2007/02/09)
などです。
新宿御苑の紅葉 画像
モミジ
和名:イロハモミジ
学名:Acer palmatum Thunb. ex Murray
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東京 新宿区 【2007.12.04】
図鑑には、イロハモミジが掲載されています。ぜひご利用下さい。
クリスマスが近づくと、街中がきらびやかですね。イルミネーションで飾るところが、多くなりました。これらの明かりは、電気の賜物ですね。
生き物の中には、電気など使わずに、光るものがたくさんいます。今回は、そんな生き物の一つを紹介しましょう。ヒカリボヤです。海の生き物です。
ヒカリボヤは、ホヤ(海鞘)やサルパに近縁です。ホヤとサルパは、以前、ここのブログで紹介しましたね。脊索動物【せきさくどうぶつ】というグループの生き物です。
ヒカリボヤは、脊索動物の中の、尾索動物亜門【びさくどうぶつあもん】タリア綱【こう】に属します。ホヤよりも、サルパのほうに、より近縁です。
ヒカリボヤの形は、筒型です。海中では、透明な筒が泳いでいるように見えます。
大きさは、ヒカリボヤの種によって違います。条件が良いと、非常に大きくなる種もあります。ナガヒカリボヤなどは、筒の長さが、十mを越えることもあるそうです。
海で、そんなものに遭ったら、びっくりですよね。伝説にいう海の怪物(シーサーペントなど)の一部は、ヒカリボヤを見間違えたのではないか、といわれます。
ヒカリボヤは、一個体で、こんなに大きくなるのではありません。たくさんの小さな個体が集まって、筒型になります。このような生き物を、群体生物といいます。
ヒカリボヤの、本当の一個体の大きさは、ミリ単位です。個体一つ一つが、水を出し入れする穴を持ちます。筒の外側に入水孔、内側に出水孔です。外側から海水を入れて、筒の中の穴に出すのですね。この海水の流れによって、ヒカリボヤは泳ぎます。
名のとおり、ヒカリボヤは光ります。イルミネーションのように、体の一部から別の部分へと、光が移ってゆきます。この光は、彼ら自身が出すのではありません。体内に棲む細菌が、光ります。なぜ、そんな細菌と、ヒカリボヤが共生しているのかは、不明です。
ヒカリボヤの仲間は、わからないことだらけです。研究が進んでいないからです。この美しさの謎が、解かれる日が待ち遠しいですね。
過去の記事でも、ヒカリボヤと同じ脊索動物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ホヤは脊索【せきさく】動物? 原索【げんさく】動物?(2007/8/28)
サルパとは、どんな生き物?(2007/5/31)
原始的に見えても魚に近い? ホヤ(海鞘)(2006/8/28)
などです。
図鑑には、ヒカリボヤの一種も掲載されています。ぜひご利用下さい。
コサギ 捕食画像
和名:コサギ
学名:Egretta garzetta
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東京 新宿区 【2007.12.04】
図鑑には、コサギが掲載されています。ぜひご利用下さい。
新宿御苑の紅葉 画像
モミジ
和名:イロハモミジ
学名:Acer palmatum Thunb. ex Murray
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
東京 新宿区 【2007.12.04】
図鑑には、イロハモミジが掲載されています。ぜひご利用下さい。
各地で、冬鳥の便りが聞かれますね。冬鳥とは、夏に日本におらず、冬を日本で過ごす渡り鳥のことです。冬鳥としては、ハクチョウやカモの仲間が有名です。
カモの仲間は、一般の人にも、馴染み深いですね。住宅地の水場にも、飛来することが多いからです。マガモ、コガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、キンクロハジロなどが、よく見られます。彼らは、比較的、ヒトを恐れません。
パンくずなどを投げると、彼らは、喜んで寄ってきます。そういう様子は、かわいいですね。つい、たくさんの餌をやりたくなります。
ところが、これが問題になっています。ヒトから餌をもらい過ぎて、肥満になってしまうカモがいるのです。決して、見過ごせる問題ではありません。
太り過ぎれば、動きがにぶくなります。ネコなどの敵に、襲われる率が高くなります。無残なカモの遺骸が見つかることが、珍しくありません。冬の間、毎日、そんな遺骸が見つかる場所もあるそうです。東京・上野の不忍池【しのばずのいけ】などが、そうです。
もっと深刻な問題もあります。太り過ぎたカモが、飛びにくくなることです。春、生まれ故郷へ、飛んでいけなくなるかも知れません。そうなったら、自然のサイクルを乱すことになります。カモだけではなく、他の生き物にも、影響があるでしょう。
生き物をかわいがるのは、良いことです。けれども、やり方を間違えたら、虐待になってしまいます。「餌をやり過ぎて肥満にする」のは、明らかに、虐待の部類です。
野生の生き物には、基本的に、餌をやるべきではありません。ただ、杓子定規に考えるのも、良くないと思います。野生の生き物と触れ合うことは、人間に、良い影響をもたらすからです。生命や、私たちの住む環境について、考える機会が得られます。
要するに、「やり過ぎることは悪い」ということでしょう。野生生活に支障をきたさない程度なら、餌をやることを大目に見る社会であって欲しいです。
しかし、都会の池などでは、カモに餌をやる人が、あまりに多いのでしょう。人口の多い地域では、カモへの餌やり禁止にしたほうが、カモのためになりそうです。
過去の記事でも、カモの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
カモ、カモ、カモ......(2006/12/13)
カモは水に潜るか?(2006/11/27)
鴛鴦(オシドリ)は本当におしどり夫婦か?(2006/03/06)
などです。
図鑑には、カモ科の鳥が二十種ほど掲載されています。ずかんどっとねっと-zukan mobileを、ぜひご利用下さい。
十二月の街中は、賑やかですね。人の動きもあわただしく見えます。対して、野山は静かですね。生き物たちは、みな冬眠しているように感じられます。
ところが、この時期に、活発になる生き物もいます。繁殖期を迎えるものたちです。例えば、サンショウウオの一部は、冬に繁殖します。
これを読んで、不思議に思う方がいるでしょう。「サンショウウオは両生類だから、冬は活動しないんじゃないの?」と。そのとおりです。普通のサンショウウオは、冬眠します。けれども、中に、冬に繁殖する種もいるのですね。
日本のサンショウウオでは、アベサンショウウオ、オオイタサンショウウオの一部、カスミサンショウウオの一部、トウキョウサンショウウオの一部などが、十二月に繁殖します。「一部」と書いたのは、同じ種でも、繁殖期がずれることがあるからです。十二月でなくても、一月や二月に繁殖するものもいます。
両生類は、暑さ寒さに弱いです。暑すぎても、寒すぎても、活動できなくなります。なのに、なぜ、冬に繁殖するものがいるのでしょう? 理由は、わかっていません。
冬に繁殖するサンショウウオには、暖かい地方のものが多いです。また、同じ種同士でも、より温暖な地方にいるものが、より早い時期に繁殖します。例えば、カスミサンショウウオでは、温暖な和歌山県南部にいるものが、十二月のうちに繁殖します。気候によって、繁殖期が左右されることは、間違いありません。
日本のサンショウウオは、繁殖期以外には、見つけにくいです。どの種も、普段は、落ち葉の下などで、ひっそり暮らすからです。気づかれないまま、人家近くにいることも多いです。カスミサンショウウオやトウキョウサンショウウオのように、水田に棲んだり、産卵したりする種もいます。このような種は、特に、人の影響を受けやすいです。
トウキョウサンショウウオなどは、都会近くに棲むことが、不運でした。人間によって、すみかがどんどん開発されてしまいました。彼らのような、弱いものが生きられる環境を、都会近くでも残したいですね。ヒトにとっても良いことだと思います。
過去の記事でも、サンショウウオの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
大山椒魚(オオサンショウウオ)は冬眠しない?(2007/02/05)
ウーパールーパー? いえメキシコサンショウウオです(2006/02/06)
氷河期の生き残りキタサンショウウオ(2005/11/07)
陸に棲むのに肺がないハコネサンショウウオ(2005/10/10)
などです。
図鑑には、オオイタサンショウウオ、トウキョウサンショウウオなど、十種のサンショウウオも掲載されています。ぜひご利用下さい。
銀杏並木 黄葉 画像
午後に撮影したものです。絵画館前に出店、青山通りには屋台が出ていました。
和名:イチョウ
学名:Ginkgo biloba L.
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
東京 港区 【2007.12.04】
去年の今頃のイチョウ並木は以下の通りです。
銀杏並木(2006/12/06)
図鑑には、イチョウが掲載されています。ぜひご利用下さい。
銀杏並木 黄葉 画像
今年も、イチョウ並木の黄葉は美しいです。去年よりもたくさんの人が黄葉狩りに来ていました。
こちらは、今朝撮影したものです。
和名:イチョウ
学名:Ginkgo biloba L.
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
東京 港区 【2007.12.04】
去年の今頃のイチョウ並木は以下の通りです。
銀杏並木(2006/12/06)
図鑑には、イチョウが掲載されています。ぜひご利用下さい。
今年の一月に、ツボカビ症のニュースが流れたのを、覚えておいででしょうか? カエルなどの両生類に、致命的な病気です。感染症ですが、ヒトには感染しません。
ツボカビ症は、世界の各地で、深刻な影響をもたらしています。「両生類が、一つの地域から、まるごと消えてしまった」などと報告されました。そんな恐ろしい病気が、日本に上陸したというニュースでしたね。その後、どうなったのでしょうか?
ツボカビ症の原因は、ツボカビという病原体です。残念なことに、ツボカビは、日本でも広がっています。各地で、ツボカビに感染した両生類が、発見されています。
二〇〇七年一月の段階では、感染が確認されたのは、飼育個体だけでした。この年の三月には、ペットショップで販売されているカエルで、ツボカビが確認されました。六月には、日本で飼育・販売されているカエルに、広くツボカビが感染しているとわかってきました。目に見えて病気でなくても、感染している個体がいます。
同じ六月、日本の野生のウシガエルから、ツボカビが検出されています。神奈川県の個体です。十月には、野生のアフリカツメガエルから、ツボカビが検出されました。これは、和歌山県でのことです。すでに、日本の自然の中にも、ツボカビがいるのですね。
ウシガエルと、アフリカツメガエルは、外来種です。人間が、日本に持ち込みました。彼らは、ツボカビに感染しても、症状が出にくいです。元気なまま、ツボカビをまきちらしてしまいます。そんな彼らを野生化させたのは、人間の責任です。
十一月には、日本の野生のイモリに、ツボカビ感染の疑いが出ました。イモリは、カエルと同じ両生類です。感染が疑われているのは、シリケンイモリという種です。
シリケンイモリは、世界のうち、日本の南西諸島にしか分布しません。貴重な種です。もし、ツボカビ症のために、シリケンイモリが絶滅してしまったら、日本と世界の損失です。そんなことには、したくありませんね。
ツボカビの感染は、人間の活動によって広まりました。人間がやったことなら、人間が責任を取るべきですね。まずは、やたらに生き物を移動させることをやめましょう。
過去の記事でも、両生類のツボカビ症について取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
世界のカエルが絶滅する? ツボカビ症を防ぐには(2007/1/14)
<カエル・ツボカビ症>国内で初確認 両生類絶滅の危険性も(2007/1/12)
図鑑には、ニホンアマガエルやトウキョウサンショウウオなど日本で見られる両生類が、二十数種掲載されています。ぜひご利用下さい。
早くも、街に、クリスマスソングが流れていますね。花屋さんの店先も、華やかさで一杯です。今の日本では、次々に、新しい園芸植物が紹介されますね。
最近、目に付くのは、「クリスマスローズ」という植物です。もともと、ヨーロッパで、園芸用に珍重されました。花の少ないクリスマスの頃に、花が咲くからです。日本では、めったに見られない園芸植物でした。それが、ここ数年で、急激に普及しました。
ローズと言っても、バラ科の植物ではありません。キンポウゲ科に属します。ややこしいことに、「クリスマスローズ」と呼ばれるものには、複数の種が含まれます。
本来、クリスマスローズと呼ばれたのは、ラテン語の学名を、Helleborus niger【ヘレボルス・ニゲル】という種でした。この種は、確かに、クリスマスの頃に花が咲きます。
日本に移入された「クリスマスローズ」には、ニゲル以外の種が多いです。Helleborus orientalis【ヘレボルス・オリエンタリス】という種が、多くを占めました。同じヘレボルス属ですが、ニゲルとは、別種です。英語では、レンテンローズLenten roseと呼ばれます。
レンテンローズは、クリスマスの頃には咲きません。二月から三月頃に咲きます。ちょうど、その頃が、英語でLentというお祭りの季節です。
レンテンローズ(H.オリエンタリス)は、本来のクリスマスローズ(H.ニゲル)と似ています。このため、日本では、両種が混同されました。園芸店で「クリスマスローズ」と言われて買ったのに、クリスマスに花が咲かないことがあるわけです。
さらに、ややこしいことがあります。ヘレボルス属には、他にもたくさんの種があります。それらの種を、ニゲルやオリエンタリスと交配して、新しい品種が、どんどん作られています。今や、純粋なニゲルやオリエンタリスは、とても少ないです。
売られる「クリスマスローズ」の大部分は、このように作られた園芸品種です。ですから、花期も、花の色も、形も、多様です。そのこと自体は、悪くありません。
けれども、買うほうは、迷いますよね。「クリスマスローズ」を買う時には、花期や花色や世話の仕方などを、しっかりと聴いてからにしましょう。
過去の記事でも、クリスマスにちなんだ植物を紹介しています。園芸品種の「クリスマスローズ」の写真もあります。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ポインセチアはクリスマスの花?(2006/12/14)
コデマリとクリスマスローズ(2006/5/17)
西洋ヒイラギはクリスマスに、ヒイラギは節分に(2005/12/23)
クリスマスの飾りは豊饒【ほうじょう】のしるし、ヤドリギ(2005/12/12)
クリスマスツリーはモミではない?(2005/11/28)
図鑑には、クリスマスローズが掲載されています。ぜひご利用下さい。
バニラ
沖縄県 南城市 【2007.11.25】
和名:バニラ
学名:Vanilla planifolia
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
過去の記事で、バニラの記事があります。よろしければ、御覧下さい。
イグ・ノーベル賞の、バニラ【Vanilla】の研究とは?(2007/10/17)
図鑑には、残念ながら、バニラは載っていません。が、カトレヤ、コチョウランなど、十種のラン科植物が掲載されています。ぜひご利用下さい。
赤坂ケヤキ他紅葉 画像
和名:ケヤキ
学名:Zelkova serrata (Thunb.) Makino
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
東京 港区 【2007.11.30】
図鑑には、ケヤキが掲載されています。ぜひご利用下さい。