越年【おつねん】トンボは、本当に年を越す?

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 トンボは、日本人に親しまれる昆虫ですね。「お正月の羽根突きは、トンボを模したもの」という説があるほどです。(羽根突きとトンボの関係(2006/01/01)
 けれども、実物のトンボは、年末年始には飛んでいませんね。少なくとも、日本の内地では、そうです。寒いからですね。ほとんどのトンボは、幼虫(ヤゴ)で年を越します。
 ところが、中に、成虫で年を越すトンボがいます。オツネントンボや、ホソミオツネントンボという種です。この習性から、「越年トンボ」という種名が付きました。
 厳しい冬を過ごすのですから、どれほど頑丈なトンボかと思いますね。実物を見ると、驚きます。体が細いイトトンボの仲間だからです。外見は、とても弱々しいです。
 ホソミオツネントンボを例にとって、彼らの暮らしを見てみましょう。
 ホソミオツネントンボは、他のトンボと同じく、夏に成虫になります。秋までは、普通のトンボのように、飛びながら餌を食べて暮らします。
 普通と違うのは、そこからです。ホソミオツネントンボは、木の枝などに止まって、じっと動かなくなります。そのまま、冬を越します。春になると、活動を再開します。
 夏から冬のホソミオツネントンボは、地味な体色です。春には、鮮やかな色に変わります。雄(オス)は青く、雌(メス)は緑色になります。これは、互いに、異性を惹きつけるためだと考えられています。彼らにとって、春は恋の季節なのですね。
 春のホソミオツネントンボは、水辺にいます。卵を水辺に産むためです。幼虫(ヤゴ)は、水中に棲みますからね。
 他の季節、ホソミオツネントンボは、水辺から離れて棲みます。なぜ、ずっと水辺にいないのでしょうか? おそらく、分布を広げるためと考えられています。自分の生まれたところより、遠くへ飛んでゆきます。こうすれば、他の水辺へ行き着ける可能性が、高くなりますね。そこで繁殖すれば、分布地が新たにできたことになります。
 彼らが、なぜ、成虫で年を越すのかは、わかっていません。華奢【きゃしゃ】な体で、冬に耐えているのを見ると、応援したくなりますね。


 過去の記事でも、トンボの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 とんぼの眼鏡は水色めがね? シオカラトンボ(2007/05/04)
 精霊【しょうりょう】トンボとはどんなトンボ?(2006/08/12)
 羽根突きとトンボの関係(2006/01/01)
 避暑に行く赤トンボ(2005/09/01)
などです。



図鑑には、ホソミオツネントンボが掲載されています。ぜひご利用下さい。

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このページは、松沢千鶴が2007年12月28日 07:52に書いたブログ記事です。

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