東南アジアから、新種発見のニュースです。インドネシアのパプア州で、新たに、フクロヤマネの仲間と、ネズミの仲間が、発見されました。二〇〇七年の自然調査の結果です。
フクロヤマネとは、「フクロ」の名が付くとおり、有袋類【ゆうたいるい】の一種です。カンガルーやコアラと、同じグループですね。カンガルー目クスクス亜目ブーラミス科に属します。ラテン語の学名は、Cercartetus nanusです。
今回、発見された新種も、フクロヤマネと同じCercartetus属だと考えられています。正式な名は、まだ付いていません。樹上で、リスに似た生活をしているようです。
もう一つの新種は、ネズミと同じ齧歯目【げっしもく】に属します。日本のハツカネズミなどと同じく、齧歯目の中の、ネズミ科ネズミ亜科に属します。ただし、ハツカネズミより、ずっと大きいです。なんと、体重1.4kgもあるそうです。
ネズミの新種にも、まだ、正式な名は付いていません。Mallomys属の一種だと考えられています。Mallomys属のネズミは、今のところ、インドネシアとパプア・ニューギニアでしか見つかっていません。とても珍しいネズミの仲間です。
前記の二種が発見されたのは、パプア州のフォジャ山脈です。ここでは、二〇〇五年にも、自然調査が行なわれました。その時も、数多い新種が発見されました。鳥類、両生類、昆虫類、植物など、数十種もの新種です。
じつは、生物の新種は、毎年、たくさん発見されています。けれども、そのほとんどが、昆虫などの小さな生き物です。哺乳類の新種は、非常に珍しいです。大型のネズミさえ、見つからずにいたことを考えると、フォジャ山脈に、いかに人手が入っていないかわかりますね。世界有数の、自然の宝庫です。
最近では、アフリカのガーナからも、「新種がまとめて発見された」報告がありました。中には、恐竜時代に起源がある、貴重な種も含まれます。
このような地域は、世界には、ほとんど残っていません。わずかに残った自然の宝庫は、ぜひ、後世に引き継ぎたいですね。
過去の記事でも、さまざまな新種発見のニュースを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ベトナムで、新種の発見ラッシュ(2007/09/27)
ボルネオ(カリマンタン)島で、新種の豹(ヒョウ)を発見(2007/03/17)
新種発見! トゲネズミ(2006/07/10)
楽園の鳥の楽園? インドネシアのパプア州とパプア・ニューギニア(2006/02/09)
などです。
図鑑には、今回の新種と同じ日本で見られる齧歯目【げっしもく】ネズミ科のネズミが、十種以上が掲載されています。ずかんどっとねっと-zukan mobileを、ぜひご利用下さい。
インドネシアのパプアで、新種の哺乳類を発見
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