2008年1月アーカイブ
先日、新潟県の村上市に、迷子のオットセイが現われたというニュースがありましたね。このオットセイが、水族館に保護されました。
本来、野生の生き物は、野生のままにしておくべきです。けれども、このオットセイは、衰弱していました。「このままだと死んでしまう」と判断されたため、水族館に保護されることになりました。
オットセイは、法律で捕獲が禁止されています。普通は、捕獲することはできません。今回は、特別に許可を得て、捕獲されました。
新潟県内の水族館(マリンピア日本海)で、とりあえず、オットセイは落ち着いたそうです。血液検査をしたところ、何らかの中毒になっているらしい、という結果が出ました。何の中毒なのかは、わかっていません。解毒の治療がされています。
また、このオットセイには、寄生虫がいることも、判明しました。フィラリアという寄生虫です。心臓や、血管の中に寄生します。
野生の生き物には、何らかの寄生虫がいるのが、普通です。「極めて多数いる」とか、「普通には付かない種の寄生虫が付いている」などでなければ、異常とは言えません。今回のオットセイについては、正常の範囲内なのかどうか、不明です。
普通に寄生虫がいるだけなら、生き物は、そんなに弱りません。しかし、体力が減るのは確かです。寄生虫がいるところに、中毒を起こせば、衰弱するでしょう。オットセイが衰弱したのは、「中毒と寄生虫の両方が重なったため」と考えられています。
保護されたオットセイは、回復しだい、野生に戻される予定です。無事、自然の中に帰れるといいですね。
過去の記事で、このオットセイのニュースを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
野生のオットセイやアザラシに、触ってもいい?(2008/01/24)
図鑑には、残念ながら、オットセイは載っていませんが、オットセイに近縁なトドが掲載されています。ぜひご利用下さい。
この切手は、1966-67年に、魚介シリーズで出されたものです。この魚介シリーズは、有名な日本画家に依頼して12種の切手が発売されているそうです。 サザエ 切手画像
和名:サザエ
学名:Turbo (Batillus) cornutus
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
日本切手 山口蓬春/画【1967年 魚介シリーズ】
図鑑には、サザエが掲載されています。ぜひご利用下さい。
もうじき節分ですね。日本の伝統行事の一つです。伝統行事には、さまざまな風習がつきものですね。節分で有名なのは、「ヒイラギ(柊)にイワシ(鰯)の頭」でしょうか。
地方によって、伝統行事のやり方は、ずいぶん違います。愛知県の一部(奥三河地方)などでは、イワシの頭を、ヒイラギでなく、アセビという植物に挿します。
アセビは、ツツジ科に属する樹木です。アシビ、アセボなどとも呼ばれます。漢字では、「馬酔木」と書かれます。早春に、小さな釣鐘型の、かわいい花を咲かせます。温暖な地方では、節分の頃から、花が咲き始めることもあります。
なぜ、節分にアセビが使われるのでしょうか? いくつかの説があります。
一つは、「アセビに毒があるから」です。漢字で「馬酔木」と書かれるのは、ウマなどが食べると、酔ったような状態になるからです。昔は、アセビを煮た汁を、農薬の代わりに使った地方もありました。毒のために、畑の害虫が死ぬのですね。
節分は、魔除けの行事です。「害虫退治に使えるなら、他の害(魔)を除くのにも使える」と、考えられたのかも知れません。
もう一つの説は、「アセビの花が、稲穂のように見えるから」です。アセビは、細かい花が、鈴なりに咲きます。その様子が、豊かな実りを想像させたようです。
節分でなく、お正月の飾りに、アセビを使う地方もあります。三重県の一部(伊勢地方)などでは、現在でも行なわれているそうです。これは、新年の豊作を祈願するためといわれます。古来、節分とお正月の行事には、共通するものが多いですね。
行事とは関係なく、アセビは、庭木にされることも多いです。かわいい花が咲くからでしょう。野生でも、アセビばかりが茂っている場所があります。そのような場所は、シカなどの草食獣が多い地域にあります。毒があるため、草食獣が、アセビだけ食べ残すからです。有毒なのには、ちゃんと意味があるのですね。
アセビは、縁起の良い木とされることもあれば、不吉な木とされることもあります。どちらも、一方的な見方ですね。貴重な早春の花は、楽しむに値すると思います。
過去の記事でも、節分に使われる生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
鰯(イワシ)の頭も信心から?(2007/02/02)
扉【とびら】に挿すトベラの木(2007/01/29)
節分に豆(ダイズ)をまくのはなぜ?(2006/01/23)
西洋ヒイラギはクリスマスに、ヒイラギは節分に(2005/12/23)
などです。
図鑑には、アセビが掲載されています。ぜひご利用下さい。
この切手は、1987-89年に奥の細道シリーズで出されたものです。芭蕉の「蛤のふたみに別行秋ぞ」と詠んだ句も印刷されていますね。ハマグリの絵はどなたの絵なのでしょうね。 ハマグリ 切手画像
和名:シナハマグリ
学名:Meretrix petechialis
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
日本切手 【1987-89年 奥の細道シリーズ】
過去のハマグリを取り上げた記事は、以下をご覧ください。
縄文時代からの御馳走、ハマグリ?(2006/02/24)
図鑑には、チョウセンハマグリが掲載されています。ぜひご利用下さい。
強風にあおられながらも、たくましく。しなやかな枝ぶりでした。キンカン画像
和名:キンカン
学名:Citrus japonica
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東京都 港区 【2008.01.24】
過去の記事に、他のミカン科の画像や記事があります。よろしければそちらもご覧ください。
お釈迦さまも食べた? レモン(2006/08/21)
冬のフルーツ代表「タンカン」(2006/03/10)
代々の実が付くおめでたい果実、ダイダイ(2005/12/31)
などです。
図鑑には、タンカンは載っていませんが、同じ仲間のナツミカンとレモンが掲載されています。ぜひご利用下さい。
奇跡としか言いようのないニュースが、飛び込んできました。千葉県銚子市【ちょうしし】の沖で捕れた魚に、人が書いた手紙が付いていた、というのです。その手紙は、十五年も前に、小学生の女の子が、風船に付けて飛ばしたものでした。
驚くことに、その手紙の文字は、ちゃんと読める状態でした。おかげで、手紙を書いた人の身元が、判明しました。小学生だった女の子は、現在、大学生で、健在だそうです。当時、神奈川県川崎市内の小学校から、手紙を飛ばしたとのことです。
報道によれば、手紙を運んだのは、サメガレイという魚です。カレイ(鰈)の一種です。あの、目が片側に寄った、平たい魚の仲間ですね。食用になることで、有名です。
サメガレイも、食用になる魚です。今回、見つかったものも、食べるために漁獲されました。漁師さんが、魚の仕分け中に、手紙が付いているのに気づいたそうです。
カレイの中でも、サメガレイは、深い海に棲みます。主に、クモヒトデを食べているようです。クモヒトデは、深海に多い生物だからでしょう。「郵便屋さん」になったカレイは、おそらく、水深千m付近にいたはず、といいます。
手紙の保存状態が良かったのも、奇跡ですね。他の魚でなく、サメガレイだからこそ、こんなことが起こった、と推測できます。
サメガレイには、「鱗【うろこ】がない」という特徴があります。そのかわり、表側の皮膚が、ざらざらしています。鮫肌【さめはだ】だから、サメガレイと名づけられました。この鮫肌は、たっぷりの粘液に覆われています。
たぶん、手紙は、サメガレイの鮫肌に、うまく引っかかったのでしょう。そのうえ、粘液に覆われれば、保護されますね。長い間、海中にあったのに、きれいに保存されたのは、このためだと思われます。
人間の活動は、深海にまで、影響しているのですね。今回の事件で、改めて、わかりました。例えば、うっかり毒物を流したら、深海魚が絶滅するかも知れません。
今回のように、小学生の手紙ならば、微笑ましくて、いいですね。
図鑑には、残念ながら、サメガレイは載っていませんが、同じカレイの仲間のメイタガレイが掲載されています。ぜひご利用下さい。
タコノマクラという名前の生き物を、御存知ですか? 最近は、生き物の中の「珍名さん」として、有名かも知れませんね。
タコノマクラは、ウニの仲間です。正確には、棘皮動物門【きょくひどうぶつもん】ウニ綱【こう】の生き物です。ウニ綱の中の、タコノマクラ目タコノマクラ科に属します。
同じタコノマクラ目に、スカシカシパンも属します。スカシカシパンも、「珍名さん」として、有名なウニですね。ただし、タコノマクラとは、少し分類が違います。タコノマクラ目のうちの、スカシカシパン科に属します。
タコノマクラやスカシカシパンは、ウニとは思えない形をしています。球形でなく、平たい円形です。そのうえ、棘が短いです。これが、タコノマクラ目の特徴です。
タコノマクラの表側(上側)には、五枚の花びらのような模様があります。似た模様が、カシパンの仲間にもあります。これは、いったい、何でしょうか?
この模様は、ウニの体の構造と、関係があります。花びら模様は、五枚ありますよね。これは、ウニの体が、「五」という数を基本に、できているからです。
ウニだけではありません。ヒトデやナマコやウミシダなど、棘皮動物【きょくひどうぶつ】の仲間は、みな、「五」を基本にできています。
わかりやすいのは、ヒトデですね。ヒトデの体は、星型☆です。五本の腕がありますね。
普通のウニにも、「五」に基づいた模様があります。ウニの標本を、見てみましょう。棘をすべて取ってしまうと、棘のあった場所が、五本の帯のように見えます。
タコノマクラや、カシパンも、ウニの仲間です。「五」に基づいた体の構造が、「五枚の花びら模様」に反映しています。
なぜ、棘皮動物が、「五」を基本にしているのかは、わかっていません。
タコノマクラは、名前の由来も、話題になります。この名の由来も、不明です。タコが、実際に、タコノマクラを枕にするのは、観察されていません。
こんな楽しい名前を、正式な日本語名にした学者さんに、拍手を贈りたいですね。
過去の記事でも、ウニの仲間を取り上げています。また、ウニと同じ棘皮動物のヒトデなども、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
突然の人気者? スカシカシパン(2008/01/10)
神津島からのレポート(2007/07/30) ※タコノマクラの画像があります。
などです。
図鑑には、タコノマクラやスカシカシパンなど、他のウニが掲載されています。ぜひご利用下さい。
新潟県から、オットセイのニュースが届きました。村上市の砂浜に、迷子のキタオットセイが現われたそうです。普通、日本海では、野生のオットセイは見られません。
オットセイやアザラシは、人気がありますね。私も可愛いと思います。つい、触ったり、餌をあげたりしたくなりますね。けれども、それは、彼らのためになりません。
野生の生き物は、用心深いです。たまに、人馴れしているものもいますが、そういうものは例外です。彼らにとって、ヒトは恐ろしいものです。接近されるだけで、ストレスになります。触られたら、もっとストレスが強くなります。
ストレスのために、彼らが病気になってしまったら、気の毒ですね。野生の生き物には、触らないことです。そもそも、触れるほどの距離に近づかないのが、マナーです。
フラッシュをたいて撮影するのも、控えましょう。彼らをおびえさせてしまいます。
餌をあげるのも、良くありません。自分で餌を取ることを、忘れてしまうからです。自然の中で生きる力を、失わせてしまいます。
野生の生き物は、基本的に、そっと見守るべきでしょう。ただし、以下のような場合は、近くの動物園や水族館に連絡して、指示を受けて下さい。
1)明らかに、致命的な怪我【けが】をしている。
2)交通量の多いところにいて、事故にあいそうだ。
3)岩に挟まれるなどして、動けない状態だ。
4)ひどく痩【や】せて、元気がない。
前記のような状態でなければ、放っておいて大丈夫です。「海の生き物が川にいる」など、不適切な場所にいるようでも、元気そうならば、そのまま様子を見ましょう。
人間が思う以上に、野生の生き物は、たくましいです。ちょっとした怪我や病気なら、治ります。二、三日食べなくても、たいていは平気です。子どもが親とはぐれているように見えても、多くの場合は、親が近くにいます。
マナーを守れば、野生の生き物の観察は、楽しいですよ。
過去の記事でも、オットセイを取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
保護されたオットセイ、海へ(2007/03/16)
保護されたオットセイ、鴨川シーワールドへ(2007/01/17)
オットセイは日本にいるか?(2006/09/11)
アシカとアザラシはどう違う?(2006/11/04)
などです。
図鑑には、残念ながら、オットセイは載っていませんが、オットセイに近縁なトドが掲載されています。ぜひご利用下さい。
この切手は、1987年に昆虫シリーズ・第4集として発行されたもののようです。学名も記載されています。美しい切手です。素晴らしいですね。アサギマダラ 切手画像
和名:アサギマダラ
学名:Parantica sita
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
日本切手 【1987/01/23 昆虫シリーズ・第4集】
※この切手が出された年代に誤りがありましたら是非教えて下さい。
過去の記事に、アサギマダラなどの画像もあります。よろしければそちらもご覧ください。
リュウキュウアサギマダラ(2007/06/23)
アサギマダラ(2007/01/07)
などです。
図鑑には、アサギマダラが掲載されています。ぜひご利用下さい。
生き物には、夏と冬とで、体色が変わるものがいますね。雪が多い地域では、冬に白くなる種が多いです。鳥の中で、そういうものでは、ライチョウが有名ですね。
ライチョウは、日本の本州の高山に分布します。一年中、高山から降りません。どんなに厳しい冬でも、高山で過ごします。冬羽が白いのは、雪の降り積もる高山で、敵に見つかりにくくするためでしょう。
日本では、ライチョウは、限られた高山地域にしか分布しません。けれども、世界的には、ユーラシア大陸と北米大陸の北部に、広く分布します。日本は、世界のライチョウ分布地のうち、飛び離れて、最南端です。なぜ、そんな分布の仕方なのでしょう?
じつは、日本のライチョウは、「氷河期からの生き残り」と考えられています。
氷河期のライチョウは、今よりも、もっと広い地域に分布していました。寒い気候に適応しているからです。氷河期には、日本の多くの地域が、ライチョウが棲みやすいくらい、寒かったのですね。平地が、今の高山と同じような気候だったのでしょう。
氷河期が終わると、ライチョウは、暑い気候に追われました。彼らは、飛ぶのが得意ではありません。ですから、渡り鳥のように、遠くへ飛んでゆくことはできません。
大陸に棲んでいるなら、それでもよかったでしょう。少しずつ、北へ移動すれば済みます。しかし、日本は島国です。海という障壁があります。日本のライチョウは、大陸へ飛ぶより、高山へ行くことを選んだのでしょう。
こうして、日本の高山に、ぽつんと、ライチョウの分布地が残されました。日本のライチョウは、貴重な遺存種です。地理的に、遺存種というだけではありません。ライチョウは、キジ目の鳥のうちで、原始的な性質を残しています。系統的にも、遺存種です。
キジの仲間は、普通、雄のほうが大きいですね。羽の色も、雄のほうが派手です。ライチョウは、キジ目なのに、雌雄の大きさも、羽の色も、同じようです。これは、キジ目の原始的な姿を残したものと考えられています。
高山の環境は、壊れやすいです。ライチョウたちが棲める環境を、残したいですね。
過去の記事でも、キジ目の鳥を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
キジのお父さんも楽じゃない?(2007/04/16)
などです。
図鑑には、ライチョウが掲載されています。ぜひご利用下さい。
先日、このブログを読んで下さった方から、質問をいただきました。「近所の水辺で、巨大なネズミを目撃した。自分で調べたが、どうしても種がわからない」というものです。
じつは、以前にも、同じような質問が、寄せられました。このネズミについては、時々、マスコミにも登場します。けれども、一般には、あまり知られていないようですね。そこで、「謎の巨大ネズミ」について、まとめて説明しましょう。
日本の水辺では、しばしば、巨大なネズミが目撃されます。ネコ(猫)ほどの大きさに見えることも、あります。器用に、水の中を泳ぎます。
このネズミの正体は、次の二種のどちらかです。ヌートリアか、マスクラットです。
ほとんどの場合は、ヌートリアです。マスクラットは、数が少ないからです。
ヌートリアは、本来、日本にいたネズミではありません。二十世紀の初めに、南米から、日本へ持ち込まれました。もと、養殖されていたものが、野生化しました。
ヌートリアは、中国地方や近畿地方、中部地方など、本州の西側に多いです。東京都や千葉県などの関東、また、四国でも記録があります。今のところ、北海道や九州では、見つかっていません。が、確認されていないだけで、いないとは言い切れません。
西日本で目撃される「巨大ネズミ」は、まず、ヌートリアだと思っていいでしょう。
もう一種の巨大ネズミ、マスクラットも、外来生物です。マスクラットの原産地は、北米です。第二次世界大戦の頃、日本に移入されました。それが、野生化しました。
マスクラットは、ヌートリアより、だいぶ小さいです。「大きめのドブネズミ」くらいに見えます。日本では、東京都、埼玉県、千葉県でしか、生息が確認されていません。
ヌートリアと、マスクラットは、生態も外見も似ています。確かに、同じネズミの仲間(齧歯目【げっしもく】)です。しかし、意外に遠縁です。ヌートリアは、齧歯目の中のヌートリア科に属します。マスクラットは、同じ齧歯目でも、キヌゲネズミ科に属します。
これら二種は、毛皮用に、日本へ持ち込まれました。なのに、今は、外来生物として、駆除されています。人間の身勝手さに、彼らは怒っているのではないでしょうか。
過去の記事でも、ネズミの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
大黒鼠【だいこくねずみ】とは、どんなネズミ?(2008/01/11)
ネズミでないネズミがいる?(2007/12/21)
インドネシアのパプアで、新種の哺乳類を発見(2007/12/19)
天井裏で騒ぐのは、何というネズミ(鼠)?(2007/11/23)
などです。
図鑑には、残念ながら、ヌートリアとマスクラットは載っていません。そのかわり日本に分布するネズミの仲間が、十種以上掲載されています。ぜひご利用下さい。
今週の東京はとっても寒いですが、皆さん!ウメが咲いていましたよ(笑)。ウメ画像。
和名:ウメ
学名:Armeniaca mume Siebold
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
東京 港区 【2008.01.18】
図鑑には、ウメが掲載されています。ぜひご利用下さい。
ウィンタースポーツ、真っ盛りの季節です。優れたスポーツ選手は、かっこいいですよね。氷上でポーズを決めるスケート選手など、うっとりします。
昆虫の世界にも、スケート選手がいます。ただし、氷上ではなく、水上を滑ります。英語でwater skater(水上のスケーター)と呼ばれるのは、アメンボの仲間です。
アメンボの仲間は、英語でwater striderなどとも呼ばれます。striderとは、「大またで歩く人」という意味です。実際には、歩くというより、水面を蹴【け】って進んでいます。
なぜ、アメンボは、水上で沈まずにいられるのでしょう? 一つは、彼らの体が、水をはじくようになっているからです。もう一つは、彼らの体が軽いからです。
アメンボくらい軽ければ、水をはじく力を利用して、水上に立つことができるのですね。ヒトは、いくら水をはじくことができても、無理です。体が重すぎるからです。
水上のアメンボを見て、「あれ、脚が四本しかない!?」と思ったことがありませんか? 種によっては、そのようなアメンボがいます。彼らは、六本脚のうち、四本だけを使って、水面に立ちます。残り二本の脚は、体の下に折り畳んでいます。
すべてのアメンボが、四本脚で立つのではありません。六本脚で立つアメンボの種も、多いです。アメンボの仲間は、日本だけでも、五十種ほどもいます。
昆虫のカメムシ目のうち、アメンボ科・イトアメンボ科・カタビロアメンボ科・サンゴアメンボ科などに属する種が、アメンボと呼ばれます。ややこしいことに、単に「アメンボ」という種名のものもいます。種名「アメンボ」は、最も平凡なアメンボの一種です。
アメンボの仲間は、姿も、棲む場所も、多様です。学校のプールにいる種などは、馴染み深いですね。中には、流水に棲むシマアメンボなどもいます。波立つ水面で暮らせるなんて、素晴らしい適応力ですね。ウミアメンボやサンゴアメンボのように、海に棲む種さえもいます。海に棲む昆虫は、ほとんどいません。アメンボの仲間は、貴重な例外です。
アメンボが、水面を進む様子は、楽しそうですね。でも、水上で食べ物を得るのは、大変なことです。どんな生き物も、懸命に生きていることは、変わりありませんね。
過去の記事でも、アメンボと同じ水生昆虫を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
はかないようでしぶとい? カゲロウ(2006/09/04)
ミズカマキリは水中のカマキリ?(2006/08/10)
コオイムシの雄(オス)は子煩悩【こぼんのう】?(2006/05/05)
雪の中でしか暮らせないセッケイカワゲラ(2006/01/30)
などです。
図鑑には、アメンボと、ヒメイトアメンボが掲載されています。ぜひご利用下さい。
先日、クロツラヘラサギという鳥のニュースがありましたね。「嘴【くちばし】に釣り糸がからまって、弱っている」と報道されました。
幸いなことに、このクロツラヘラサギは、人間に保護されました。沖縄県の豊見城【とみぐすく】市でのことです。さっそく、動物病院で手当てを受けました。
クロツラヘラサギは、とても数が少ない鳥です。世界中で、二千羽に満たないといわれます。一羽でも、貴重な命を救えたことは、良かったですね。
けれども、いつも、こんなふうにうまく行くとは、限りません。
今回のように、釣り糸にからまってしまう鳥は、たくさんいます。でも、たいていは、人間に気づいてもらえません。人知れず、衰弱死してしまいます。
つい先日も、釣り糸にからまったアオサギが、報道されました。場所は、同じ沖縄県豊見城市です。写真を見ると、嘴や首に、何重にも糸がからみついています。とても苦しそうです。何とか、このアオサギも、助けてあげたいですね。
野生の生き物を救うのは、簡単ではありません。警戒心が強いためです。捕獲どころか、近づくことさえ、難しいです。
罠【わな】を仕掛けても、野生の生き物は、かかりにくいです。それだけ、用心深いのですね。麻酔銃【ますいじゅう】も、使うのは危険です。麻酔薬の量は、調整が難しいからです。量が多すぎれば、生き物が死んでしまいます。
今回のクロツラヘラサギは、とても運が良いのですね。人間に気づいてもらえた上に、保護にも成功しました。たまたま、広く報道されたからでしょう。
救われた命のかげに、多くの救われなかった命があります。大切なのは、危機になってから救うのではなく、危機にならないようにすることですね。
釣り人の皆さん、ぜひ、マナーを守って下さい。釣り針、釣り糸、浮き、錘【おもり】などは、野生生物には、凶器です。それらの物を放置したら、せっかくの釣り場が、荒れてしまいます。釣りができなくなっては、元も子もありませんね。
アワビは、縁起が良いとされる食べ物の一つですね。縄文時代から、日本人に親しまれています。巻貝の仲間ですが、漢字では、「鮑」・「鰒」などと、魚へんで書かれます。
親しまれる割に、アワビの実態は、知られていません。例えば、「アワビ」という種名の貝がいないことは、御存知ですか?
アワビとは、おおむね、ミミガイ科アワビ属に属する貝の総称です。ただし、アワビ属でも、アワビと呼ばれない種もあります。逆に、アワビ属とはまったく遠縁なのに、アワビと呼ばれる種もあります。普通に食用にされる「アワビ」は、マダカアワビ、メガイアワビ、クロアワビ、エゾアワビなどです。このうち、エゾアワビは、クロアワビの亜種です。北海道などの北方系の海に分布します。他の二種は、クロアワビとは別種です。
アワビ属の貝は、みな似ています。種の区別が難しいです。混同される種が、少なくありません。特に、メガイアワビとクロアワビは、同種だと誤解されがちです。
メガイアワビの「メガイ」とは、女貝【めがい】の意味です。昔、メガイアワビは、クロアワビの雌(メス)だと思われました。そのため、こんな名が付いたのですね。対して、クロアワビは、「オン」、「オガイ」などと呼ばれました。男貝【おがい】の意味ですね。本当は、メガイアワビとクロアワビは、別種です。両種ともに、それぞれ雌雄がいます。
種が違えば、旬【しゅん】も違います。じつは、アワビ全体が旬になる時期は、存在しません。種により、食べて美味しい時期が違います。それは、産卵期に左右されます。
アワビの仲間は、産卵期の前が旬です。エゾアワビの場合なら、冬から春が旬です。水温の上がった夏に産卵するからです。マダカアワビ、メガイアワビ、クロアワビの場合は、夏が旬です。水温の下がった秋に産卵するからです。
どの種のアワビでも、産卵する水温は、だいたい同じです。棲む海域により、水温が違うために、こうなるのですね。寒い海のエゾアワビは、暖かい時期に産卵します。暖かい海のマダカアワビなどは、涼しい時期に産卵するわけです。
今の季節なら、エゾアワビが旬ですね。美味しいエゾアワビをいただきたいものです。
過去の記事でも、アワビと同じ巻貝の仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
カタツムリの殻は右巻き?左巻き?(2007/06/18)
いじめると雨が降る? アメフラシ(2007/04/23)
潮干狩りの悪役、ツメタガイ(2006/04/17)
鉄の鱗【うろこ】を持つ貝、スケーリーフット(2006/04/02)
ハダカカメガイ(クリオネ)は流氷の天使か?(2006/01/09)
などです。
図鑑には、メガイアワビ、クロアワビが掲載されています。ぜひご利用下さい。
台湾(タイワン)ザル。コザルは可愛いですね。タイワンザル画像
和名:タイワンザル
学名:Macaca cyclopis
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
台湾 【2008.01.05】
図鑑には、タイワンザルは掲載されていませんが、ニホンザルは掲載されています。ぜひご利用下さい。
二〇〇八年は、子年【ねどし】ですね。干支【えと】にちなんで、縁起の良いネズミの話をしましょう。大黒【だいこく】ネズミの話です。神さまのお使いとされるネズミです。
大黒ネズミは、大黒天【だいこくてん】という神さまのお使いです。大黒天は、福の神さまですね。恵比寿【えびす】と並び称されます。七福神のメンバーでもあります。
神さまのお使いとはいえ、大黒ネズミは、さほど変わった姿をしているわけではありません。形は普通のネズミです。白いネズミとされることが多いですね。
なぜ、大黒天は、ネズミをお使いにしているのでしょう? 理由には、諸説があります。有力な説の一つに、「大黒さまが、豊かな実りの神さまだから」というものがあります。日本で豊かな実りといえば、たいがい、お米の実りを指しますよね。ネズミは、米蔵でよく見られるため、実りの象徴にされた、というのです。
じつは、大黒ネズミと呼ばれるネズミは、実在します。世界中で、実験動物や、ペットにされています。そう、ラットですね。このラットの日本語名が、ダイコクネズミなのです。今では、英語名のラットのほうが、普通の呼び名になりました。
ダイコクネズミは、もとは、野生のドブネズミでした。それを飼い馴らしたものが、ラット(ダイコクネズミ)です。生物学的にいえば、ドブネズミとダイコクネズミは、同じ種です。ダイコクネズミ(ラット)は、ドブネズミの中の変種といえます。
ドブネズミという名は、イメージが悪いですね。いかにも不潔に感じられます。でも、ドブネズミというのが、正式な日本語の種名です。気の毒ですね。
ラット(ダイコクネズミ)は、決して、不潔ではありません。野生のドブネズミとは違います。むしろ、普通のヒトよりも、よほど清潔です。きちんと管理された状態で、飼育されるからです。でなければ、科学的なデータのための実験動物には、できません。
現在のラットは、重要な実験動物です。この点で、マウス(ハツカネズミ)と並びます。彼らがいなければ、薬品や、医療技術の進歩はないでしょう。「大黒さまのお使い」は、私たちに恩恵をもたらしています。
過去の記事でも、ネズミの仲間や、ネズミと似た生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ネズミでないネズミがいる?(2007/12/21)
天井裏で騒ぐのは、何というネズミ(鼠)?(2007/11/23)
人類に貢献するハツカネズミ(2007/9/14)
新種発見!トゲネズミ(2006/7/10)
などです。
図鑑には、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミなどのネズミの仲間が掲載されています。ぜひご利用下さい。
生き物の中には、奇妙な名前を持つものがいます。私の感覚では、海の生き物に、多い気がしますね。スベスベマンジュウガニ、などというカニが、実在しますから。
そんな「珍名さん」生き物の一種に、スカシカシパンがいます。漢字で書けば、「透かし菓子パン」です。ウニの一種で、海の砂地に棲みます。
冗談みたいな名前ですよね。けれども、正式な日本語名です。(国際的に通じる学名は、ラテン語で、Astriclypeus manniです)なぜ、こんな名前が付いたのでしょう?
実物を見れば、納得できます。平たい円形で、菓子パンにそっくりです。体には、五ヶ所、スリットのような穴があります。だから「透かし」カシパンなのですね。
カシパンと呼ばれるウニは、他にもいます。ヨツアナカシパン、ハスノハカシパンなどです。それぞれ、「四つ穴菓子パン」、「蓮の葉菓子パン」の意味です。ヨツアナカシパンは、生殖孔【せいしょくこう】が四つあることから、名づけられました。ハスノハカシパンは、形が蓮の葉に似ていることから、名づけられました。
ウニといえば、普通は、球形ですね。そして、全身、棘だらけです。
しかし、中に、平たい円形の種がいます。そういうウニは、みな棘が短いです。ウニには見えません。そういった種は、たいてい、「○○カシパン」と名づけられています。
「珍名さん」ウニとしては、他に、タコノマクラという種がいます。漢字で書けば、「蛸の枕」です。あの、八本脚のタコの枕、という意味です。
タコノマクラは、カシパンの仲間と近縁です。どちらも、ウニ綱【こう】タコノマクラ目【もく】に属します。そのため、形が似ています。平たい円形で、棘が短いです。
普通のウニは、棘で身を守ります。でも、タコノマクラやカシパンの仲間は、棘が発達していません。どうやって、身を守るのでしょう?
カシパンの仲間は、海底の砂に潜ります。タコノマクラは、貝殻や小石を身に付けます。こうすることで、敵の目から逃れています。スカシカシパンの「透かし穴」は、砂の中で、動きやすくする役割があるようです。
最近、芸能人の中川翔子さん(愛称:しょこたん)のブログをきっかけに、スカシカシパンは、人気が出ました。スカシカシパンにちなんだ、本物の「菓子パン」が発売されるそうです。
「しょこたんぶろぐ」から菓子パン誕生 「スカシカシパン」ローソンで発売へ
静岡県の西伊豆町で、スカシカシパンについて、面白い調査が行なわれています。なんと、「スカシカシパンの里親制度」があります。普通の人でも、スカシカシパンの里親になれます。
過去の記事でも、カシパンと同じウニの仲間を取り上げています。また、日本語名と学名の違いについても取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
海中のオブジェ? パイプウニ(2007/11/16)
棘だけでは足りない? ウニの防御作戦(2007/8/11)
神津島からのレポート(2007/7/30) ※タコノマクラの写真があります。
学名ってなんですか?(2005/9/30)
図鑑には、スカシカシパン、タコノマクラ、スベスベマンジュウガニなど、「珍名さん」の生き物が、何種か掲載されています。ぜひご利用下さい。
台湾(タイワン)ザル。ニホンザルと比べると尾が長いのが特徴。
和名:タイワンザル
学名:Macaca cyclopis
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台湾 【2008.01.05】
図鑑には、タイワンザルは掲載されていませんが、ニホンザルは掲載されています。ぜひご利用下さい。
台湾(タイワン)で見られるカンムリワシ。台湾に分布するカンムリワシ【Spilornis cheela hoya】は、日本で見られる日本固有亜種カンムリワシよりも大型。オオカンムリワシと呼ばれることもある。
日本では個体数が激減し、国内希少野生動植物種に指定され、国の特別天然記念物にも指定されている。 カンムリワシ画像。
和名:カンムリワシ
学名:Spilornis cheela
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台湾 【2008.01.05】
図鑑には、カンムリワシが掲載されています。ぜひご利用下さい。
七草粥【ななくさがゆ】の時期ですね。七草の中で、最も有名なのは、ナズナでしょう。ペンペングサという別名でも、知られますね。
なぜ、ナズナの別名が、ペンペングサなのでしょうか? これは、ナズナの果実に由来します。ナズナの果実は、三味線【しゃみせん】のばちに形が似ています。三味線の音色は「ぺんぺん」と表わされますので、ペンペングサという別名が付きました。地方によっては、シャミセングサ、ガラガラ、ネコノピンピンなどとも呼ぶそうです。
ペンペングサは、昔の子どもの遊び道具でもありました。果実を茎から引き剥がして、皮一枚でつながっている状態にします。こうなったナズナを振ると、しゃらしゃらした音が響きます。ペンペンとか、ピンピンなどと聞こえないこともありません。
土地や家が荒れている様子を、「ぺんぺん草が生えている」と表現することがありますね。ナズナが人里の植物だからこそ、こんな表現が生まれたのでしょう。日本のナズナは、山奥には生えません。必ず、人の生活があるところに生えます。
このことから、「ナズナは、人によって、外国から運ばれた植物だ」という説があります。歴史時代より前に、中国から移入されたらしいのですね。御存知のとおり、ナズナは食用になります。そのうえ、じつは薬用にもなります。役に立つ植物なので、持ってこられたのかも知れません。それなら、人の痕跡のない場所には、生えないわけです。
ナズナは、ユーラシア大陸に広く分布します。ヨーロッパでは、ナズナの果実を、「羊飼いの財布」に見立てました。ナズナの学名Capsella bursa-pastorisは、これに由来します。bursa-pastorisとは、ラテン語で、「羊飼いの財布」の意味です。ヒツジの放牧地に、たくさん生えるのでしょうか? ヨーロッパでも、ナズナは、食用や薬用にされました。
これほど広く親しまれる植物は、少ないですね。都市化が進んだ現在でも、ナズナは各地に見られます。都会にも適応しやすい性質を持つからです。
ナズナの種子は、空き地ができれば、いつでも芽を出せます。突然できた空き地にも、すぐに生えるわけですね。弱そうに見えて、たくましい「ぺんぺん草」です。
過去の記事でも、春の七草を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
謎の「カブラ・ライン」とは?(2007/10/29) ※カブは七草のスズナ
日本のダイコン(大根)は世界一(2007/01/15) ※ダイコンは七草のスズシロ
などです。
図鑑には、ナズナが掲載されています。ぜひご利用下さい。
和名:ノネコ
学名:Felis catus
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沖縄 読谷村 【2007.12.15】
2007年11月のマロン
マロン(2007/10/23)
2007年10月のマロン
マロン(2007/10/23)
2007年6月のマロン
ノネコ(2007/06/20)
2007年5月のマロン
ノネコ(2007/06/20)
去年のマロン
美味しそうに飲んでますね。(2006/01/15)
新しい年がやってきました。新年らしく、おめでたい生き物を取り上げましょう。
タイ(鯛)は、日本で、縁起が良い生き物の代表ですね。タイと名が付く魚は、とても多いです。単にタイといえば、普通は、マダイ(真鯛)という種を指します。あの、きれいな赤い体色の魚です。普通の人が思い浮かべる「タイ」ですね。
マダイにそっくりなのに、種が違うタイもいます。キダイ(黄鯛)やチダイ(血鯛)などです。マダイと同じく、赤っぽくて、左右に平たい体型をした魚です。素人には、区別が付けにくいですね。キダイやチダイは、マダイの代わりに、お祝い事に使われることもあります。見た目も味もそんなに変わりませんから、不当ではないでしょう。
他にも、たくさんの「何とかダイ」がいます。有名なのは、クロダイ、イシダイ、キンメダイ、アコウダイなどですね。フエダイ、ニザダイ、スズメダイ、キンチャクダイなどもいます。これらの「タイ」は、みな同じ仲間でしょうか?
違います。同じ「タイ」の名が付いても、異なるグループの種が多いです。
例えば、マダイは、スズキ目タイ科に属します。キダイ、チダイ、クロダイは、同じスズキ目タイ科です。一般的には、これらスズキ目タイ科の種が、「本当のタイ」とされます。
他のタイは、どうでしょう? イシダイは、スズキ目イシダイ科です。フエダイは、スズキ目フエダイ科に属します。スズメダイとキンチャクダイも、スズキ目のスズメダイ科、キンチャクダイ科に属します。ニザダイも、スズキ目のニザダイ科です。
スズキ目以外の「タイ」も多いです。例えば、キンメダイは、キンメダイ目キンメダイ科に属します。アコウダイは、カサゴ目フサカサゴ科に属します。
タイという名は、「平たい」に由来するようです。日本人は、マダイのように、「平たくて、赤っぽい魚」を尊ぶのですね。そのような魚に、みな「~ダイ」という名を付けました。分類に関係なく、タイと名が付く魚は、二百種以上もいるそうです。
このために、分類学的には、ややこしくなってしまいました。日本人は、「タイ」に愛着があるのでしょう。「幸せになりタイ」願いがこもっているのかも知れません。
過去の記事でも、「~ダイ」と名が付く魚を取り上げています。また、「○○ダイ科」の魚も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
死滅回遊魚【しめつかいゆうぎょ】とは、どんな魚?(2007/11/05)
海中の一角獣?テングハギ(2007/07/23) ※テングハギはニザダイ科
房総では良く釣れる魚の花鯛(ハナダイ)は...(2006/05/01)
クマノミの親子関係(2005/10/31) ※クマノミはスズメダイ科
ニモのお父さんはお母さんだった?(2005/10/28)
などです。
図鑑には、残念ながら、タイ科の「タイ」は載っていません。かわりに、キンチャクダイ科のキンチャクダイやスズメダイ科のクマノミなどの魚が掲載されています。ぜひご利用下さい。
和名:チュウシャクシギ
学名:Numenius phaeopus
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沖縄 読谷村 【2007.12.15】
図鑑には、チュウシャクシギが掲載されています。ぜひご利用下さい。