七草ナズナは、ぺんぺん草

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 七草粥【ななくさがゆ】の時期ですね。七草の中で、最も有名なのは、ナズナでしょう。ペンペングサという別名でも、知られますね。
 なぜ、ナズナの別名が、ペンペングサなのでしょうか? これは、ナズナの果実に由来します。ナズナの果実は、三味線【しゃみせん】のばちに形が似ています。三味線の音色は「ぺんぺん」と表わされますので、ペンペングサという別名が付きました。地方によっては、シャミセングサ、ガラガラ、ネコノピンピンなどとも呼ぶそうです。
 ペンペングサは、昔の子どもの遊び道具でもありました。果実を茎から引き剥がして、皮一枚でつながっている状態にします。こうなったナズナを振ると、しゃらしゃらした音が響きます。ペンペンとか、ピンピンなどと聞こえないこともありません。
 土地や家が荒れている様子を、「ぺんぺん草が生えている」と表現することがありますね。ナズナが人里の植物だからこそ、こんな表現が生まれたのでしょう。日本のナズナは、山奥には生えません。必ず、人の生活があるところに生えます。
 このことから、「ナズナは、人によって、外国から運ばれた植物だ」という説があります。歴史時代より前に、中国から移入されたらしいのですね。御存知のとおり、ナズナは食用になります。そのうえ、じつは薬用にもなります。役に立つ植物なので、持ってこられたのかも知れません。それなら、人の痕跡のない場所には、生えないわけです。
 ナズナは、ユーラシア大陸に広く分布します。ヨーロッパでは、ナズナの果実を、「羊飼いの財布」に見立てました。ナズナの学名Capsella bursa-pastorisは、これに由来します。bursa-pastorisとは、ラテン語で、「羊飼いの財布」の意味です。ヒツジの放牧地に、たくさん生えるのでしょうか? ヨーロッパでも、ナズナは、食用や薬用にされました。
 これほど広く親しまれる植物は、少ないですね。都市化が進んだ現在でも、ナズナは各地に見られます。都会にも適応しやすい性質を持つからです。
 ナズナの種子は、空き地ができれば、いつでも芽を出せます。突然できた空き地にも、すぐに生えるわけですね。弱そうに見えて、たくましい「ぺんぺん草」です。


 過去の記事でも、春の七草を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 謎の「カブラ・ライン」とは?(2007/10/29) ※カブは七草のスズナ
 日本のダイコン(大根)は世界一(2007/01/15) ※ダイコンは七草のスズシロ
などです。



図鑑には、ナズナが掲載されています。ぜひご利用下さい。

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このページは、松沢千鶴が2008年1月 7日 06:46に書いたブログ記事です。

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