突然の人気者? スカシカシパン

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 生き物の中には、奇妙な名前を持つものがいます。私の感覚では、海の生き物に、多い気がしますね。スベスベマンジュウガニ、などというカニが、実在しますから。
 そんな「珍名さん」生き物の一種に、スカシカシパンがいます。漢字で書けば、「透かし菓子パン」です。ウニの一種で、海の砂地に棲みます。
 冗談みたいな名前ですよね。けれども、正式な日本語名です。(国際的に通じる学名は、ラテン語で、Astriclypeus manniです)なぜ、こんな名前が付いたのでしょう?
 実物を見れば、納得できます。平たい円形で、菓子パンにそっくりです。体には、五ヶ所、スリットのような穴があります。だから「透かし」カシパンなのですね。
 カシパンと呼ばれるウニは、他にもいます。ヨツアナカシパン、ハスノハカシパンなどです。それぞれ、「四つ穴菓子パン」、「蓮の葉菓子パン」の意味です。ヨツアナカシパンは、生殖孔【せいしょくこう】が四つあることから、名づけられました。ハスノハカシパンは、形が蓮の葉に似ていることから、名づけられました。
 ウニといえば、普通は、球形ですね。そして、全身、棘だらけです。
 しかし、中に、平たい円形の種がいます。そういうウニは、みな棘が短いです。ウニには見えません。そういった種は、たいてい、「○○カシパン」と名づけられています。
 「珍名さん」ウニとしては、他に、タコノマクラという種がいます。漢字で書けば、「蛸の枕」です。あの、八本脚のタコの枕、という意味です。
 タコノマクラは、カシパンの仲間と近縁です。どちらも、ウニ綱【こう】タコノマクラ目【もく】に属します。そのため、形が似ています。平たい円形で、棘が短いです。
 普通のウニは、棘で身を守ります。でも、タコノマクラやカシパンの仲間は、棘が発達していません。どうやって、身を守るのでしょう?
 カシパンの仲間は、海底の砂に潜ります。タコノマクラは、貝殻や小石を身に付けます。こうすることで、敵の目から逃れています。スカシカシパンの「透かし穴」は、砂の中で、動きやすくする役割があるようです。


 最近、芸能人の中川翔子さん(愛称:しょこたん)のブログをきっかけに、スカシカシパンは、人気が出ました。スカシカシパンにちなんだ、本物の「菓子パン」が発売されるそうです。
「しょこたんぶろぐ」から菓子パン誕生 「スカシカシパン」ローソンで発売へ


 静岡県の西伊豆町で、スカシカシパンについて、面白い調査が行なわれています。なんと、「スカシカシパンの里親制度」があります。普通の人でも、スカシカシパンの里親になれます。



 過去の記事でも、カシパンと同じウニの仲間を取り上げています。また、日本語名と学名の違いについても取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 海中のオブジェ? パイプウニ(2007/11/16)
 棘だけでは足りない? ウニの防御作戦(2007/8/11)
 神津島からのレポート(2007/7/30) ※タコノマクラの写真があります。
 学名ってなんですか?(2005/9/30)



図鑑には、スカシカシパンタコノマクラスベスベマンジュウガニなど、「珍名さん」の生き物が、何種か掲載されています。ぜひご利用下さい。

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このページは、松沢千鶴が2008年1月10日 08:27に書いたブログ記事です。

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