植物の葉の上などで、奇妙な虫を見たことがありませんか?
何しろ、形が奇妙です。平たい円盤型をしています。頭も脚も、ないように見えます。色は、緑、茶、灰色などと、さまざまです。一部が、半透明であることもあります。大きさは、1cmに満たないほどしかありません。
初めて見た人は、みな驚くようです。「いったい何の仲間なのか、想像すらできない」という人が多いですね。じつは、これは、昆虫です。
そう言われても、この「円盤」は、昆虫とは思いにくいですね。昆虫らしい特徴が、見えません。頭や脚は、どこにあるのでしょう?
引っくり返せば、わかります。体の裏には、ちゃんと、六本の脚があります。頭は見えにくいですが、よく見れば、あります。頭には、触角が付いています。
これは、ハムシの仲間です。甲虫目【こうちゅうもく】ハムシ科に属する昆虫です。広い意味で、コガネムシの仲間になります。体の硬い甲虫の類ですね。
ハムシとは、「葉虫」という意味です。ハムシ科の昆虫は、ほとんどが植物食です。幼虫も成虫も、植物を食べます。そのため、ほぼ常に、植物の上にいます。
ハムシ類は、害虫として、嫌われることが多いですね。農作物を食い荒らすからです。
ハムシの仲間が、すべて「円盤型」なのではありません。多くのハムシの成虫は、コガネムシを小さくしたような姿です。一部に、「円盤型」のハムシがいます。ハムシ科の中の、カメノコハムシ亜科に属するものが、そうです。カメノコハムシ、ジンガサハムシ、アオカメノコハムシなどの種がいます。
カメノコハムシの仲間は、なぜ、こんな形になったのでしょう?「体の輪郭をぼかすため」という説があります。この説は、一部の種では、納得できます。例えば、緑色のアオカメノコハムシです。背景の植物に紛れるため、敵に見つかりにくいです。
けれども、ジンガサハムシなどは、かなり目立つ色をしています。隠れているようには見えません。きっと、私たちには、まだわからない理由があるのでしょう。
過去の記事でも、甲虫の仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
カツオブシムシは文化財の敵?(2007/10/19)
トラフカミキリは、スズメバチのそっくりさん(2007/09/21)
変態しすぎる昆虫? ツチハンミョウ(2007/03/26)
などです。
図鑑には、アオカメノコハムシ、イチモンジカメノコハムシ、カメノコハムシ、ヒメカメノコハムシが掲載されています。ぜひご利用下さい。
謎の円盤UFO? いえ、カメノコハムシです
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