生き別れの親類が再会? ヤマボウシとハナミズキ

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 花盛りの季節ですね。街路樹や庭木にも、花を付けているものが多いです。
 五月頃、花が咲く栽培植物の一種に、ハナミズキ(花水木)があります。北米大陸の原産です。花の観賞用に、日本に導入されました。
 ハナミズキには、たくさんの園芸品種があります。品種により、花の色が違います。白とピンクが多いですね。色が違っても、花の形は同じです。
 四枚の「花びら」が付く様子が、特徴的です。これらの「花びら」は、じつは、花弁ではありません。総苞【そうほう】と呼ばれる部分です。
 日本の山野に、ハナミズキにそっくりな花が、咲いていることがあります。それは、ヤマボウシという別種です。日本、中国、朝鮮半島などを、原産地とします。
 ヤマボウシの花も、四枚の総苞が、周囲を取り巻いています。花の色は、普通、白です。ヤマボウシも、街路樹や庭木として、栽培されることがあります。
 漢字では、ヤマボウシは、「山帽子」、または「山法師」と書かれます。どちらが正しいのかは、わかりません。動植物の名前の起源は、探るのが難しいです。
 ハナミズキとヤマボウシが似るのは、近縁だからです。どちらも、ミズキ科ヤマボウシ属に属します。ハナミズキは、当初、日本で、アメリカヤマボウシと呼ばれました。
 ヤマボウシは、ヤマボウシ属のうちで、唯一、日本に自生する種です。ヤマボウシ属には、他に七種ほどがあります。北アメリカ大陸に三種、アジア大陸に四種ほどが分布するといわれます。なぜ、遠く隔たった大陸同士に、近縁な種があるのでしょうか?
 それは、遠い昔(約一億年前まで)、北米大陸とアジア大陸が、つながっていたからです。その頃、ヤマボウシ属は、分布を広げたのでしょう。後に、二つの大陸は、海で隔てられました。両大陸の仲間は、泣き別れです。それぞれ、別の種に分化しました。
 けれども、ハナミズキとヤマボウシは、あまり違いませんね。おそらく、違う進化をする必要が、なかったのでしょう。いったん別れた親類が、ヒトによって、日本で再会することになりました。一億年を隔てて再会なんて、奇遇ですね。


 過去の記事でも、街路樹や庭木にされる植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 節分にアセビ(馬酔木)?(2008/01/28)
 アジサイの果実はどこにある?(2007/06/22)
 シャラの木と沙羅双樹【さらそうじゅ】は、どう違う?(2007/02/16)
 街路樹は生きている化石、イチョウ(2005/11/21)
などです。



図鑑には、ヤマボウシハナミズキも掲載されています。ぜひご利用下さい。

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このページは、松沢千鶴が2008年5月19日 07:25に書いたブログ記事です。

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