シカ(鹿)やカモシカ(氈鹿)の子を見つけたら?

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 春から初夏にかけては、気持ちの良い季節ですね。ハイキング、山菜取り、渓流釣りなどで、野山へ行く人が増えます。林業の人なども、本格的に、山仕事を始めるでしょう。
 自然に親しむのは、良いことですね。けれども、そのために、この季節には、野山でのトラブルが増えます。思わぬことが、トラブルになることがあります。
 例えば、野山で、ニホンジカや、ニホンカモシカ、ノウサギなどの子どもを、見つけることがあります。周囲を見ても、親の気配はまったくありません。子どもが、たった一頭で、うずくまっているとします。こんな時、皆さんなら、どうしますか?
 正解は、「そのまま、そっとしておく」です。
 親が見当たらなくても、迷子になっているのではありません。シカやウサギ(兎)など、草食獣の一部には、「子どもを一頭で置いておく」ものがいます。
 「なぜ、そんな危険なことをするのか?」と思いますよね。事実は、逆です。これは、子どもを安全に過ごさせるためなのです。
 草食獣の子は、たいてい、生まれてすぐに、立つことができます。肉食獣に狙われても、走って逃げられるように、です。
 とはいえ、親と同じくらいに走れるまでには、少し時間がかかります。生まれたての子を、親が連れ歩いたら、たちまち、肉食獣に襲われるでしょう。
 そこで、親は、生まれたての子と、離れて暮らします。一日に一度か二度、乳をやりに行くだけです。乳を飲ませる時以外は、草むらなどに、子を隠しておきます。
 敵に見つからないよう、子どもは、あまり動きません。鳴き声も立てません。体の匂いも、ほとんどないといいます。そうして隠れ続けるのが、生き残る道です。
 時おり、そのような子を、人間が見つけてしまいます。「親にはぐれてかわいそうだ」と思うのは、勘違いです。はぐれているのではありません。敵から隠しているのです。
 野山で、シカやカモシカの子を見つけても、「保護」しないで下さい。そっとしておけば、親が戻ってきます。彼らには、彼らなりの、生きる道があるのですね。


 過去の記事でも、野生動物の子育てに関するものがあります。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 育児には父親も参加、オオゴキブリ(2007/06/15)
 鳥の雛【ひな】を拾わないで(2006/05/10)
 ザトウクジラはホエールウォッチングの人気者(2006/03/13)
などです。



図鑑には、ニホンジカニホンカモシカノウサギが掲載されています。ぜひご利用下さい。

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 以前、ここのブログで、「和牛」を取り上げましたね。(和牛は「日本のウシ」で... 続きを読む

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このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2008年5月23日 07:53に書いたブログ記事です。

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