空蝉【うつせみ】とは、どんなセミ?

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 そろそろ、セミが出る季節ですね。セミの幼虫の抜け殻【ぬけがら】を、目撃した方もいるでしょうか。
 古来、セミの幼虫の抜け殻を、空蝉【うつせみ】と呼びます。これは、もともとは、当て字だったようです。昔は、この世のことを、「うつせみ」、「うつそみ」などと呼びました。その言葉に、「空蝉」という漢字を当てたのですね。漢字の意味につられて、「空蝉」は、セミの抜け殻も、指すようになりました。
 「空蝉」は、特定の種を指すのではないようです。セミの抜け殻は、すべて、「空蝉」と呼ばれました。美しい響きの日本語ですね。『源氏物語』の巻名にもされています。
 セミの抜け殻は、どれも、同じように見えますね。ところが、抜け殻でも、セミの種を知ることができます。雄(オス)と雌(メス)の区別さえ、できます。
 抜け殻は、逃げません。簡単に取れます。抜け殻を集めれば、セミについて、手軽に調べられますね。夏休みの自由研究に、ぴったりです。
 どうやって、抜け殻で、種や性別を知るのでしょう? 詳しい区別の仕方は、ここには書きません。書ききれないからです。知りたい方は、ぜひ、御自分で調べてみて下さい。面白いですよ。一つだけ、ヒントを書いておきましょう。
 ニイニイゼミの仲間の抜け殻は、簡単に見分けることができます。泥だらけだからです。正確には、セミ科ニイニイゼミ属の種が、泥だらけの抜け殻になります。ニイニイゼミ属以外では、チョウセンケナガニイニイという種の殻も、泥だらけになります。
 日本本土に分布するセミで、泥だらけになるのは、ニイニイゼミだけです。本土で泥だらけの殻を見つけたら、ニイニイゼミがいる証拠ですね。
 なぜ、一部の種の抜け殻だけが、泥だらけなのかは、わかっていません。泥だらけでは、「空蝉」という響きに似合いませんね。平安時代の貴族には、嫌われそうです。
 そのかわり、ニイニイゼミは、有名な俳句のモデルだといわれます。「しづかさや岩にしみいる蝉の声」ですね。時代や人によって、虫を愛でる心も、変わるものです。


図鑑には、ニイニイゼミなど、八種のセミが掲載されています。ぜひご利用下さい。


 過去の記事でも、セミの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 アブラゼミの羽化直後の観察(2007/07/18)
 昆虫にも「ミミズク」がいる?(2007/07/09)
 唾【つば】を吐く昆虫? アワフキムシ(2006/07/07)
 セミ(蝉)の幼虫は何年生きる?(2006/07/03)
などです。

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このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2008年6月30日 07:30に書いたブログ記事です。

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